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2024年度日本一決定戦事前メタゲーム総括記事:オリジナル編

ライター:宮崎 大(アーチー)

 誰しも一度は考えたことがあるはず。

「最強のプレイヤーは誰なのか?」

 数多くのプレイヤーが脳裏に浮かび、悩むことだろう。

 才能で切り拓いたあのプレイヤー?
 努力で登り詰めたあのプレイヤー?

 この質問の解答が決まるのが『全国大会2024』である。

 この記事ではその解答を狙うプレイヤーが、"己の魂を込めて使用するだろうデッキ”を解説していこうと思う。

オリジナルとは

 デュエル・マスターズの歴史の中で追加されてきた「超次元ゾーン」や「超GRゾーン」などの外部ゾーンや特殊なカードを使わずにメインデッキ40枚で闘うシンプルなルール。

 シンプルが故、外部の情報がないため、相手との高度な読み合いや駆け引きが見られ人気がある。

 予選ラウンド4~6回戦、決勝トーナメントをこのフォーマットで行うため重要度が高いので、これからのメタゲーム解説は要チェック。

メタゲーム

 まず、ここで読者に一つ教えておきたい。

~全国大会のメタゲーム(ゲーム環境)を予想するのは数多くある大会の中で一番と言ってもいいほど難しい~

 DMGPほどの参加人数がいるのであれば、事前に行われているCSでの入賞数から簡単にデッキタイプの多さを予測することができる。

 だが、全国大会は参加者が50人前後かつ新殿堂施行後。

 それも全てトッププレイヤーとなれば話は別だ。

 昨年開催された全国大会2023にて【闇自然アビス】と【火水マジック】が暴れると予想されたが、使用者が一番多かったのは、まさかの【巨大天門】であった。  これには大勢の視聴者、そしてプレイヤー達が1番驚いたであろう。

 そう、全国大会のメタゲームを読むことは難しいのだ。

 しかし、彼ら才能あるトッププレイヤーは、事前のCS入賞数やCS会場でのデッキ使用者の数の情報を収集して環境を想定し、対応策を考えながらデッキを決めていることに間違いはない。

 この記事では読者の皆様が、少しでも彼らと同じ目線まで近づき全国大会2024を楽しめるように、少しでも彼らのデッキ選択に共感できるように

 CS入賞数や使用者の数から導き出した注目デッキを紹介していこうと思う。

環境デッキのスピード感

 デッキの強さを表す1番重要な項目が"スピード"である。

 【ファイアー・バード】や【マーシャルループ】など、3ターン目にゲームを終わらせるデッキが3月10日からの殿堂施行によって使えなくなった。  よって今は"4ターン目にビッグアクションを起こす"ゲームになっている。

 どのデッキも3ターン目に手札やマナといったリソースを補充し、4ターン目にゲームを大きく優位に持っていくアクションを行う。

その中で大事なのが、「安定感」と「妨害」

 「安定感」は同じ動きを何ゲームも繰り返すことができるのか。

 「妨害」は相手の4ターン目のアクションを防ぐ手立てがあるのか。

 このことを考えながらデッキというのは組まれていく。

 今回参加するプレイヤーが使うデッキも同じく。

 このことに注目して、この記事のデッキや、参加者が当日使うデッキを見ていってほしい。

水闇自然マルル

 このデッキは「安定感」を極めたデッキである。

 2コストのマナブーストカード10枚から繋がる《天災 デドダム》《ヨビニオン・マルル》が8枚あり、何試合も同じ動きを繰り返して行うことができる。

 その安定感から4ターン目には《ロスト・Re:ソウル》《CRYMAX ジャオウガ》でゲームを終わらせるレベルのアクションを取れる。  これだけでも現環境最強級デッキになるのだが、このデッキはアクションのみならず『リアクション』ができる。

 相手のアクションに対して《流星のガイアッシュ・カイザー》を出し、次のターンに《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》《終末の監視者 ジ・ウォッチ》でカウンターすることが可能なのである。  3月15日から発売された『異次元の超獣使い』で《偽りの月 インターステラ》《ブレイン・スラッシュ》のパッケージを採用し、カウンターはできないが、防御力、攻撃力共に特化した構築を作ることもできた。  自分のメインの動きは安定感・破壊力抜群。

 相手のメインの動きにはカウンターで制圧可能。

 この「安定感」を使うのか、対策するのか、諦めるのかの選択に注目。

火水闇ジャオウガ

 このデッキは「妨害」を極めたデッキである。

 そして【水闇自然マルル】の対策がされたデッキでもある。

 各デッキの安定感を低下させる《飛ベル津バサ「曲通風」》《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》《霊淵 ゴツンマ=ダンマ》《冥土人形ヴァミリア・バレル》等で相手の動きを遅らせる。  その後、ハイパーエナジーを駆使し《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》で手札、シールド、バトルゾーンを縛り上げ殴り勝つ。

 小型クリーチャー対策としてどのデッキにも採用されがちな《飛翔龍 5000VT》相手にも、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を使ったビートダウンで突破可能。

 このデッキは同じ役割のカードが少ないので『安定感』はないものの、相手を『妨害』するカードを掛け算かのように組み合わせることで行動不能まで追い詰める。

 この『妨害』を使うのか、対策するのか、諦めるのかの選択に注目。

火光水ゴスペル

 このデッキは「安定感」と「妨害」の両方を持ち合わせたデッキである。

 構造としては2ターン目3ターン目にドローしながら墓地に捨てる作業を行い、高い質の手札と墓地を作り上げていく。

 そして4ターン目には《キリモミ・ヤマアラシ》でスピード・アタッカーになった《水晶の王 ゴスペル》《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を唱えて、追加ターンを確保しながら殴り始める。

 ここまで見れば「安定感」だけのデッキだが、【火水光ゴスペル】は更に相手デッキに対する『妨害』方法がある。

 それが"手軽すぎる除去"である。

 《最期の竜炎》は1コストの呪文でありながら《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を捨てることで99コスト以下のエレメントを破壊することができる。  手札入れ替えで使用する《勇愛の天秤》にもパワー2000以下のクリーチャー除去効果がついている。

 【火水闇覇覇覇ジャオウガ】などの小型クリーチャーを展開して戦うデッキとは相性がかなり良い。

 そして【水闇自然マルル】との相性も微有利なので、環境の立ち位置は抜群と言っていいだろう。

 この「立ち位置」を使うのか、対策するのか、諦めるのかの選択に注目。

光水ヘブンズ・ゲート

 このデッキは『安定感』がある『カウンター』デッキ。

 【水闇自然マルル】のような《流星のガイアッシュ・カイザー》によるリアクションではなく、自分のビッグアクションをちらつかせてシールドを殴らせ、《ヘブンズ・ゲート》《光開の精霊サイフォゲート》をS・トリガーで使い制圧するカウンターが持ち味。

 殿堂施行前の事前評価は高かったが、【水闇自然マルル】の《ロスト・Re:ソウル》がクリティカルに刺さり、【火水闇覇覇覇ジャオウガ】のメタカード軍団に思ったよりの勝率が出なかったため、評価が低くなりCS入賞は他デッキよりも少なめ。

 「天門はポジションデッキ」という言葉があるが、ポジションはかなり悪めなことに間違いはないだろう。

 この「昔ながらのカウンター」を使うものは現れるのか。

光自然ドリームメイト

 “どのデッキも3ターン目に手札やマナといったリソースを補充し、4ターン目にゲームを大きく優位に持っていくアクションを行う。”

 この定石から外れた強さを持つデッキが【光自然ドリームメイト】。

 《お目覚めメイ様》から《森夢のイザナイ メイ様》に最速2ターン目で繋いで、ドリームメイトを展開し押し付ける。

 この環境で3ターン目以内に押し付けができるという評価が高く、EXWIN(特殊勝利)もできる点から現環境の唯一の立ち位置を持つデッキである。

 この「押し付けのスピード」には注目して欲しい。

水闇自然グラスパー

 評価が上がったり下がったりそんな繰り返しだった【水闇自然グラスパー】も注目。

 【水闇自然マルル】が相手の動きに対応した上で勝つ「見切り」の使い手なら【水闇自然グラスパー】は自分の動きに特化した「押し付け」の使い手。

 2コストマナブーストから《ヨビニオン・マルル》

 次のターンのタイミングで《蒼狼の王妃 イザナミテラス》でループが可能。

 《水上第九院 シャコガイル》によるデュエル・マスターズの中でも最も安全なフィニッシュが出来る。

 これだけ見ると「【水闇自然マルル】より【水闇自然グラスパー】の方が強くね?」となるがもちろんデメリットもある。

1.《飛翔龍 5000VT》を出されるとループが困難になる。

 一応《流星のガイアッシュ・カイザー》《連鎖類超連鎖目 チェインレックス》を使用したループルートこそあるものの、要求値が非常に高い。

2.対応力が【水闇自然マルル】より低い。

 召喚制限やコスト踏み倒し対策クリーチャーを出され、ループを止められた時にできることの幅が少ない。

 これはデッキのスロットをループパーツに割いているため起こっている。

 デメリットこそあるもののメリットは多い。

 この「押し付け」を使うのか否か。

水闇ヴォゲンム

 約1年の時を経て、CS入賞数が急激に向上し帰ってきた【水闇ヴォゲンム】。

 魔導具と呼ばれる種族を使いこなし、5ターン目から全ハンデス+マナロック+盤面ロックを展開できるデッキ。

 その独特でテクニカルな動きから、熱意あるプレイヤーによって《「無月」の頂 $スザーク$》殿堂後も構築やテクニックが開拓され続けた。

 魔導具呪文《凶鬼98号 ガシャゴン / 堕呪 ブラッドゥ》の呪文面に墓地を無くす効果がついていたり、《堕魔 ドゥポイズ》の相手クリーチャーを破壊する効果がついていたりと、低コストで細かく器用な動きが可能である。

 ただ、デッキとしてかなり特殊なテクニックを要求されるためプレイングが難しく使用難易度が高い。

 この「テクニカルデッキ」を使うプレイヤーが出てきた場合、細かなプレイング1つから目を離さないで欲しい。

水自然ジャイアント

 アドバンス環境でも輝くメタコントロール、【水自然ジャイアント】も注目である。

 《とこしえの超人》《キャディ・ビートル》によるメタカードを存分に使いこなし、マッハファイターでの盤面制圧に長けている。

 しかし今のオリジナル環境では、立ち位置はいまひとつ。

 何のデッキが強いかはっきりと決まりきっていない環境においては、メタカードが刺さることに期待するのは難しく、マッハファイターでの除去も相手依存。

 自分のビッグアクションに必ず相手とのやり取りを挟まなければいけない点が、難しいところである。

 そこを乗り越えるプレイヤーは現れるのか。

火光自然ボルシャック

 「妨害」よりも自分の動きを通す方が強いという理論から、このデッキのCS入賞がよく見られる。

 最速3ターン、安定4ターン目に《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》から《竜皇神 ボルシャック・バクテラス》に繋ぎ、アーマードを大量展開し、ゲームをフィニッシュさせる。

 爆発力は一級品。

 しかし《ボルシャック・ドリーム・ドラゴン》を引けないと動きが遅くなってしまう点は問題である。

 「安定感」の無い、波のあるこのデッキを使いこなすプレイヤーはいるのか。

火自然アポロヌス

 未だ3ターン目にビッグアクションを起こせるデッキ【火自然アポロヌス】も注目である。

 CSでも度々入賞報告が見られる。

 最速2ターン目から走るそのバイクは、4ターン目がビッグアクションとなった現環境にはあまりにも速すぎる。

 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》の前では相手はノーガードも同然。

 本番を勢いで駆け抜けられるか?

ファイアー・バード

 忘れてはいけない。

未だ、このデッキは強かった。

 《雷炎翔鎧バルピアレスク》が殿堂になっても《ハッター・ルピア》《ポッピ・冠・ラッキー》によるメタ性能の高さ、《ハンプティ・ルピア》によるハンデス妨害が、あらゆるデッキを寄せ付けない。

 ただ、【水闇自然マルル】など、1ターン中で仕留め切らなければいけないデッキに対しては、殿堂入りによる弱体化が効いていて《飛翔龍 5000VT》が間に合いやすくなっている。

 元々有利だったマッチアップに対してはそのまま有利。
 不利や5分のマッチアップにはもう少し不利側に傾く影響になった。

 ただCSの結果では入賞数トップ

 【ファイアー・バード】の名手が多いこの全国大会でも、栄冠を掴むことはできるか。

おわりに

 いかがだったでしょうか。

 以上が今回の全国大会2024のメタゲーム総括となる。

~全国大会のメタゲームを予想するのは数多くある大会の中で一番と言ってもいいほど難しい~

 だが、それを読み切れる者こそが、2024年の頂点に立つプレイヤーなのだろう。
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