全国大会2025:メタゲームブレイクダウン~オリジナル~
ライター:原田 武(たけじょー)
最強のデッキとはなにか。デュエル・マスターズが続く限り永遠に問われ続けるこの問いに、現時点でのアンサーが最高水準のプレイヤー達によって提示される場。それが全国大会だ。
3月16日に施行となった新殿堂レギュレーション。《闇王ゼーロ》の規制により【ゼーロ】系列デッキが、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の退場により【水単サイバー】がそれぞれ環境から脱落した。
新殿堂直前ではやや【水単サイバー】が失速していたという背景はあれど、いずれもメタゲーム内で一定以上の存在感を示していたデッキには違いない。
それらが居なくなった後のオリジナル環境で行われる、初の競技大会が全国大会2025。日本中の強豪がこの日のために練り上げた、最適解の形を紐解いていこう。
まずこちらが全参加者61名の使用デッキタイプ、その集計結果だ。
16 【光水自然ゴルギーオージャー】
10 【4cアルファディオス】
8 【光水自然der'Bande】
5 【光自然ドリームメイト】
4 【水闇COMPLEX】
3 【光水自然der’Zenループ】
3 【4c「GG」-001】
3 【4cディスペクター】
2 【光水闇マークロループ】
2 【火光自然ドギラゴン王道】
1 【火光自然ボルシャック】
1 【5cバラモルド】
1 【自然単キャベッジ】
1 【4cハンデス】
1 【火水闇アビス】
最大母数となったのは【光水自然ゴルギーオージャー】で、そこから【4cアルファディオス】【光水自然der'Bande】と続く。
【光水自然ゴルギーオージャー】【光水自然der'Bande】の使用率の高さは下馬評通りといった感があるが、これらに拮抗する使用率を叩き出したのが【4cアルファディオス】、という事実には注目すべきだろう。少なくとも以前までの環境においては、これほどシェアの高いデッキではなかった。
またこれらのデッキはいずれも光・水・自然の3文明が基盤となっており、王道W第4弾「終淵 ~LOVE&ABYSS~」で登場した強力な初動・《大集合!アカネ&アサギ&コハク》の恩恵を存分に享受しているのも印象的だ。
これら3つの下には【光自然ドリームメイト】・【水闇COMPLEX】というおなじみの面子が付けている一方、母数3以下には独自性の強いアーキタイプも多数。新環境を攻略するために、様々な角度からのアプローチがなされたことが伺える。
一方で【火闇自然D・D・D】や【4cペテンシーフシギバース】など、母数0を記録した有力デッキもいくつか存在する。全国大会の場では通りづらいと判断されたのであろうが、いささか驚かされる結果となった。
さて以上を踏まえて、TOP8進出者のデッキ分布は以下の通りだ。
2 【光水自然ゴルギーオージャー】
2 【4cアルファディオス】
2 【光水自然der'Bande】
1 【水闇COMPLEX】
1 【自然単キャベッジ】
【光水自然ゴルギーオージャー】
|
デンネ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

NEOクリーチャーを10枚重ねて《轟䡛合体 ゴルギーオージャー》の特殊勝利達成を狙う【光水自然ゴルギーオージャー】。
安定4ターンのスピード感と、除去や妨害もこなす手数の多さ、ビートダウンも特殊勝利も可能な柔軟性とパワー……あらゆる対面に対して自身の動きを通しに行ける強靭さがこのデッキの魅力だ。
予選での使用者の多さからも分かる通り、本大会でも環境を定義する立ち位置にあったと言えるだろう。本戦進出者も2人と予選から総数の25%をキープしている。
構築面での目立ったブレイクスルーは確認できなかったものの、8枚ほどある自由枠の使い方に選手ごとの個性が見られた。
《ベイB セガーレ》や《巨魔天 アオフェシー》の採用は定番化していた一方で、《水上第九院 シャコガイル》、《飛翔龍 5000VT》、《吟弾の妖精》、《TAKASUGI-死合乱闘3000》、《パラディソ・シエル》などは人によってまちまちの採用。
固定枠となっている32枚前後だけで強靭なゲームプランが組めているため、今後もよほどのアップデートが無い限りは、この8枚で最適な形を模索していくことになるだろう。
【光自然ドリームメイト】
|
えもかふぇ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

評判通りの大立ち回りを見せた【光水自然ゴルギーオージャー】に比べ、いささか活躍が大人しかったのが【光自然ドリームメイト】。予選使用者は5名に留まり、本戦では使用者なしの憂き目にあった。
《お目覚めメイ様》チェンジ《森夢のイザナイ メイ様》の神速ムーブは健在、どころか《光夢龍フィオナ・フォレスト》の登場で強化されている。最速2ターン目に《PP-「P」》に繋がれば、盤面勝負でもリソースゲームでも一気に優位に立てるだろう。
一方で1ターンでも遅れると【光水自然ゴルギーオージャー】の《華謡の精霊カンツォーネ》が間に合ってしまったり【光水自然der'Bande】に殴り切られてしまったりと、決して完全無欠ではない。
2種の≪メイ様≫を引けるかどうかで速度感が大きく変わってくるということもあって、使用者・結果ともに抑え目なものとなったのではないか。
もちろんデッキ自体の出力自体は一切衰えていないので、今後も環境には存在し続けることだろう。「先1メイ様」の脅威は今しばらく続きそうだ。
【光水自然der'Bande】
|
kaisora 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

《俳句爵 Drache der’Bande》から呪文を経由して小型クリーチャーを大量展開、相手の行動を制限しながら殴り切るのが【光水自然der'Bande】。現オリジナル環境で「速攻デッキ」と言えばこれだろう。
S・トリガーでしっかり守りを固めるようなデッキは減少傾向にあり、また仮にそうしたデッキと当たったとしても「踏むか踏まないか」の勝負は出来る。
《洗打の妖精》《一音の妖精》ら、多くのデッキに対して効果的な妨害クリーチャーを添えながら攻めていくため、万一受けられたとしてもそのまま押し切りやすいのも大きい。
一方で【光水自然ゴルギーオージャー】はやや重たく、《一音の妖精》《巨魔天 アオフェシー》《~西方より来る激流の竜騎公~》を乗り越える必要がある。とはいえ先攻さえ取ればこれらも間に合わない。
環境や採用カードを読みきることが難しい全国大会の舞台において、どんな相手にもビートダウンによる勝ち筋を持てるというのは頼もしかったはず。納得の2名通過となった。
【4cアルファディオス】
|
リノグレ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

予選使用者数2位の勢いそのまま、本戦にも2名を送り込んだのが【4cアルファディオス】。このデッキの主張点はずばり、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を運用できることにある。
ここまで挙げてきた【光水自然ゴルギーオージャー】【光自然ドリームメイト】【光水自然der'Bande】の全てに共通するのが、1ターンの間にクリーチャーを大量展開してゲームを進行すること。《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》を出せば、返しの動きは大きく制限される。

あとは《王導聖霊 アルファディオス》や《剣轟の団長 ドギラゴン王道》といったドリームレアに繋げ、追加の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》や《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を後ろ盾に詰め切ってしまえばいい、というわけだ。そもそものカードパワーが高いため雑多なデッキにも勝ちやすい。
しかし一方で、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》および《王導聖霊 アルファディオス》の着地はどう頑張っても4ターン目。先手ならまだしも、後手だと間に合わない場合があるのは明確な弱点だった。
折角デッキ単位で対策しているのに、肝心の【光水自然ゴルギーオージャー】【光自然ドリームメイト】【光水自然der'Bande】は早くて3ターン目、安定4ターン目には勝ちに来る。
|
紅蓮 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

このジレンマを解消すべく投入が見られたのが、《創世竜 ゴルギーネクスト》。2コストのマナ加速をクリーチャーの《ROYAL-減亜5》に任せることで、3ターン目にD・D・Dして山札からの踏み倒しを狙うことが出来る。
運任せではあるものの速度感が改善できるうえ、言わずもがな最大値はかなり大きい。仮に外してもエスケープ持ちの展開制限が残るため、《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》ほどではないにせよ時間が稼げるだろう。
サンプルリストは紅蓮はじめ何名かが用いていたもので、受けの一切とエンジェル・コマンドの枚数を削り《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を4枚投入。序盤の地上戦を見すえつつ、《剣轟の団長 ドギラゴン王道》のバリューを底上げしている。
新たな採用候補も加えつつ、今後の競技環境でも注目されるデッキとなるはずだ。
【水闇COMPLEX】
|
さんやみ 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |
|
|

由緒正しきハンデスコントロール、【水闇COMPLEX】。フィニッシャーたる《DARK MATERIAL COMPLEX》の殿堂入りから1年になるが、今回も最適化の末に持ち込まれ、最終的に準優勝を記録した。
《冥土人形ヴァミリア・バレル》《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》による手札破壊が機能しない相手はいない。
【光水自然ゴルギーオージャー】などは展開の途中でどうしても手札が減るタイミングが出来るため、そこに当てればよい。【光自然ドリームメイト】の《料理長のラビシェフ》が《光夢龍フィオナ・フォレスト》に枠を譲る形で減らされているのも好都合だ。
ここに《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》や《奇天烈 シャッフ》を添えて態勢を盤石にし、最後は愚直に攻撃して勝つ。【光水自然der'Bande】の項で述べたように、現環境で手痛いS・トリガーに出会うことは稀だ。

今大会でのシークレットテクとしては《DG ~裁キノ刻~》の活躍が見受けられた。山札からのマナ加速と踏み倒しを禁止する1枚で、《大集合!アカネ&アサギ&コハク》も《森夢のイザナイ メイ様》も《キユリのASMラジオ》も全て機能不全になる。
【4cアルファディオス】の《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》同様、環境に広く刺さる対策まで持ち込める【水闇COMPLEX】。何度目かの再評価のタイミングが訪れている。
【自然単キャベッジ】
|
希亜 全国大会2025 日本一決定戦 オリジナル |

予選使用者1名、本戦進出も当然の1名。そしてそのまま優勝に輝いた孤高のローグデッキが【自然単キャベッジ】だ。
2025年夏の「愛感謝祭!ヒロインBEST」で多数の強化を獲得し、一時は一定の存在感を示していたものの、同期の【水単サイバー】、後発の【火闇自然レッドゾーン】や【光水闇ゼーロ】、【光水自然der'Bande】などに押されていつしか退場。この度電撃復帰を遂げた形となる。

最大の強みはその制圧力で、マナ加速と軽減効果を駆使して最速4ターン目で《地封龍 ギャイア》を着地させる。クリーチャーによるアクションをほぼほぼ否定してしまうため、デッキによっては即座に詰みだ。
少なくとも、一般的な【光水自然ゴルギーオージャー】や【4cアルファディオス】ではこの《地封龍 ギャイア》は退かせない。あとは≪キャベッジ・セッションズ≫で横展開してフィニッシュとなる。


また速度の速い相手に対しては、クリーチャーによる妨害でゲームを引き延ばす。2コストの《クイーン&かぼちゃうちゃう》は【光自然ドリームメイト】にも間に合わせられるし、≪Q.Q.G.QX.≫は4コストと重いものの、山札を見られなくして《DG ~裁キノ刻~》同様の働きをする。
ツインパクトの恩恵でS・トリガーも自然と多く搭載できるため、「受けて返す」動きにもある程度期待できる。仮に【光水自然der'Bande】が動き出した後でも、シールドの内容次第では一発逆転を狙えることだろう。
制圧力、ゲームレンジの引き延ばし、防御性能。こうして分解するといずれの要素も最新環境にマッチしていたことが見て取れる。
まさしく捲土重来。新環境を前にしたときにまず見直すべきは、過去に刻まれた戦いの歴史なのかもしれない。
全国大会2025では最強と目された【光水自然ゴルギーオージャー】を中心に、「最強のデッキ」を自ら定義しなおさんとするプレイヤーの研究がぶつかり合う、そんなメタゲームが展開された。
強いとされるデッキは、何故強いのか。その強みをなお上回り、勝つために必要なエッセンスとは何なのか。トッププレイヤー達の思考が導いた、全国大会にふさわしいハイレベルな舞台だったと言えよう。
こうして得られた知見はメタゲームに還元され、次なる環境と次なる「最強」に向け、全てのプレイヤーの糧となっていく。
この記事が、巡る情報を読み解く一助となれば幸いだ。
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2026, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY









