デュエル・マスターズ

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超CSⅣ宮城 準々決勝ダイジェスト

ライター:河野 真成
撮影者:堀川 優一

超CSⅣ宮城もTOP8が出揃い、いよいよ大詰めだ。
 
 圧倒的な速度でゲームを終わらすデッキ、カウンターから強烈な一撃を放つデッキ、じっくりコントロールするデッキ……様々なデッキが並んでいるのが、実にデュエル・マスターズらしいと思う。

 では彼らは一体、どんな戦いを繰り広げているのだろうか。

 それぞれ順番に見ていこう。

準々決勝:マツ vs. ロトゴ

 マツの使用するデッキは『5cネバー』。対してロトゴは『火単我我我ガイアールブランド』。
 半年……いや、もう1年近く続く両者の戦いであるが、最近は共に数を減らしている。どんな強いデッキあっても、環境の変化に対応出来ないこともある。
 それでも、大型大会で生き残るだけのデッキの強さは、確かにある。
 
 幾度となく行われてきたこのマッチ。勝利の鍵となるのは、至ってシンプルなデュエマの原則。
 そう、踏ませるか、踏まないか。

Game1

 先攻は予選順位の高いロトゴ。
 
 火単の最強カードである《凶戦士ブレイズ・クロー》を召喚する最高のスタート。更に続けて、5cの天命龍装《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》などを抑制する《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》を召喚し、《凶戦士ブレイズ・クロー》で攻撃する。
 
 しかしこれは、ロトゴにとっての悪夢の始まりだった。
 
 ここでマツのシールドから宣言されたのは、《ドンドン火噴くナウ》だった。《赤い稲妻 テスタ・ロッサ》は何の役割も果たせず、あっさりと破壊されてしまった。
 
 マツのマナが伸びたのも、貴重な打点が破壊されたもの、ロトゴに取っては致命傷だった。
 
 思うように打点を追加出来なかったロトゴに対し、マツは悠々と《ドラゴンズ・サイン》を間に合わせる。    そこからあとは、一方的な展開になってしまった。
 《ドラゴンズ・サイン》から《龍風混成 ザーディクリカ》を場に出すと、《龍風混成 ザーディクリカ》は次の《龍風混成 ザーディクリカ》を呼び、そのザーディが……と連鎖し、気付けば3体の《龍風混成 ザーディクリカ》が並ぶ。
 
 更に追い討ちに《聖魔連結王 ドルファディロム》までも追加され、そのパワーで圧倒したマツが、幸先よく1ゲーム目を先取した。

マツ 1-0 ロトゴ

Game2

 再び、先攻はロトゴ。今度は《ブルース・ガー》からのスタートとなる。
 続くターン、3ターン目の動きのために手札をキープしつつ、《ブルース・ガー》が1点を刻む。
 
 が、先のゲームから続く悪夢は、まだ終わっていなかったのだ。
 
 その1点で飛び出てきたのは、最悪の《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》

 もちろん《龍風混成 ザーディクリカ》が降り立ち、《ロスト・Re:ソウル》まで唱えられ、ロトゴが次のターンために残しておいた手札も、この後に考えていたプランも、全ては墓地へと消えてしまった。  ……ロトゴが一体、何をしたというんだろうか?
 
 踏ませるか、踏まないか。確かにそうは言ったが、それにしてもあんまりである。
 
 そこからはもう、2人でやるデュエマではなかった。マツが一方的に展開し、一方的にコントロールする。
 ロトゴも引いた《カンゴク入道》などで抵抗を試みるが……それがゲームに与える影響はなかった。
 
 マツがシンプルなデュエマの原則でロトゴを上回り、準決勝へと駒を進めた。

マツ 2-0 ロトゴ

Winner:マツ


準々決勝::taka: vs. ジャフェット

 『闇火邪王門』の活躍は、多くのプレイヤーにとって予想外だった筈だ。
 しかし「受けてカウンターを決める」という点では元々優れたデッキであり、特に《一王二命三眼槍》《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》に強いのは魅力的。:taka:はよいデッキ選択をした、と言えるだろう。
 
 ジャフェットが使う『光水闇バルカディアNEX退化』は、ご存じの通り実績充分の環境デッキである。あまりに充分すぎて先日《竜魔神王バルカディア・NEX》の殿堂も発表されたが、この大会ではまだ4枚使用可能だ。

 系統的にはどちらも受けてからカウンターするデッキだ。
 一体どのような攻守の応酬があるのだろうか。

Game1

 シールドが厚いジャフェットのデッキに対して、:taka:のとったプランは地道にシールドを減らしていくというものだった。

 《竜魔神王バルカディア・NEX》を建てられると切り札である《百鬼の邪王門》が使えない。そして、相手の《終末の時計 ザ・クロック》を無効化する手段は《単騎連射 マグナム》しかない。なるべく早く相手のシールドをなくし、防御手段を無効化する必要があった。
 
 :taka:は《星空に浮かぶニンギョ》を並べながら、ビートをしていく。メタカードの役割というより、アタッカーとしてプレイしているようだ。
 しかしこれらの攻撃は、《龍脈術 落城の計》のトリガーや《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》による対応などで、あっさり止められてしまう。
 
 :taka:はその後も《「貪」の鬼 バクロ法師》《カンゴク入道》を場に並べていくが、《「貪」の鬼 バクロ法師》の鬼タイムはまだ起動しない。健気に攻撃を続けるが、今度は《影世界のシクミ》がトリガーしてしまい、《終末の時計 ザ・クロック》によって時は止まってしまう。    準備の整ったジャフェットは《死神術士デスマーチ》からの退化を決め、《竜魔神王バルカディア・NEX》を降臨させる。
 こうなるとゲームは終わり……かと思われたが、ここから邪王門らしい粘りを見せる。
 
 《竜魔神王バルカディア・NEX》《∞龍 ゲンムエンペラー》を呼び出しながらシールドを割り切ったが、G・ストライクで《終末の時計 ザ・クロック》を止めると、《白騎士の精霊HEAVEN・キッド》の攻撃に《一王二命三眼槍》を合わせて、退化からの攻撃を凌ぎ切ったのだ。
 
 そしてそのご褒美として、侵略ZEROで《バサラ》を宣言。
 《バサラ》は効果で《∞龍 ゲンムエンペラー》を破壊し、シールドも1枚焼却したことで、:taka:に逆転のチャンスがやってきた。
 地道にシールドを減らしていった行動が、ここで生きたわけだ。
 
 しかしここまで手を尽くしても、:taka:の攻撃は実らなかった。
 《バサラ》のW・ブレイクは、無情にも2枚目の《影世界のシクミ》を踏んでしまった。

 《影世界のシクミ》《終末の時計 ザ・クロック》を呼び出して時を止めてしまうと、流石に《竜魔神王バルカディア・NEX》からの攻撃を二度凌ぐのは不可能だった。 :taka: 0-1 ジャフェット

Game2

 :taka:は《斬斬人形コダマンマ GS》から《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》と展開し、先と同じプランを選択する。そして今度は最初の1点で《終末の時計 ザ・クロック》がトリガーした。先に踏めたのなら悪くはない

 ただジャフェットは《アストラルの海幻》で退化の準備を進めており、時間的な猶予は少なくなっていった。
 
 :taka:は《「貪」の鬼 バクロ法師》を盤面に追加したものの、まだ倒すに至る打点はない。
 返しにジャフェットは《死神術士デスマーチ》からの退化を決め、《竜魔神王バルカディア・NEX》動く。
 
 その総攻撃もまた《一王二命三眼槍》で凌ぐが……今度は《バサラ》がなく、逆転のルートがない。
 
 予想以上の大躍進を見せた『闇火邪王門』だったが、どうやらここまでとなってしまった。

:taka: 0-2 ジャフェット

Winner:ジャフェット


準々決勝:かなと/ vs. ひんた

 DMPランキング1位のひんたの使用は、『水闇自然ハンデス』である。複数種類のメタカードとハンデス、そして除去の正確な使い分けが要求される高難易度のコントロールだが、広く多くの相手と戦えるデッキである。
 
 相手のかなと/は『火自然アポロヌス』を使用しており、コントロール側が一つのミスをすると、命取りになりかねない。
 それはまるで爆弾解体のような緻密な作業となるが、ひんたは遂行出来るだろうか。

Game1

 序盤は《飛ベル津バサ「曲通風」》《天災 デドダム》といったクリーチャーを並べていくひんた。かなと/はこれに《ジャスミンの地版》などのタマシードを展開して対抗する。
 
 面を横に並べつつ《アクア・ベララー》で山札を操作し、ひんたは《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》へのアクセスを阻止する構えだ。しかしかなと/の《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》は2打点持ちに加え、《轟く侵略 レッドゾーン》も応援に駆け付けていた。彼らがシールドに突撃すると、ひんたのシールドは0枚と、一気に追い込まれてしまった。
 
 しかしここから、ひんたは驚異の粘りを見せ付ける。
 その立役者となったのが、《CRYMAX ジャオウガ》だった。  このカードはゲームに負けるとき、自身がバトルゾーンを離れるときに、盤面の自分の表向きカードを3枚破壊するか、自身を破壊することでそれを回避することが出来る。
 《有象夢造》などで面の展開には成功していたひんたは、この効果フルに使っていく。かなと/の《ダイナボルト <ドギラ.Star>》の攻撃や、更に追加された《轟く侵略 レッドゾーン》の破壊および攻撃を全て《CRYMAX ジャオウガ》の効果で耐え凌いだのだ。その数、実に4回。
 
 かなと/の攻撃を耐え切ったひんたは、今度こそ完全な制圧を目指す。
 山札を掘り切って《絶望と反魂と滅殺の決断》で回しながら、大量にクリーチャーを展開。そして最後はやはり《CRYMAX ジャオウガ》
 1つでもミスがあれば通ったであろう『火自然アポロヌス』の猛攻に対し、《CRYMAX ジャオウガ》を駆使して防いでみせたひんた。見事に解体作業を完遂し、大きな1勝を手にしてみせた。

かなと/ 0-1 ひんた

Game2

 先攻はかなと/。《ヘルコプ太の心絵》からスタートし、《轟く侵略 レッドゾーン》の回収に成功する。
 2ターン目はパスしたかなと/に対して、ひんたは《飛ベル津バサ「曲通風」》を召喚し、サーチ系のカードを封じにかかる。
 
 かなと/はここで少し悩み、《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》の召喚。手札には《轟く侵略 レッドゾーン》があるが、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》はまだなかったので、ここはターンエンド。ひんたはハンデスを撃って手札を攻めるが、落ちたのは手札に複数抱えていた《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》だった。
 
 ひんたに手札を攻め切られる前に、なんとか決着を付けたいかなと/。
 4ターン目、山札から引いたカードは待望の《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
 
 これで、パーツは揃った。
 
 《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》の攻撃時に侵略宣言、《轟く侵略 レッドゾーン》《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》が出てきて効果が起動。
 《有象夢造》などのトリガーはなく、かなと/がゲームカウントをタイに戻した。

かなと/ 1-1 ひんた

Game3

 先攻のひんたは《飛ベル津バサ「曲通風」》からのスタートとなった。
 だが、かなと/の様子がどうもおかしい。2ターン目、3ターン目とマナにカードを置いただけで、ターンを終了する。
 
 なんと、タマシードが引けていない。ここに来て、手札事故が起こってしまったのだ。
 余裕の出来たひんたは、《絶望と反魂と滅殺の決断》でかなと/の手札を攻めていく。
 
 盤面が0の状況から走るには、最低4枚の手札が必要だ。だとすれば、その枚数以下にしてしまえば負けることは絶対にない。

 いまだタマシードに辿り着けないかなと/に対し、ひんたはなおも手札を攻めていく。遂に手札を0へと追い込むと、《魂晶 リゲル-2》《CRYMAX ジャオウガ》を回収。王手を掛けた。
 
 かなと/の命運は、ここまでだった。
 ひんたは総仕上げとして《飛ベル津バサ「曲通風」》《アクア・ベララー》を追加していくと、最後はやっぱり《CRYMAX ジャオウガ》
 
 《SMAPON》までケアをすべく、1点ずつ刻みながら《CRYMAX ジャオウガ》でハンデスと、最後まで丁寧なプレイが失われることはなかった。
 
かなと/ 1-2 ひんた

Winner:ひんた


準々決勝:SVT-ゆっけ vs. シーチキンP

 『JO退化』で最後に残った1人はシーチキンPだった。このデッキも見納めとなると感慨深い。
 
 一方SVT-ゆっけが使うのは『水闇自然ハンデス』であり、JOとしては先にメタカードを並べられても、ハンデスを食らっても苦しくなる。《飛ベル津バサ「曲通風」》を引かれる前に、《有象夢造》が炸裂する前、いかに素早く《未来王龍 モモキングJO》を走らせるか。そこが勝負となるだろう。

Game1

 1本目、シーチキンPのJOがいきなり火を噴く。
 
 2ターン目に《禁断英雄 モモキングダムX》の召喚に成功すると、STV-ゆっけから《飛ベル津バサ「曲通風」》が出てこなかったのを見て3ターン目に《進化設計図》を唱えていく。ここで4枚の進化クリーチャーのキャッチに成功し、ダメ押しとばかりに《》を唱えて退化。
 
 ……これはもう、『JO退化』の最大値だろう。
 ここまでされたら、STV-ゆっけがどんなデッキを使っていたとして、もはやどうしようもない。  JO退化がオンリーワンの強さを見せつけ、まずは1本を先行した。

SVT-ゆっけ 0-1 シーチキンP

Game2

 2本目。
 STV-ゆっけは今度は先攻で《天災 デドダム》《飛ベル津バサ「曲通風」》といったカードを展開していく。
 
 《飛ベル津バサ「曲通風」》が出てしまうと《禁断英雄 モモキングダムX》からは入りにくいシーチキンPは、熟慮の末に≪雪溶の鎖≫を召喚し、それを《怒りの影ブラック・フェザー》で割ることで、5マナからの《未来王龍 モモキングJO》素出しの展開を狙う。
 しかしこの試合は、全体的にSTV-ゆっけのペースだった。
 盤面の展開、そしてハンデスがじわじわと真綿のようにシーチキンPを締め上げ、リードを奪っていく。
 
 シーチキンPも《怒りの影ブラック・フェザー》《禁断のモモキングダム》を進化させ、さらにそこに《キャンベロ <レッゾ.Star>》進化させることで、盤面に残る生き物を作って攻める糸口としたが……。
 
 だが盤面が並べてしまえば、あとは《CRYMAX ジャオウガ》がゲームを終わらせてくれた。
 
 STV-ゆっけが2本目を取り返して、勝負は最終戦へともつれ込む。

SVT-ゆっけ 1-1 シーチキンP

Game3

 シーチキンPは《禁断英雄 モモキングダムX》の召喚と、最高の滑り出しを披露。SVT-ゆっけは《悪魔妖精ベラドンナ》のハンデスを使って、《バッドドッグ・マニアクス》を引っこ抜く。
 
 しかし続くシーチキンPのプレイは、ハンデスを絶望に追い込む《進化設計図》だった。このターンの退化はなかったものの、もはやハンデスによって手札を刈り取ることは厳しくなってしまった。
 
 4ターン目、シーチキンPは《怒りの影ブラック・フェザー》で退化を決め、《未来王龍 モモキングJO》が攻撃を始める。
 まずは《禁断のモモキングダム》が、そして続いて《キャンベロ <レッゾ.Star>》がシールドを削っていく。
 
 残りシールド1まで追い込まれたSVT-ゆっけだったが、ここでG・ストライクに加えて《有象夢造》をトリガーしたことで、チャンスがやってきた。《アクア・ベララー》の蘇生とハンデスによってシーチキンPの動きを止めると、続くターンもハンデスをしてシーチキンPの手札を枯らす。
 さらにシーチキンPのデッキトップを《アクア・ベララー》で固定して、ターンを返した。
 
 状況を整理しよう。
 
 シーチキンPのバトルゾーンは、《未来王龍 モモキングJO》と、《怒りの影ブラック・フェザー》。このターンのドローは、有効ではないカード。
 対してSVT-ゆっけのシールドは1枚。ターンさえ帰ってくれば、《キャンベロ <レッゾ.Star>》効果が切れるので《虹速 ザ・ヴェルデ》《SSS級天災 デッドダムド》で盤面を完全に処理することが可能だ。

 ……もう、おわかりだろう。
 あの1点がG・ストライクならSVT-ゆっけの勝ち、そうでなければシーチキンPの勝ちだ。
 
「なるほどね」

 シーチキンPはそう笑うと、一息吐いてから攻撃を宣言する。

 そこにG・ストライクは……ない!
 
 シーチキンPは激闘に終止符を打ち、大きなガッツポーズを見せたのだった。

SVT-ゆっけ 1-2 シーチキンP

Winner:シーチキンP


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