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超CSⅣ京都:メタゲームブレイクダウン

ライター:金子 幹

 本大会は2か月通して行われた全4回の締めくくりとなると同時に、新たな環境を定義する象徴的な大会になった。

 さっそくではあるが、best128のデッキ分布を確認しよう。

新殿堂レギュレーション施行後の勝者とは?

デッキ名 使用者数 割合
ゼーロビッグバン 24 18.8%
水闇自然ハンデス(火タッチ1) 14 10.9%
火単ブランド 11 8.6%
アポロヌス(火自然 8,その他3) 11 8.6%
ガイアハザード退化 10 7.8%
4C邪王門 10 7.8%
5Cザーディクリカ 7 5.5%
闇火邪王門 6 4.7%
NEXT.Star(火自然3,火水自然1) 4 3.1%
マッド・デッド・ウッド 3 2.3%
ネバーサイクリカ 3 2.3%
水闇自然ジャオウガ 2 1.6%
ヘブンズベン 2 1.6%
水魔導具 2 1.6%
光水火鬼羅.Star 2 1.6%
ガイアッシュ覇道 2 1.6%
シヴァン墓地 2 1.6%
ジョーカーズ(火自然1,G3旅路1) 2 1.6%
水闇自然ムゲンクライム 1 0.8%
水闇自然デッドダムド 1 0.8%
光闇火ライオネル 1 0.8%
光水ライオネル 1 0.8%
光火ライオネル 1 0.8%
グルメ墓地 1 0.8%
ケンジ・キングダム 1 0.8%
火自然ボルシャック 1 0.8%
RX閃 1 0.8%
光水火ヘブンズ・ゲート 1 0.8%
ロマノフベン 1 0.8%
合計 128 100.0%
 8月15日施行の殿堂レギュレーションは文字通り環境に大きな変革をもたらした。

 特に《禁断英雄 モモキングダムX》+《未来王龍 モモキングJO》のコンビ殿堂により、実質コンセプトが崩壊した前環境覇者【JO退化】がいなくなるのは勿論、【グルメ墓地】、【光水闇退化】、【水闇スコーラー】といったデッキも予選段階ではリペアをした使用者こそいたものの、ほぼ勝ち残れなかったのは上記を見ればわかるだろう。


 一方大きく勢力を伸ばしたのは直近のアンフェアデッキ筆頭格となる【ゼーロビッグバン】
 なんと実にbest128進出者の内の2割が使用する事態となり、付け加えると直近の8/13開催の超CS宮城においてはこのデッキのbest128における使用者数は0人であることからもその大躍進ぶりがうかがえる。

 プレイヤー間では俗にゼーロベンとも呼ばれるこのデッキは、《神徒 メイプル-1》《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》《闇参謀グラン・ギニョール》といったカードにより、コンボデッキの体裁をとりつつも次善のプランとしての妨害手段にも長けていることから、一見構築としては歪んでいるように見せつつ、その実バランスの良いデッキとなっているのが特徴だ。

 一方、フィニッシュ手段がコンボであるがゆえに、多種多様なメタカードに引っかかりやすく受けが脆いのがこのデッキの明確な穴であることも明らか。
 best128に上がったプレイヤーのリストを見ると、この受けの枠をプレイヤーごとにそれぞれ回答を見出していたことに着目したい。

アーチー
デュエル・マスターズ 超CSⅣ京都
オリジナル構築
 29 クリーチャー
4 《戦略のD・H アツト》
4 《困惑の影トラブル・アルケミスト》
4 《天災 デドダム》
4 《Disジルコン》
3 《「大蛇」の鬼 ジャドク丸》
1 《偽槍縫合 ヴィルジャベリン》
3 《Disカルセ・ドニー》
2 《不死鳥縫合 ブラック・ビッグバン》
4 《砕慄接続 グレイトフル・ベン》
 11 呪文その他
4 《秩序の意志》
3 《B.F.F. モーメント》
4 《闇王ゼーロ》


特に《B.F.F. モーメント》はこのデッキの苦手とする低マナ域のメタクリーチャーを一掃できるだけでなく、《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》の明確な回答となっているのが特徴だ。
《B.F.F. モーメント》以外には同様に【アポロヌス】を意識して《撃髄医 スパイナー》《唸る鉄腕 ギリガザミ》などのSSTが採用されている構築が見られた。

デッキ名 使用者数 割合
4C邪王門 4 25.0%
ゼーロビッグバン 2 12.5%
火単ブランド 2 12.5%
アポロヌス(火自然2) 2 12.5%
ガイアハザード退化 1 6.3%
水闇自然ハンデス 1 6.3%
5Cザーディクリカ 1 6.3%
水魔導具 1 6.3%
シヴァン墓地 1 6.3%
光水ライオネル 1 6.3%
合計 16 100.0%
 ところが、best16に進んだデッキを見てみると、実に4名もの選手が【4C邪王門】で勝ち残っているではないか。

 実際【4C邪王門】は、元々は今年5月頃から当時Tier1であった【火単ブランド】に優位に立てるデッキとして開発された経緯がある。

 リソースの確保が難点な【闇火邪王門】からデッキ内の色を増やすことで《一王二命三眼槍》《百鬼の邪王門》に加え《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》を含めた3種の受け札が【アポロヌス】や【火単ブランド】などの超高速ビートデッキに対しても受けるプランを可能にし、かつ《》《奇天烈 シャッフ》といった水文明の呪文ロックが【ゼーロビッグバン】、【ガイアハザード退化】にも刺さるという、今大会の総合的なメタゲームの観点からすると間違いなく正解のデッキであったと言えるだろう。

セキボン
デュエル・マスターズ 超CSⅣ京都
オリジナル構築
 22 クリーチャー
1 《蒼き団長 ドギラゴン剣》
4 《鬼ヶ大王 ジャオウガ》
3 《奇天烈 シャッフ》
4 《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》
4 《天災 デドダム》
1 《時の法皇 ミラダンテⅫ》
1 《鬼ヶ羅刹 ジャオウガ》
4 《一王二命三眼槍》
 3 ツインパクト
3 《》
 15 呪文その他
3 《サイバー・ブレイン》
1 《生命と大地と轟破の決断》
4 《百鬼の邪王門》
3 《フェアリー・Re:ライフ》
4 《豊潤フォージュン》


 特にbest128、best8、3位の3人が共有していた上記リストは、一般的なリストには見られない《サイバー・ブレイン》の採用により【水闇自然ハンデス】とのリソース勝負や、同型の受け札枚数の水増しにも一役買っていることが彼らの試合内容から見ても印象深かったのでここで紹介させていただく。

新たな刺客登場

 新殿堂レギュレーション施行後に忘れてはならないのが、既存のデッキとはかけ離れた新たなデッキタイプの登場だ。

 そこで本大会とりわけ興味深いデッキがbest16にも残った【シヴァン墓地】だ。

あーくん
デュエル・マスターズ 超CSⅣ京都
オリジナル構築
 19 クリーチャー
4 《一なる部隊 イワシン》
4 《不死の墓守 シヴァンリンネ》
3 《奇天烈 シャッフ》
2 《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》
2 《戯具 グリボックリ》
2 《死積人形ブラッディ》
1 《暗黒鎧 ダースシスK》
1 《不敵怪人アンダケイン》
 12 ツインパクト
4 《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》
4 《》
4 《龍頭星雲人 / 零誕祭》
 9 呪文その他
4 《ブラッディ・タイフーン》
3 《秩序の意志》
2 《ダムダム・ジョーカーズ》


 序盤は一般的な墓地利用デッキと同じく《氷牙レオポル・ディーネ公 / エマージェンシー・タイフーン》の呪文面や《ブラッディ・タイフーン》《一なる部隊 イワシン》で墓地を稼ぐ。
 中盤にかけて《奇天烈 シャッフ》で牽制をかけ、ある程度墓地が溜まった段階で《龍頭星雲人 / 零誕祭》によりリソースを刈り取りつつ、フシギバースの種としながら《不死の墓守 シヴァンリンネ》《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》のパッケージがさながら全盛期の【ミッツァイル】を彷彿させるワンショットを決めると言う豪快なデッキだ。

 コンセプトがワンショットながらも上記の通りフシギバースやルーター呪文によるリソース確保に加え、《龍頭星雲人 / 零誕祭》《奇天烈 シャッフ》といった相手に妨害する手段に長けていることから、とりわけ隙が少ないデッキとなっている。
また《戯具 グリボックリ》は相手のメタクリーチャーの処理と《不死の墓守 シヴァンリンネ》で墓地から釣った後にフィニッシャーの《鬼ヶ邪王 ジャオウガ・ゼロ》も一緒に釣ってこれるという絶妙な噛み合いの良さを見せている点も見逃せない。

 またこれ以外にも【水自然MAX-Gジョラゴン】【水自然アポロヌス】といった目新しいデッキがいくつも確認することが出来た。
いずれも大きなポテンシャルを秘めていると感じることから、今後の研究に期待したいところだ。

プラズマ
デュエル・マスターズ 超CSⅣ京都
オリジナル構築
 27 クリーチャー
4 《飛ベル津バサ「曲通風」》
4 《ネ申・マニフェスト》
4 《終末の時計 ザ・クロック》
1 《ダンディ・ナスオ》
4 《グラスパー <チェインレック.Star>》
2 《虹速 ザ・ヴェルデ》
4 《SSS級天災 デッドダムド》
4 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
 13 呪文その他
1 《フェアリー・Re:ライフ》
4 《地龍神の魔陣》
1 《生命と大地と轟破の決断》
3 《ヘルコプ太の心絵》
4 《ジャスミンの地版》




 さて、いささか簡潔ではあるが、これにて超CSⅣ京都のメタゲームブレイクダウンを締めくくらせていただく。

 殿堂レギュレーション改訂にさほど影響がなかった【ガイアハザード退化】、【水闇自然ハンデス】はもちろんのこと、それにより立ち位置がよくなった【ゼーロビッグバン】や【アポロヌス】、そしてそれらのメタとなる【4C邪王門】の台頭…今大会は次期環境の始まりにふさわしい結果となったと言えるだろう。

 しかし初めにも述べたように、この結果はこれからの環境の始まりだ。

 本年度の超CSはこれをもって終わるが、この結果を基にどのデッキを使うか、はたまた全く新しいものが作られるのか?

 この記事がその一助となれば幸いだ。

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