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山形超CSⅢ 準々決勝ダイジェスト ~天災を超える者たち~

 1,300名に迫る出場者も、ついに8名にまで絞られた。

 だが、全国大会まであと3勝というこの局面に至ってもなお。トップ8に残る8つのデッキのうち、4つが同じデッキだというのだ。

 そのデッキとは、メタゲームブレイクダウンを見ればもはや明らかだろう…… そう、《SSS級天災 デッドダムド》。超CSⅢに突如として降りかかった天災のごとき大暴れは、まだ続いていたのだ。

 それでも、TOP8プロフィールを見ればわかるように。ここまで勝ち残った8名は《SSS級天災 デッドダムド》の台頭を予見していた者ばかりである。

 はたして勝つのは《SSS級天災 デッドダムド》か、それ以外か。

 ここでは、フィーチャーマッチ以外の3卓の準々決勝の模様をお届けしよう。


準々決勝:@みすと vs. ヤルカ!ポケカ!

 ヤルカ!ポケカ!はデュエマ歴がまだ2年程度だが、『ジョーカーズミッツァイル』というかなり難易度の高いデッキの、しかもかなり個性的なリストを使いこなし、TOP8まで勝ち残った。

 対する@みすとはデュエマ歴8年程度に加え、昨年石川で開催された超CSⅡでもトップ8に入賞していた強豪であり、今回は《卍 新世壊 卍》を使用している。

 唯一、非《SSS級天災 デッドダムド》デッキ同士の対決となった一卓。勝つのは独自のチューンで勢いに乗るヤルカ!ポケカ!か、それとも昨年のリベンジに燃える@みすとか。


Game 1

先攻:@みすと

 1ゲーム目、先攻の@みすとが2ターン目にこそ《卍 新世壊 卍》を置けなかったものの、《堕呪 バレッドゥ》《堕呪 ゴンパドゥ》と動いて4ターン目に《卍 新世壊 卍》を設置しつつの《堕呪 ウキドゥ》で、「最速6ターン目には《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》が打てるぞ」という予告をする。

 対し、ヤルカ!ポケカ!は4ターン目の《ドンドド・ドラ息子》が初動という芳しくない立ち上がり。これを見た@みすとは《奇天烈 シャッフ》でヤルカ!ポケカ!の動きを制限しにかかるが、返すヤルカ!ポケカ!は《ドンドド・ドラ息子》を「J・O・E」で出して手札を整えつつ《ポクチンちん》を立てる。

 そして、これを見た@みすとが勝負に出る。《堕呪 バレッドゥ》×2からの《堕呪 ゴンパドゥ》…… すなわち、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》

 一気に2体の《凶鬼卍号 メラヴォルガル》がバトルゾーンへ。だが《ポクチンちん》がいるため、効果だけを残して山札の下に行く。それでも《奇天烈 シャッフ》の攻撃後 (指定は「4」) であるため、残る4枚のシールドのブレイク能力が何事もなく解決すれば、@みすとの勝利はほぼ確定する。

 『ジョーカーズミッツァイル』は、テンプレート通りであればノートリ (S・トリガーが入らない) デッキなのだ。だからこそ@みすとはこのプランを選択した。

 能力によるシールド・ブレイク。はたして、そこにあったのは……?


 《》!!

 通常の『ジョーカーズミッツァイル』ではあまり見られないカード採用が、ヤルカ!ポケカ!の窮地を救った。手札から登場した《ウォッシャ幾三》《奇天烈 シャッフ》を打ち落とし、シールドは割り切ったものの追加ターンには@みすとの盤面に既にクリーチャーがおらず、ダイレクトアタックを決めることができない。

 仕方なく《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》でどうにか盤面を一掃する@みすとだったが、ヤルカ!ポケカ!はすぐさま《ヤッタレマン》《ドンドド・ドラ息子》《怒ピッチャコーチ》から《夢のジョー星》へとつなげる。

 それでも、「虚無月の門」を発動させて《》を立てることでブロッカーを用意しつつ、ターンが返ってくれば勝ちという盤面を作る@みすとだったが。

 満を持して《BAKUOOON・ミッツァイル》から超GRの大量展開につなげたヤルカ!ポケカ!が《ジョット・ガン・ジョラゴンJoe》を召喚、登場時能力で《卍 新世壊 卍》を剥がすと、ダメ押しの《ジョジョジョ・マキシマム》《The ジョラゴン・ガンマスター》の「超天フィーバー」で《》を排除しつつ、呪文トリガーを封殺しながら全ブレイク!


 《卍 新世壊 卍》なしでは魔導具呪文もただの呪文。S・トリガーを確認するまでもなく、ヤルカ!ポケカ!がまずは1ゲーム目を先取する。

@みすと 0-1 ヤルカ!ポケカ!


Game 2

先攻:@みすと

 2ゲーム目も@みすとは2ターン目に《卍 新世壊 卍》を設置できないものの、《堕呪 ゴンパドゥ》から《タイク・タイソンズ》の返しの3ターン目には設置することに成功して事なきを得る。

 だが3ターン目にも《タイク・タイソンズ》を召喚しつつ、「Jチェンジ」で《ドンドド・ドラ息子》をバトルゾーンに送り出したヤルカ!ポケカ!は、《堕呪 ウキドゥ》を2連打された返しの後手4ターン目に《夢のジョー星》から《BAKUOOON・ミッツァイル》という黄金ムーブを見せる。

 そしてそこから「J・O・E」で《ドンドド・ドラ息子》を召喚して手札を整えたヤルカ!ポケカ!は、1ゲーム目と同じく《ジョット・ガン・ジョラゴンJoe》《ジョジョジョ・マキシマム》という《卍 新世壊 卍》に対する必殺の動きを決めることに成功し、ダイレクトアタックとともに準決勝進出を決めたのだった。

@みすと 0-2 ヤルカ!ポケカ!

Winner:ヤルカ!ポケカ!


準々決勝:ミノミー vs. SEA

 グランプリ-3rdで3位に入賞した経験を持つSEAは、幅広いデッキ相手に五分以上に立ち回れる対応力を頼みに今回のトップメタである『水闇自然《SSS級天災 デッドダムド》』を選択し、トップ8に進出した。

 対するミノミーはここ最近CSなどで連勝を重ねており、《卍 新世壊 卍》のエキスパートとして知られている。

 相性的には《卍 新世壊 卍》が若干有利かといったところだが、SEAのデッキにはとある必殺技(・・・)が搭載されていた。全国出場への望みをつなぐため、強豪同士が火花を散らす。


Game 1

先攻:SEA

 1ゲーム目は先攻のSEAが《悪魔妖精ベラドンナ》《天災 デドダム》《禁断機関 VV-8》というぶん回りを見せたのに対し、ミノミーも2ターン目《堕呪 バレッドゥ》から3ターン目には《卍 新世壊 卍》を設置と一見十分な回り。

 だが、このときミノミーの手札は《凶鬼卍号 メラヴォルガル》《ゴゴゴ・Cho絶・ラッシュ》で溢れてしまっており、魔導具不足に陥ってしまっていた。4ターン目には《堕呪 シュノドゥ》を唱えてドローに変換するも、残る2マナで何らの魔導具呪文をも唱えることができない。

 一方この隙にSEAは2枚目の《禁断機関 VV-8》で手札を整えつつ一気に押しきるための準備をする。ミノミーはどうにか引き込んだ《堕呪 エアヴォ》を唱えて《卍 新世壊 卍》の達成まで残り2枚とするが、返すSEAは《テック団の波壊Go!》《卍 新世壊 卍》を手札に戻してこれを許さない。

 それでも、今まで引けていなかったということはいつかは引いてくるということだ。ここでようやく魔導具呪文ゾーンにたどり着いたミノミーは、《卍 新世壊 卍》《堕呪 ゴンパドゥ》《堕呪 ゴンパドゥ》と唱えてすぐさま態勢を立て直す。SEAは《龍素記号Sr スペルサイクリカ》からの《テック団の波壊Go!》で再び《卍 新世壊 卍》を戻すのだが、手札が充実し始めたミノミーに対し、これでは時間稼ぎにしか過ぎないものと思われた。

 だが、ここでSEAの必殺技(・・・)が炸裂する。



 《レアリティ・レジスタンス》一見するとただのネタカードのようにも思えるが、《龍素記号Sr スペルサイクリカ》との組み合わせによってVRカードである《卍 新世壊 卍》に対する強烈なメタカードとなる。すなわち、この呪文によって《龍素記号Sr スペルサイクリカ》も手札に戻るため、1ターンのうちに《卍 新世壊 卍》を完成させない限り、毎ターン手札に戻し続ける動きが可能となるのだ。

 ならばとミノミーは《》を立ててSEAのマナを縛ろうとするのだが、クリーチャーを立てることこそ、むしろSEAの注文通りだった。

 すなわち、マナゾーンから召喚した《虹速 ザ・ヴェルデ》の「マッハファイター」で攻撃、そして《SSS級天災 デッドダムド》が「侵略」!

 さらにこの動きにより2体の《禁断機関 VV-8》が次々と禁断解放されていくと、追加ターンの間に立て続けにシールドをブレイクしていき、そのままミノミーにターンが返ることはなかったのだった。


ミノミー 0-1 SEA


Game 2

先攻:ミノミー

 続く2ゲーム目はミノミーの2ターン目《卍 新世壊 卍》から幕を開ける。さらに《堕呪 バレッドゥ》《堕呪 バレッドゥ》《堕呪 ウキドゥ》という動きで5ターン目の完成をほぼ確定させるが、SEAも黙ってやられはしない。

 すなわち、《レアリティ・レジスタンス》。だが早いターンということもあり、今度は《龍素記号Sr スペルサイクリカ》によるロックの可能性はない。ミノミーはすぐさま《卍 新世壊 卍》を出し直して《堕呪 ゴンパドゥ》で再度完成を狙う。

 ここでSEAは《天災 デドダム》から2枚目の《レアリティ・レジスタンス》でさらなる時間を稼ぐのだが、ミノミーは墓地に落ちた魔導具を駆使して《》を「無月の門・絶」で召喚。《禁断機関 VV-8》が設置できておらず、切り返しの態勢がまだできていないSEAに対し、マナ使用の制限をかける。

 それでも、《奇天烈 シャッフ》《》の動きを止めつつ、続くターンには《水晶の記録 ゼノシャーク/クリスタル・メモリー》でサーチした《超奇天烈 ギャブル》で「侵略」してミノミーの《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》を奪い、追加ターンを得ることに成功したSEAだったが、抵抗はそこまで。

 結局《》がどかせずに返したターン、ミノミーがついに《卍 新世壊 卍》を完成させると、《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》からドルスザクの軍勢がSEAを踏み潰した。


ミノミー 1-1 SEA


Game 3

先攻:SEA

 運命の3ゲーム目。SEAが《悪魔妖精ベラドンナ》スタートも手札が芳しくなく、3ターン目、4ターン目とマナチャージのみでターンを返さざるをえないのに対し、ミノミーは2ターン目《卍 新世壊 卍》から《堕呪 バレッドゥ》《堕呪 ゴンパドゥ》《堕呪 ウキドゥ》と超ロケットスタート。

 対し、この局面で《レアリティ・レジスタンス》を引けていないSEAは、意を決して《禁断機関 VV-8》を送り出すしかない。

 だが、ミノミーは既に態勢十分だった。満を持して5ターン目《月下卍壊 ガ・リュミーズ 卍》から、《凶鬼卍号 メラヴォルガル》×3と《》

 華麗なぶん回りを見せたミノミーが、全国出場権まであと2勝というところまで手をかけたのだった。

ミノミー 2-1 SEA

Winner:ミノミー


準々決勝:志乃 vs. ラスゴ

 志乃は前回のグランプリ-8thでもTOP128に入っていたという強豪であり、トップメタである『水闇自然《SSS級天災 デッドダムド》』を使いこなしてTOP8に進出した。

 対するラスゴはデュエル・マスターズを1弾からプレイしているという古参勢。《ブレイン・タッチ》《》といった独創的なカード選択が光る『水闇自然《SSS級天災 デッドダムド》』で同型対決に臨む。


Game 1

先攻:志乃

 1ゲーム目は先攻の志乃に対してラスゴが《》《ブレイン・タッチ》と手札を攻め立てる展開。さらに《超次元エクストラ・ホール》《イオの伝道師ガガ・パックン》を立てると、返しの先手5ターン目に志乃が気づかず《超次元リバイヴ・ホール》を打とうとするも「打てないですよ」と指摘する一幕もあり、志乃の行動を着実に先回りして妨害していく。

 それでも志乃はラスゴが《天災 デドダム》を出した返しで《超次元リバイヴ・ホール》から《勝利のガイアール・カイザー》を呼び出し、攻撃時に《SSS級天災 デッドダムド》に「侵略」してラスゴの盤面を空にするのだが、ラスゴは慌てずに《ブレイン・タッチ》でアドバンテージを積み重ねていく。

 さらに志乃が《天災 デドダム》で手札を整えた返し、ラスゴが送り出したのは《》。2枚の《ブレイン・タッチ》を再利用して志乃の手札を攻め立てつつ、フィニッシュに必要なカードを引き込んでいく。

 やがて《禁断機関 VV-8》を設置したラスゴが次のターンに《SSS級天災 デッドダムド》を一気に3体「侵略」して追加ターンを獲得すると、志乃に反撃の隙を与えずに殴りきった。


志乃 0-1 ラスゴ


Game 2

先攻:志乃

 2ゲーム目は志乃が《天災 デドダム》《天災 デドダム》と順調にリソースを伸ばしていくのに対し、ラスゴの初動は4ターン目《》と芳しくない立ち上がり。これに対して志乃は《ドンドン水撒くナウ》でマナを伸ばしつつラスゴに出し直しを要求すると、続くターンには伸びたマナから《》をクリーチャー側で出して「マッハファイター」で《》を綺麗に処理する。

 返すラスゴは《ブレイン・タッチ》を打ち込むが、アクションをとりつつも手札が減っていない志乃にダメージは少なく、逆に《超次元リバイヴ・ホール》《天災 デドダム》という動きで《勝利のリュウセイ・カイザー》をも立てられてしまう。

 ならばと貼った《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》もすぐさま志乃に貼り換えされる。そしてそのまま3体の《天災 デドダム》による攻撃時に《SSS級天災 デッドダムド》が入れ代わり立ち代わり「侵略」すると、ラスゴのシールドは一瞬にしてすべて剥がれ落ち、志乃によるダイレクトアタックが速やかに決まったのだった。


志乃 1-1 ラスゴ


Game 3

先攻:ラスゴ

 3ゲーム目はラスゴが《》《ブレイン・タッチ》で手札を攻め立てる1ゲーム目と同様の展開。だがそのまま《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》で優勢を維持するかと思いきや、志乃は《禁断機関 VV-8》《Dの博才 サイバーダイス・ベガス》の貼り換えですぐさまリソースを取り戻していく。

 ならばと《》を出して執拗に手札を攻めにいくラスゴだったが、志乃はマナゾーンから《虹速 ザ・ヴェルデ》を召喚しつつ、「マッハファイター」からの《SSS級天災 デッドダムド》の「侵略」で、《禁断機関 VV-8》の封印を剥がしつつリソースを使わずにこれを処理。反撃の隙を与えない。

 ここでラスゴは《》《SSS級天災 デッドダムド》を横向きに刺して逆転を目論むものの、《天災 デドダム》《禁断機関 VV-8》を禁断解放して追加ターンを得た志乃は、続くターンに《龍素記号Sr スペルサイクリカ》からの《ドンドン水撒くナウ》でこれを回避。さらに《超奇天烈 ギャブル》でラスゴの《ブレイン・タッチ》を奪い、さらにアドバンテージ差を広げていく。

 ラスゴも《無修羅デジルムカデ》を出しつつ《虹速 ザ・ヴェルデ》の「マッハファイター」時に《SSS級天災 デッドダムド》で「侵略」し、盤面だけはすべて処理するものの、既に残り手札は1枚。

 対して手札枚数があまりに潤沢な志乃が《ドンドン水撒くナウ》《無修羅デジルムカデ》を戻すと、ここからお互い《虹速 ザ・ヴェルデ》からの《SSS級天災 デッドダムド》で盤面を返し合うターンが続くのだが、ラスゴが《ブレイン・タッチ》くらいしかアクションを挟めないのに対し、志乃は《超次元リバイヴ・ホール》《》で山札を回復しながら戦う余裕がある。

 そして、ついに志乃がシールドブレイクに向かう時がやってきた。《奇天烈 シャッフ》《テック団の波壊Go!》の「7」を指定しつつ、1点。2点。2点。さらにダイレクト。だが、ラスゴは抱えていた《光牙忍ハヤブサマル》で粘る。


 さらに《天災 デドダム》2連打から《虹速 ザ・ヴェルデ》にたどり着いたラスゴは、《SSS級天災 デッドダムド》3枚で盤面をすべて返すことに成功する。

 《》《龍素記号Sr スペルサイクリカ》をマナから回収しつつ《SSS級天災 デッドダムド》に「侵略」してターンを終えた志乃に対し、ラスゴは食い下がる。《》《改造治療院》を再利用、《光牙忍ハヤブサマル》を回収しつつ《無修羅デジルムカデ》を立てる。これなら耐えられる。そう思われた。

 しかし。

 《ドンドン水撒くナウ》《無修羅デジルムカデ》を対処した志乃が唐突に5マナをひねると、既にバトルゾーンにいた《SSS級天災 デッドダムド》《超奇天烈 ギャブル》を通常進化させる。

 そしてめくれた5枚の中には、あろうことか《》があった。ラスゴが抱えていた唯一の守り札だった《光牙忍ハヤブサマル》が、その手から落ちる。

志乃「ダイレクトで!」

 時間切れによるエクストラターンにまで突入した超ロングゲームを制したのは、志乃だった。

志乃 1-1 ラスゴ

Winner:志乃
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