超CSⅨ新潟 Round 1:やゆよっ!—三音の妖精 vs. 魔王軍
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:坂井 郁弥
デュエマの夏といえば、地方で開催される超CS。海の日で祝日となったこの日に、800チーム弱・約2300名が、新潟は朱鷺メッセに集った。同週末に発売したばかりの「悪感謝祭 カリスマBEST」は使用できないため、逆札篇第2弾までの環境の最終盤となる今大会。練りに練られたデッキ同士の対決が期待される、灼熱の3人チーム戦が幕を開ける。
そしてその第1回戦でいきなり、想像しうる限り最も激熱な対戦が実現した。
フィーチャーマッチに呼ばれたのは、チーム「やゆよっ!---三音の妖精」。昨年同じくチーム戦のDMGP2025-2nd Day2で優勝を果たした、スライ無、TJM、ペリュからなるチームだ。
それに対するチーム「魔王軍」は、その名のとおりデュエチューブリーグ「魔王軍」所属のフェアリー/AYN、dotto、◆ドラ焼きからなるチーム。
フィーチャーテーブルに座る6名全員が、日本一決定戦の出場経験者。だがドリームマッチも良い部分ばかりではなく、当たってしまった以上どちらかのチームは必ず敗北することになるところ、最序盤での1敗は予選突破の可能性がいきなり大きく削られるということを意味している。すなわち、1回戦目からこれ以上ないほどの勝負どころということだ。
スライ無「今日は魔王軍の服は……」
フェアリー/AYN「忘れてきちゃって……1ペナです」
もはやフィーチャーマッチ慣れしている6人に過剰な緊張はない。あるのは、武者震いとも呼ぶべき昂揚感の高まりのみ。
はたして、開幕フィーチャーマッチでの勝利で弾みをつけられるのは、どちらのチームか……ここでは、C卓のペリュと◆ドラ焼きとの一戦をお届けしよう。C卓:ペリュ vs. ◆ドラ焼き
ジャンケンで先攻となったペリュがまずはマナチャージしたのは《超神星DOOM・ドラゲリオン》で、逆札篇第2弾の発売以降急速に注目を集めている「闇自然ゾロ・ア・スタート」の気配が濃厚に漂う。一方、対する◆ドラ焼きのマナチャージは《創世竜 Drache der’Zen》で、年明けから環境デッキとして活躍を続けている「創世竜ループ」であることは明らかだ。互いにデッキの自己紹介も終えたところで、2ターン目を迎えたペリュは《暴龍のT ミリオンベジータ》埋めから《超七極 Gio / 巨大設計図》で《大長老 アプル / 「わたしが自然文明のプリンセス?」》2枚と《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》を回収。対し◆ドラ焼きは《地龍神の魔陣》で《エメラルの海幻》をマナに置いてターンエンド。
TJM「お前もわかんなかったら聞いていいよ」
ここでB卓のTJMが、A卓のスライ無からのプレイ方針に関する軽い確認を経た後でC卓のペリュにそう伝える。チーム戦では、真ん中のB卓に座るプレイヤーが両脇からの確認に対応できるため、司令塔となることが多い。特にTJMのチームはA卓のスライ無とB卓のTJMがともに「光自然ウィリデ」を使用しているため、そちら側に注意が多く行きがちな部分のバランスをとろうとしての発言だろう。
ともあれ3ターン目を迎えたペリュは《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》チャージから《レレディ・バ・グーバ / ツインパクト・マップ》で《レレディ・バ・グーバ / ツインパクト・マップ》を回収。そこから何を唱えるかについて言われたとおりTJMに相談しつつ、《大長老 アプル / 「わたしが自然文明のプリンセス?」》で目論見どおり《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》を回収すると、◆ドラ焼きが思わず首を傾げる。それでもペリュの墓地のクリーチャーはまだ3枚で、公開情報では返しのターンに《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》が走れるかどうかは微妙なところ。ゆえに返す◆ドラ焼きはできることをやるしかないとばかりに、マナチャージから《ジャスミンの地版》を2連打し、公開領域を限界まで広げてループ突入への準備を整える。だが、ここでペリュが4ターン目に引き込んだのは《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》!呪文側で唱え、さらにここでめくれた《ハニー=マーガニー / 「こっちは甘いぞー」》をもう一度唱えると……そこには待望の《百万超邪 クロスファイア》の姿が!
ペリュ「相談します」《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》で5点行くべきか否か。この大事な決断を前に、ペリュは再び一応TJMに相談する。だがTJMは「いやそれは……」と、さすがにこのレベルの決断は本人しか知りえないゲーム履歴が判断に関わりすぎるため、任せる姿勢をとる。それくらい自分で決めてくれという非難のニュアンスにギスる雰囲気を見て、相手チームのdottoも思わず「本人の大局観の方が大事だしね」とやんわりフォロー。
ペリュ「まあ突っ込みますわ」
意を決したペリュは《百万超邪 クロスファイア》を召喚すると、攻撃時に「革命チェンジ」《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》!
ペリュ「ワールド・ブレイク行きたいです」と、ここでちょうどA卓のゲームがフェアリー/AYNの「ありがとうございました」という言葉とともに決着する。《我竜塔第一層 セイント・キャッスル》→《ウィリデ・ゴルギーニ》→《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》から《邪幽 ジャヴェール / 「ヤベーのを見たいか?」》に対応しての《世界のY チャクラ・デル・フィン》という完璧な立ち回りで先攻のスライ無がフェアリー/AYNを完封し、そのままゲームに勝利したのだ。
すなわちチームの勝利まで、あと一勝。「S・トリガー」で《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》がどかせなければ、返しのターンに《創世竜 Drache der’Zen》が着地することはない。通るのか、通らないのか。
すべてがかかったワールド・ブレイク。はたして、その5枚の中には。
《レヴィヤの地版》!ペリュ「レヴィヤ踏んだー……」
TJM「じゃあオレ気合じゃん!」
効果でマナから呼び出されたのは《創世竜 Drache der’Zen》。そのまま「シンカパワー」で《王家の秘宝》までもマナから呼び出され、《「業流」の頂 ゾロ・ア・スタート》はあえなく退場してしまう。
さらに力なくターンエンドを宣言したペリュに対し、なおも◆ドラ焼きは《真気楼と誠偽感の決断》の使用を宣言する。このターン一気に9枚を掘った◆ドラ焼きの手元には、十分なループパーツが揃っている。そこからの手順を、もちろん◆ドラ焼きが間違えるはずもない。丁寧なループ証明の果てに無限回の《アルカディア・スパーク》が、ペリュの山札を綺麗に消し飛ばした。
Winner: ◆ドラ焼き
かくしてチームの勝敗は、B卓に委ねられることとなった。
B卓:TJM vs. dotto
ゲームは佳境。先攻のdottoが事故気味の初動なのに対し、TJMは《魂が休む庭園 グリーン・グランドクロス》を使って展開面とアドバンテージ面で先行して先後を逆転させる展開。《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》で「革命チェンジ」できない状況でやむなくdottoが《邪幽 ジャヴェール / 「ヤベーのを見たいか?」》を素出しし、「マッハファイター」で《検問の守り 輝羅》をとった返しで、TJMは《天V王 エバーラスト》を着地させる。これに対しdottoは《冥土人形クリン・ラビィ》+《永遠の絆》で応戦。だがTJMは伸びたマナから《烈しき切札 ドギラゴン逆》を普通に召喚すると、再び《天V王 エバーラスト》を脇に立てる。
dotto「わかってると思うけど、これしかないから……」脇で見守るフェアリー/AYNにそう伝えると、《アーテル・ゴルギーニ》から進化元と《永遠の絆》を蘇生し、《天V王 エバーラスト》をマナ送りの対象にとる。
だが、そこで「マナ武装」の能力によって回収された2枚のシールドの中には……《検問の守り 輝羅》!
スライ無「うおー!だいぶ嬉しい!!」
TJMがリアクションするよりもワンテンポ早く、脇のスライ無が興奮気味に反応する。その意味するところは、「G・ストライク」による《永遠の絆》の攻撃停止。《烈しき切札 ドギラゴン逆》へと「革命チェンジ」させようとしたdottoの目論見を、間一髪で防ぐことに成功する。
dotto「対戦相手じゃない人が宣言した『G・ストライク』は無効なのでは……?w」
TJM「カバレージに書かれちゃいますよw オレもるるるとの会話全部書かれてたもん」
dotto「別にいいよ、そうしたらカバレージ書いてる人の性格が悪いってことだから」
もしスライ無が反応しなければ、はたしてTJMは「G・ストライク」を宣言できただろうか?TJMほどのプレイヤーならもちろんできただろうとdotto自身も思ってはいるだろうが、勝負の流れの中で100%確実にそうだったとは言い切れない。しかし、それを確かめる手段は失われた……チーム戦ならではのグレーな部分が勝負の分水嶺となってしまったことに対し、やや茶化し気味に苦言を呈するdottoだったが……ともあれ、唯一の逆転のチャンスを逃してしまう。
その後はTJMが《天V王 エバーラスト》の攻撃時に自身を対象にとって「マナ武装」の効果でシールドを回収することで《世界のY チャクラ・デル・フィン》の「Zラッシュ」をブレイク前に先んじて発動させ、《深淵の逆転撃》をケアするという見事なプレイングでdottoの楯を詰めきり、《烈しき切札 ドギラゴン逆》でダイレクトアタックを決めたのだった。dotto「『G・ストライク』なかったら勝ってたな……TJMさんとは対人相性が悪すぎるよ……両脇とはどっちも相性良いのに」
TJM「でもチーム戦ならオレは絶対真ん中ですよw」
dotto「確かに。逆張っててくれんかー!」
Winner: TJM
TJM「今回、スライ無を説き伏せてウィリデ使わせました」
dotto「カリスマBESTが使えればねー……」
スライ無「ほんとそう。そしたらアーマード使ったのに」
dotto「アーマードもそうだし、デモニオでも何でも良かったのに……でもしょうがない、大人気カードゲームだから」
その後も、フィーチャーテーブルではデュエマ語りが続く。割り切れない思いはありつつも、チーム戦というルールに対して求めることが可能な競技性には限界がある(でなければ完全に相談不可になって、チーム戦の醍醐味が失われてしまう)ことは理解している。dottoは何気ない会話に興じる態度を表すことで、手打ちにする姿勢を見せるのだった。
Winner Team: やゆよっ!---三音の妖精
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スライ無 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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TJM 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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ペリュ 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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フェアリー/AYN 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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dotto 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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◆ドラ焼き 超CSⅨ新潟 オリジナル構築 |
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