超CSⅧ北海道 準決勝:楽道 vs. ハバキ
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:瀬尾 亜沙子
殿堂施行の直前というタイミングでの開催となった今大会では、つい3週間前に発売したばかりの「愛感謝祭 ヒロインBEST」で《愛銀河マーズ・シンギュラリティ》を得た「完全体ファイアー・バード」の無双を誰もが予感していた。
だがその予感は、半分までしか的中しなかった。確かに決勝ラウンドに進出した128名のうち30名で使用率1位となったのは「ファイアー・バード」だったし、そのままトップ8にも3名を送り込みはした。けれどもこの準決勝まで来たところで、「ファイアー・バード」使いはcurutoただ一人しか残らなかったのだ。そう、それは殿堂の有無にかかわらず、プレイヤーたちの研究が環境の最終盤で「ファイアー・バード」を乗り越えたという証左だった。選択と決断の集大成が、《ルード・ザーナ》をはじめとした対抗札による「ファイアー・バード」包囲網を実現したのだ。
そして今フィーチャーマッチとなったこの対戦では、その包囲網を敷いた者同士が激突することとなった。三重県のプレイヤーである楽道は「愛感謝祭 ヒロインBEST」で誕生し、デュエチューブリーグにおいてTeam SAGAのむったが《昇カオスマントラ》型をお披露目したことで一気にそのポテンシャルが認知されることとなった新アーキタイプ、「サイバー」を練り込みここまで勝ち上がってきた。しかも驚くべきことに、まさに反対側の準決勝でcurutoと激突している徒花がその調整相手だというのだ。
一方、対するハバキは地元北海道のプレイヤー。使用する「巨大アルファディオス」は決勝ラウンドに3名しかいないアーキタイプだったが、正確なプレイングと《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》や《ルード・ザーナ》といった環境にマッチしたカード採用によって決勝ラウンド3回戦目からの「ファイアー・バード」3連戦を乗り越え、優勝まであと2勝というところまで漕ぎつけた。
ハバキ「ここまで来れると思わなくて……」
楽道「いやそうですよね」
ハバキ「大型大会初めてで、心臓バクバクなんですよ」
楽道「同じです」
ハバキ「本当、何で勝ってんのこのデッキで。ここまで来れるポテンシャルあったのかと」
運が絡む以上、デュエル・マスターズというゲームにおいて常に無敗のまま勝ち続けることは現実的ではない。じゃんけんで永久に先攻を取り続けるようなことももちろん不可能だ。だが精度高く挑戦を積み重ねていけば、どこかのタイミングで無敗のまま勝ち続ける時は必ず訪れる。楽道とハバキにとって、今日がその時だった。挑戦しなければ、機会は訪れない。超CSに参加すると決めたこと。デッキを決めたこと。細部の枚数を決めたこと。1回戦で、2回戦で、3回戦で、分岐する選択肢の中から最適なプレイを信じて決めたこと。それらすべての選択と決断が、2人をここまで連れてきた。
それでも、決勝戦に進出する勝者はたった一人。楽道とハバキ、勝ち上がるのははたしてどちらか。Game 1
予選順位で先攻のハバキが《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》をチャージすると、対する楽道のチャージは《マクスハト》。「ファイアー・バード」の《ハッター・ルピア》と同様3ターン目の最強のアクションであり、2枚持っていなければほぼマナチャージしないカードのため、後攻3ターン目の「メクレイド」が予告される。それでもデッキの構造上先攻4ターン目まではビッグアクションがとれないハバキが《サファイア・ウィズダム》を埋めてターンを返すと、楽道は《アイドル・ハート》を埋めて《アストラル・ハート》。早くも「メクレイド」先の積み込みまで手はずを整える。だがこれに対し先攻3ターン目を迎えたハバキは、《超七極 Gio / 巨大設計図》で4枚を回収と、強力とはいえ実質1ターンパスに等しいアクションしかできない。
一方、後攻3ターン目を迎えた楽道は《マクスハト》をチャージすると、満を持して《マクスハト》を召喚し、《アストラル・ハート》を手札に戻しながら「メクレイド5」を発動させる。登場したのは《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》で、そのまま横に出して「メクレイド5」を連鎖させる。ここで登場したのは2体目の《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》で、《マクスハト》の上に乗せてさらに「メクレイド8」が発動する。
そして楽道は、早くも銀河の終着点へとたどり着く。
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》!抱えていた《昇カオスマントラ》2枚と《アイドル・ハート》の上に「手札進化」させ、《マクスハト》の上に重ねた《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を自身の能力で手札に戻すと、チェインの準備が完了する。楽道「ここから証明に入ります」
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃時に《昇カオスマントラ》の能力2回が誘発。1回目で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の上に重ね、「メクレイド8」でサイバー種族のクリーチャーを出せば、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を進化元ごと手札に戻せる。その後《昇カオスマントラ》の2回目の能力で《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出し直せるので、この一連によりサイバー種族のクリーチャーを出し続けるという条件付きで好きな回数の「メクレイド8」が可能となるのだ。
そしてそれは、続くループのための布石となる。
《アストラル・ハート》。《サイバー・N・ワールド》。《パクリオ》。《マクスハト》。楽道のデッキの中のサイバー種族たちが、次々とバトルゾーンに並んでいく。
楽道「目当てのものが来るまで、止まるまで続けます」楽道はデッキの枚数を数えながら、「メクレイド」で下に送ったカードが浮き上がってくるまでチェインを続ける。途中「これが欲しいやつなんで」と山札の下のカードをわかりやすくずらそうとするが、「山札はずらさず一つの束にしてください」とジャッジに注意され、スリーブが貼りついて数えにくそうながらも、間違いがないよう慎重に山札の枚数を数える。そして何回目かで《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の「手札進化」の3枚目を《アイドル・ハート》にし、「メテオバーン」でカードを引きながら再び「メクレイド8」を連鎖させる。
そうしてやがて残り山札5枚まで来た時、ついに《昇カオスマントラ》3枚を下に敷いた《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が完成した。
楽道「ここから証明を……」
ハバキ「すみません、投了でいいですか?」
楽道 1-0 ハバキ
「サイバー」の動きは、端から見ている限り手役を作るイメージだ。《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出す際、《昇カオスマントラ》2枚と《アイドル・ハート》があると無料「メクレイド」で60点。《昇カオスマントラ》2枚と任意のクリーチャー1枚に加え、《マクスハト》があれば無料「メクレイド」+1チェインが保証され80点。そして《昇カオスマントラ》2枚と任意のクリーチャー1枚に加え、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》があればほぼ確定でチェインできるので100点……といった具合に。その上で最終的には、「《昇カオスマントラ》3枚を下に敷いた《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を作って手札に《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》が2枚以上ある」という状況を作ればループを簡単に完遂できる。
だがチェインまでの間と、チェインからループまでの間は、それぞれアドリブに満ちている。「メクレイド」で何をどう(進化・非進化で)出すか、あるいは出すか出さないかの選択を常に迫られるし、完璧にプレイするなら出さずに下に行ったカードは順番まですべて覚えなければならない。あるいは《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》でいつ何を戻すのか。《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の下に何を敷くか、攻撃時に「メテオバーン」を使うか使わないか、使うとして何枚引くか。選択肢が多すぎるあまり、電脳の申し子よろしくいとも容易く情報量が飽和するのが「サイバー」というデッキの特徴だ。
そんなデッキを、楽道は今日だけでもう13回も回しているのだ。まして蒸し暑い熱気のこもった会場で、慣れないフィーチャーマッチ。極限の負荷のもと、それでも楽道は戦っていた。
Game 2
《王導聖霊 アルファディオス》《飛翔龍 5000VT》というチャージから《超七極 Gio / 巨大設計図》で《王導聖霊 アルファディオス》《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》を回収と、今度は比較的順調な立ち上がりのハバキに対し 《ルード・ザーナ》《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》チャージから《アストラル・ハート》を召喚した楽道はしかし《マクスハト》が見つからず、ここから3ターンの未来も固定されてしまった状況に思わず首を傾げる。一方、返すハバキはその仕草をブラフと受け取ったか、《闘争類拳嘩目 ステゴロ・カイザー / お清めシャラップ》チャージから《竹馬の超人 / テイクバック・チャージャー》の呪文側で《アストラル・ハート》をマナに送り、《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》を予告しつつも返しで負ける可能性を減らす選択をする。
だがその選択は楽道の側に噛み合った。マナチャージからの《パクリオ》で《闘門の精霊ウェルキウス》《飛翔龍 5000VT》《王導聖霊 アルファディオス》《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》という4枚から《星門の精霊アケルナル / スターゲイズ・ゲート》を奪い去ると、マナにエンジェル・コマンドが1枚しかないハバキは返すターンにも仕方なく《王導聖霊 アルファディオス》を埋めるのみで、実質1ターン取られた格好となってしまう。
そして返すターン、楽道はマナチャージなしで《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の軽減召喚を宣言する!進化元としては《昇カオスマントラ》は1枚だが、《裏斬隠 テンサイ・ハート》に加え《アイドル・ハート》も含まれており、「メテオバーン」で《アイドル・ハート》を墓地に送って「メクレイド8」が発動する。そこから《マクスハト》が着地すると、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を手札に戻して攻撃キャンセルしながら「メクレイド5」。《アストラル・ハート》を《パクリオ》の上に進化させ、3ドローしつつ《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出し直す。そこには3ドローで引き込んだ《アイドル・ハート》が再び進化元に含まれている。再度攻撃、「メテオバーン」から「メクレイド8」。《マクスハト》。「メクレイド5」。《アストラル・ハート》進化。《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出し直すと、みたび《アイドル・ハート》の他に《昇カオスマントラ》2枚が揃っている。あとは《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》だけあればループに突入する。
楽道はくっつきがちなスリーブに再び苦戦しながらも山札を数え、「メクレイド」で見ていない残りのカードの枚数を確認する。そして《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》での攻撃時、《昇カオスマントラ》効果1回目……NEO進化《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》!
さらに「メクレイド8」が2体目の《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を呼び、あとは《昇カオスマントラ》の3枚目を手札に加えるのみとなった。といっても、既にループには突入できているため、それが加えられることはほぼ確定的な事象だった。それでも山札の中には見つからなかったか、《エメラル》でシールドの中まで探す時間があった。そうして気づけば残り山札は5枚となり、《フラワー・ハート》を《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の「メテオバーン」で落としながら2ドロー。《フラワー・ハート》の効果は破棄し、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を重ねて《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を手札に戻してから「メクレイド8」。かくして《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が山札から降臨すると、その下にはついに《昇カオスマントラ》3枚が揃っていた。
ループが確定しているとはいえ、今度はハバキも投了しない。最後まで見守るつもりで楽道に先を促す。残り山札2枚という状況で、楽道は指差し確認して手順を整理する。
そうしてループ証明が始まる。任意のサイバーを手札から出せるループ。任意のサイバーを手札に戻すループ。そしてこれらの合わせ技で、任意のサイバーの「出た時」能力が好きなだけ使えるループもまた証明された。
かくして《パクリオ》と《サイバー・N・ワールド》の能力を使い回し、ハバキの山札をすべてシールドに押し込んで見事楽道が決勝進出を決めたのだった。楽道 2-0 ハバキ
だが、そうはならなかった。
なぜなら、楽道がここから唐突に《アストラル・ハート》でハバキのシールドをブレイクしにいったからだ。
しかもそれが《ルード・ザーナ》を踏み抜く。とはいえ《パクリオ》で手札が減らされていたので《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》は戻らないが、明らかな異常事態。一体何が起こっているのか……理解が追いつかない間にも、続けて楽道は《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》のチェインで《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を横に広げ、「メテオバーン」で出たばかりのハバキの《ルード・ザーナ》を手札に戻すと、さらにその《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》で進化速攻のW・ブレイクを入れる。そしてこれが通ると、《パクリオ》を出し直して安全を確認する。楽道「《光開の精霊サイフォゲート》は『光のブロッカー』ですよね?」
そして《光開の精霊サイフォゲート》がトリガーした場合の裏目だけケアをした状態で、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》でT・ブレイクしにいく。《パクリオ》で埋められていない、互いに知らない楯は2枚。「メテオバーン」で戻せるクリーチャーは出ても問題がないため、《光開の精霊サイフォゲート》はケアできている。確かに確率は低い。
それでも、起こりそうにないことこそ起こるものなのだ。
S・トリガー、2枚目の《ルード・ザーナ》!ハバキ「ターンもらいます」
「ジャストダイバー」の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》も含め、楽道のクリーチャーがすべて手札に戻った状態でハバキにターンが返ってくる。だがそれでも、まだ楽道の山札は2枚。次のターンにループし直せばどうとでもなるはずだった。
しかしここで、6マナ目をチャージしたハバキが召喚したのは《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》!
そして《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃が封じられ、山札も残り1枚となった楽道がポツリと告げる。楽道「……負けですね」
楽道 1-1 ハバキ
完全にループが決まっていたはずの状態からの、急転直下の大逆転劇……だがおそらく楽道は、山札内の《サイバー・N・ワールド》の場所を下から3枚目だと勘違いして、下から4枚目にあったそれを「メテオバーン」のドローで引いてしまったのではないかと思う。手札に来てしまった《サイバー・N・ワールド》は《アストラル・ハート》を非進化で出せば山札内に戻して「メクレイド」できるが、残り山札が3枚以下だと《アストラル・ハート》が出せないためそれができなくなるからだ。
ともあれその真相が何にせよ、客観的に見てループ勝ちを逃したのが楽道のミスによるものであることは明白だった。またもしかすると《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》がW・ブレイクした時点で《パクリオ》ループをやり直せば、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》でT・ブレイクして2枚目の《ルード・ザーナ》の解決時にもハバキの手札を4枚以下にできたかもしれない。しかし現実は一人回しのようにはいかない。《アストラル・ハート》で攻撃しはじめた時点で楽道は明らかにティルトに陥っており、そこまでできなくても仕方のないことと言える。
だが、もし「流れ」というものがあるとするならば。存在しないはずの3ゲーム目を作ってしまった楽道は、間違いなくそれを喪失していてしかるべきものと言えた。
そして、幻の3ゲーム目が始まる。
Game 3
《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》《マクスハト》とチャージするも先攻2ターン目のアクションがない楽道に対し、ハバキは《王導聖霊 アルファディオス》《ルード・ザーナ》というチャージから《巨大設計図》。だが不運にも《ルード・ザーナ》1枚しか回収できない。一方、楽道は《ルード・ザーナ》チャージから《裏斬隠 テンサイ・ハート》で《シュトラ》を捨てるのが初動となる。対して後攻3ターン目、ハバキは《巨大設計図》で3ブーストを回収できなかったのが痛手となって《サファイア・ウィズダム》チャージのみでターンエンド。「巨大アルファディオス」は基本的に5マナないと動けないため、楽道に2ターンの猶予を与えた格好となる。
すると返す楽道は、ここで驚くべき言葉を口にする。
楽道「……ノーチャージで、ターン終了です」
まさかの1ターンパスを宣言。だが手役を作る「サイバー」がマナチャージすら忌避したということは、既に手役が完成しているということだ。
となるとアクションを迫られたハバキだが、ブースト欠損が響いてまだ4マナ目となる《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》をチャージするのみ。
そしていよいよ楽道のターン。引き込んだ《アストラルの海幻》をチャージすると、バトルゾーンの《裏斬隠 テンサイ・ハート》と合わせてサイバー種族の5枚目がマナに置かれたこととなる。すなわち。
《昇カオスマントラ》2枚と《アイドル・ハート》を下敷きに、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》軽減召喚!即座に攻撃時、「メテオバーン」で2ドローしながらの「メクレイド8」で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》が《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の上に乗り、「メクレイド5」が《アストラル・ハート》を呼ぶ。そして手札に戻した《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を出し直すと、そこには早くも3枚の《昇カオスマントラ》が下に敷かれている。
楽道「もう1枚ミミを探したいです」
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が攻撃時、《昇カオスマントラ》効果で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を乗せ、「メクレイド」で見つけた2枚目の《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》は横に広げる。
そこからは、今度こそ間違えようがなかった。
出すループ。戻すループ。それらが合わさって「出た時」効果を好きな回数使えるループとなる。勢い込んで《パクリオ》の登場時能力を立て続けに4回解決してしまい、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》の「メクレイド」が省略できない(ので本来は何も出さないにしてもミミが着地した回数×3枚を《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃の都度山札の上から下に送らなければならない)ことを失念して警告をもらうも、もはや大勢に影響はなかった。
かくして《パクリオ》と《サイバー・N・ワールド》の能力を使い回し、ハバキの山札をすべてシールドに押し込んで……辛くも、楽道が決勝進出を決めたのだった。
楽道 2-1 ハバキ
楽道「順番を覚えていなくて申し訳ない気持ちもあり……」
勝てたとはいえギリギリの勝負に憔悴した様子の楽道は、2ゲーム目の顛末について言葉少なくそう語った。ミスを自覚した瞬間、楽道の頭は真っ白になったことだろう。そこから半ば自暴自棄にプレイした結果、《ルード・ザーナ》による逆転を許してしまった。
だが、楽道が積み上げてきた練習量が、そこからの「流れ」を見事に断ち切った。乾坤一擲のノーチャージは間違いなく、「サイバー」というデッキに楽道が向き合い続けたからこそ、ティルトした精神状態でも染みついたプレイを身体が土壇場で再現できたのだろう。
それでも己の情けなさに沈んだ表情の楽道に対し、ハバキが気を遣って声をかける。
ハバキ「2ゲーム目、《マクスハト》ありました?」
楽道「なかったです」
ハバキ「じゃあ《竹馬の超人 / テイクバック・チャージャー》打たなかった方が良かったですね……」
楽道「ごめんなさい本当に……」
ハバキ「いえいえ、頑張ってください!」
そう言ってハバキは右手を差し出した。3ゲーム通じて「巨大アルファディオス」らしいまともな動きは一度もできていない上に、結果としては楽道の一人相撲に付き合わされた格好となったにもかかわらず、なお晴れやかに対戦相手へのリスペクトを表す様からは、ハバキの器の大きさを感じさせた。
そして握手に応じ、やがて少し元気を取り戻した楽道は、とっくに終わっているであろう反対側の準決勝の結果を確認する。
楽道「決勝の相手は……」
次はいよいよ調整相手、徒花の待つ決勝戦だ。
WINNER:楽道
|
楽道 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
|
|
|
ハバキ 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
|
|
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2025, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY










