超CSⅧ大阪 準決勝:ライン工房 vs. 特攻の卓
ライター:伊藤 敦(まつがん)
撮影:瀬尾 亜沙子
準決勝まで勝ち上がったライン工房の3人、フジタリョウヤ3rd、ぺて、バブゥでしは準決勝のテーブルで対戦相手のチームを待っていた。
ぺて「決勝、絶対1位抜けのとこやんな」
ライン工房は、3面「ドリームメイト」という超強気のデッキ選択をした。「唯一後攻でもまくれるデッキ」というのが選択理由とのことだが、それが思わぬ恩恵をもたらした。通常デュエマの大型大会では決勝ラウンドから順位先攻(予選通過順位が高い方が先攻)となるところ、チーム戦である今回はそれがチーム全員に適用される。その結果、予選ラウンド7戦全勝という望外な成績で得た2位通過が、おかげで3面確定先攻の「ドリームメイト」というあまりにも有利なボーナスとなり、この準決勝まで悠々と勝ち上がることができたのだ。
しかしそれでも、唯一の懸念が1位通過のチームだった。そして実際、おそらく予選最終戦や写真撮影の際などに何となく知りえたのだろうが、トップ4には1位通過の全生命をこの一撃に!03(≪黒神龍ブライゼナーガ≫のフレーバーだが、同じチーム名が5チームもあったので、システム上区別するために数字が付いた)がどうやら勝ち上がっているようだった。自分たちと同じように3面確定先攻のボーナス持ち。もしこの準決勝を勝てたなら、決勝で相まみえる可能性が高い。しかもその場合、3面確定後攻となってしまうのだ。
だが、逆に言えば憂慮すべきはそれだけだった。準決勝と決勝というあとたったの2勝で、今年度の日本一決定戦の出場権が手に入る。多くの競技プレイヤーたちが目標とする、最高の舞台へのチケット。超CSでは優勝チームしか手に入らないそれが、もはや手の届く距離にある。1位通過のチーム以外に、自分たちの脅威となるチームは存在しない。もとより個人戦においてすら、先攻の「ドリームメイト」の動きを跳ね返すのは難しいのだ。ならば3面確定先攻の「ドリームメイト」に勝てるチーム構成などあるはずもない。仲間とともに夢を叶える物語は、文字通り自分たち3面「ドリームメイト」にこそ相応しい……そんな自信と自負とが、ライン工房の3人からは見て取れた。
やがて、ジャッジの付き添いのもとトイレに行っていた対戦相手の3人……特攻の卓のラボン、賽盗、さくやまが席に着いた。ライン工房の側からしてみれば、関西で見た顔というわけでもなく、特別な覇気があるわけでもなかった。それまでの対戦相手とそう変わらない、「倒せる相手」だという印象があった。
だがもちろん、勝負はやってみなければ何が起こるかわからない。
ぺて「あんま緊張しないわ」
ペースを掴む意味も込めて、中央B卓のぺてが機先を制する。特攻の卓の3人は苦笑を返すのみ。それを聞いてA卓のフジタリョウヤ3rdが何となく心臓を捧げていそうなポーズで左胸をドンと叩くと、C卓のバブゥでしも同じく胸を叩いておどけてみせる。
ぺて「やめろ!w」
フジタリョウヤ3rd「気合で負けてるぞ」
いつも通りのことをやるだけだ、とフジタリョウヤ3rdが言外の意味を込めて返す。確率は変わらない。確定先攻は裏切らない。平常心さえ保てれば、きっとメイ様という「答え」が自分たちを全国まで連れていってくれる。そう信じた。
だが彼らは、一つだけ見落としていた。
もし自分たちのロジックが絶対に正しいのなら。確定先攻がすべての勝敗を決するならば、予選110位上がりだという特攻の卓が、そもそもここまで勝ち上がれるはずがないのだということを。
一方特攻の卓の3人は、会話もなくただ静かに試合開始の時を待っていた。ここまで勝ち上がれたことに対して興奮していないわけではない。だがおそらく、意図して気配を消していた。あらゆる情報を漏らさないために。覇気がないように見えるのは当然だった。今日この会場において、「答え」を持ち込んだ自分たちが異質であることはわかっていた。そしてそれこそが、最大の武器となることも。ゆえに、弱者を装うことが重要だった。
唯一の問題は、この準決勝からは2ゲーム先取となることだった。だから、肝心なのはタイミングだった。相手のデッキが何であろうと、牙を剥くタイミングこそが勝敗を分けると、彼らには既に分かっていた。
そして、時は来た。正しいのは、はたしてどちらの「答え」なのか。「答え」と「答え」とがぶつかり合う、審判の準決勝がついに始まった。
A・B・C卓 Game 1
ライン工房の先攻1ターン目のマナチャージはそれぞれ《料理長のラビシェフ》《ピザスターのアンティハムト》《ピザスターのアンティハムト》で、3面「ドリームメイト」であることが特攻の卓視点でも明らかとなる。対し、後攻1ターン目のマナチャージを見たライン工房の面々が目を剥く。その3枚は、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》!
「キーナリー!?」「え、ペテバ?」「いやペテバはないでしょ」と混乱が広がる。《逆転の影ガレック》が殿堂したというのに、「ペテンシーフシギバース」がまさかこんなところまで勝ち上がっているだろうか……?だが考えたところでこれだけの情報で答えが出るはずもなく、今はいずれにせよやれることをやるしかない。フジタリョウヤ3rdとぺては《配膳犬のトレス》を、バブゥでしは《フェアリー・ギフト》から《森夢のイザナイ メイ様》を送り出してターンを終える。
しかしなおも、返す特攻の卓のマナチャージは《天彩の精霊ミルディアス》や《ブレイン・スラッシュ》といった有り様で、デッキの全貌を全く掴ませない。
ぺて「何ー!?もー、わかんないよやめてよ!」
とはいえ、S・トリガーによる受けがコンセプトならば、《お目覚めメイ様》による特殊勝利がある自分たちに分がある。それに仮にカウンター狙いだとしても、結局手札が整う前に最速で走ることが最良の対策であることも多いのだ。
ぺて「2本先取だし、走るわ」
ライン工房の3人は意を決して、3ターン目をビッグアクションのターンに定める。フジタリョウヤ3rdは《森夢のイザナイ メイ様》を召喚し、「ハイパーモード」でターン終了時に《料理長のラビシェフ》を「光臨」。ぺては《ピザスターのアンティハムト》《ピザスターのアンティハムト》《ベイB セガーレ》と並べ、さらに「革命チェンジ」《森夢のイザナイ メイ様》から《料理長のラビシェフ》「光臨」と超展開。バブゥでしは《トレジャー・マップ》から《ベイB セガーレ》+《お目覚めメイ様》と動き、《森夢のイザナイ メイ様》で1点ブレイクしてこちらも《料理長のラビシェフ》を「光臨」。

それは確かに合理的な選択だった。《ベイB セガーレ》が脇に添えられていれば、《流星のガイアッシュ・カイザー》1体はケアできる。どうせ「光臨」した時点で《流星のガイアッシュ・カイザー》は宣言されてしまうし、2体だけでも展開してしまった時点で《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》などの可能性は生まれるのだから、最速でフル展開しない理由はない。むしろ最大のリスクをとるのをこの1ターンだけにすれば、仮に平均で《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》を食らうとしても、ガイアッシュを残すかトリガー使用かの選択を迫れる。あとは《料理長のラビシェフ》でガメた手札をフィニッシュターンに放出するだけでいい……そのはずだった。
ライン工房の面々が、3ターン目を終わろうとする。そして、ゲームが180度反転した。

ラボンが、賽盗が、次々とカードを宣言する。《流星のガイアッシュ・カイザー》。《真気楼と誠偽感の決断》2枚と《流星のガイアッシュ・カイザー》。フジタリョウヤ3rdからすれば、「《真気楼と誠偽感の決断》まで持たれてなくてラッキー」というところ。ぺてからすれば、「そこまで持ってんのかよ」というところ。
だが、最も強烈なカウンターを食らったのはC卓のバブゥでしだった。
バブゥでし「こっち、ペテンシー4枚打たれたんだけど……」

1ラッキー、2アンラッキー。そしてこの攻防が、そのままこの1ゲーム目の流れを決定づけた。
A卓のラボンは結局《流星のガイアッシュ・カイザー》のみでは状況の解決にならず、《天彩の精霊ミルディアス》で時間を稼ごうとはするものの、逆に《真気楼と誠偽感の決断》がないことが透けたせいで次のターンにはさらなる大量展開を許してしまい、やがて《天彩の精霊ミルディアス》が《料理犬のヴィヤンドゥ》の踏み台にされたところで《流星のガイアッシュ・カイザー》も《料理長のラビシェフ》にタップされ、《料理猫のプワソン》に踏まれてそのままフジタリョウヤ3rdの《お目覚めメイ様》に特殊勝利を許すこととなってしまった。
続けてC卓ではさすがに《真気楼と誠偽感の決断》4枚の処理に時間こそかかったものの、制圧が難しいはずもなく《ヘブンズ・ゲート》から《砕慄接続 グレイトフル・ベン》が着地。有り余るマナから《CRYMAX ジャオウガ》まで登場してバブゥでしのリソースをぐちゃぐちゃに刈り取り、そこから程なくしてさくやまの勝利で決着。
最後にB卓では、トリガー使用された《霊宝 ヒャクメ-4》から返しに《大樹王 ギガンディダノス》が着地。《プリンセス・パーティ ~シラハの絆~》が入っていないため理論上勝ち手段がない詰み盤面となったものの、ぺては自身と両脇の2ゲーム目以降のために1枚でも多く賽盗のデッキのカードを見るべく、《S級宇宙 アダムスキー》による山札切れという決め手を引き出すまでゲームを続けた。
すべては、最も効果的なタイミングでカウンターを決めるために。「サイバー」環境への「答え」として「4Cディスペクター」専業の賽盗が練り上げた秘策、3面「4Cディスペクター」がその有効性を見事に証明し、まずは全体のゲームカウントで2対1とリードする。
フジタリョウヤ3rd 1-0 ラボン
ぺて 0-1 賽盗
バブゥでし 0-1 さくやま
A卓:フジタリョウヤ3rd vs. ラボン Game 2
《天彩の精霊ミルディアス》《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》とチャージするのみのラボンに対し、フジタリョウヤ3rdは後攻ながら《お目覚めメイ様》スタートから《配膳犬のトレス》+「革命チェンジ」《森夢のイザナイ メイ様》というロケットスタート。さらに1点ブレイクが通ると、終了時の「光臨」で《激烈元気モーニンジョー》→《料理猫のプワソン》→《料理長のラビシェフ》という理論値に近い展開を叩き出す。だが、今度はラボンもこれに対する解答をしっかりと抱えていた。
ダブル《真気楼と誠偽感の決断》!とはいえ盤面がきつすぎて3面除去で使用せざるをえず、決定打とはならない。一方フジタリョウヤ3rdは《配膳犬のトレス》で再び《森夢のイザナイ メイ様》を拾い、ラボンが4マナ目をチャージした返しで召喚するも、即座に「光臨」はさせない。《流星のガイアッシュ・カイザー》の2ドローで《真気楼と誠偽感の決断》を引かれると致命打になりかねないため、なるべくビッグアクションは1ターンに絞ることでラボンに楽をさせないようゲームを組み立てていく。
そして続くターン、ラボンにアクションがないと見るやフジタリョウヤ3rdは今度こそ「光臨」を発動させ、《激烈元気モーニンジョー》《料理猫のプワソン》《料理長のラビシェフ》のセットでリソースを伸ばす。だがここにもラボンは3枚目の《真気楼と誠偽感の決断》!《料理猫のプワソン》と《料理長のラビシェフ》の除去に当て、さらに返すターンには《絶望と反魂と滅殺の決断》で《森夢のイザナイ メイ様》と《配膳犬のトレス》を除去。フジタリョウヤ3rdのバトルゾーンを、再び《配膳犬のトレス》1体のみにまで後退させる。
ここで返すターン、手札は抱えているものの墓地に《絶望と反魂と滅殺の決断》がある以上動かないと損をするだけと判断したフジタリョウヤ3rdは、意を決して勝負に出る。
すなわち、《激烈元気モーニンジョー》→《料理猫のプワソン》→《ピザスターのアンティハムト》→《ピザスターのアンティハムト》!するとそのドローを覗き込んでいたぺてが、フジタリョウヤ3rdよりも先に一つの結論を口にした。
ぺて「えっ、勝った」
フジタリョウヤ3rd「勝った?……勝ったわ」
さらに《ピザスターのアンティハムト》→《ピザスターのアンティハムト》→《お目覚めメイ様》!
ラボン「やばすぎ……」
《配膳犬のトレス》のみの盤面からまさかの6体展開により、ライン工房がまずは1勝を先取する。
フジタリョウヤ3rd 2-0 ラボン
WINNER: フジタリョウヤ3rd
C卓:バブゥでし vs. さくやま Game 2
2ターン目《ベイB セガーレ》、3ターン目《森夢のイザナイ メイ様》と、1ゲーム目とは打って変わってバブゥでしは地雷原を一歩ずつ杖で確かめるように慎重にアクションしていく。踏み倒すと《流星のガイアッシュ・カイザー》。3体出すと《真気楼と誠偽感の決断》。守らなければならないルールは多い。だがそれでも、さくやまが《Disコットン&Disケラサス》を出した返しで《料理犬のヴィヤンドゥ》を「ハイパー化」させてマッハファイターで踏むと、《料理長のラビシェフ》を「光臨」させてリソースを稼ぐ。《ベイB セガーレ》がいる状況で踏み倒し含むとはいえ2体しか出していないので《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》はかわせている。ほぼほぼ安全なアクションのはず……だった。

だが、さくやまが宣言したのは、《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》+《流星のガイアッシュ・カイザー》!《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》によって《ベイB セガーレ》効果が発動し、《流星のガイアッシュ・カイザー》が安全に着地する。
バブゥでし「インパルスあったー」
とはいえ、それだけなら《料理長のラビシェフ》でタップさせて突破できる。手痛いしっぺ返しではあるものの、まだしもチームメイトに有用な情報を提供できた……と、バブゥでしが割り切ったところで。

さらに自ターンに入ったさくやまから《天災 デドダム》を挟んで飛んできたのは、《飛翔龍 5000VT》!
バブゥでし「VTも入ってるわ……」
それでも、この悪い流れの中でも、バブゥでしはまだ諦めない。《料理犬のヴィヤンドゥ》の上に《料理猫のプワソン》を進化させ、《料理長のラビシェフ》でプレイヤーに攻撃時《流星のガイアッシュ・カイザー》をタップ。ブレイクで《ルード・ザーナ》を踏んでしまうも手札が少ないため特に被害はなく、そのまま《料理猫のプワソン》で《流星のガイアッシュ・カイザー》を踏むことに成功する。だが、なおもさくやまは《天災 デドダム》から《真気楼と誠偽感の決断》素打ちで《料理猫のプワソン》《料理長のラビシェフ》をシールドへと一掃。敗北の可能性を丁寧に遠ざける。
ここで返すターン、バブゥでしはさすがにケアしきれないと《ピザスターのアンティハムト》《森夢のイザナイ メイ様》《料理犬のヴィヤンドゥ》と一気に並べ、「ハイパー化」から《ルード・ザーナ》へとマッハファイターで突っ込ませる。
バブゥでし「バグれ!」
だがめくれたのは《森夢のイザナイ メイ様》で、とてもゲームがバグりそうな気配はない。
むしろこれにより、ついにバブゥでしは、さくやまの地雷を踏んだ。
《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》!そこからは、さくやまの独壇場だった。《砕慄接続 グレイトフル・ベン》が圧倒的なリソースを確保し、《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》が蓋をする。そして万に一つも逆転の可能性が残らないよう力を溜めたさくやまは、最後に満を持して《CRYMAX ジャオウガ》を降臨させたのだった。
バブゥでし 0-2 さくやま
WINNER: さくやま
B卓:ぺて vs. 賽盗 Game 2
2ターン目《配膳犬のトレス》、3ターン目《森夢のイザナイ メイ様》と動いたぺては、そのまま「ハイパー化」させ「光臨」から《料理長のラビシェフ》を呼び出す。ぺて「ガイアッシュペテンシーは無理」
そしてターン終了時、はたして賽盗のリアクションは……何もない!
だが続くターン、安心して《忠犬な騎士スゴイワン》だけを送り出したところで、その終了時に賽盗が宣言したのは《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》!
ぺて「うわーごめん、インパルスだったー!」
返すターン、賽盗は「スマッシュ・バースト」で《忠犬な騎士スゴイワン》《料理長のラビシェフ》と《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》自身を戻してターンを終える。
ぺて「鬼連鎖行くしかないわ」ここでぺてが勝負に出る。《激烈元気モーニンジョー》→《料理猫のプワソン》→《料理長のラビシェフ》でリソース補充。さらに《料理猫のプワソン》攻撃時、《森夢のイザナイ メイ様》「革命チェンジ」!攻撃時効果を解決して再びの《激烈元気モーニンジョー》→《料理猫のプワソン》から、お決まりの《ピザスターのアンティハムト》→《お目覚めメイ様》が展開される。
既にドリームメイトは7体。攻撃中の《森夢のイザナイ メイ様》の1ブレイクが何も踏まなければ、EXウィンが確定する。
そのブレイクは、はたして……。
……そのまま静かに、賽盗の手札に収まったのだった。
ぺて 1-1 賽盗
B卓:ぺて vs. 賽盗 Game 3
《霊宝 ヒャクメ-4》に対して《料理犬のヴィヤンドゥ》チャージから《お目覚めメイ様》スタート。さらに《S級宇宙 アダムスキー》チャージに対し、後攻2ターン目に《激烈元気モーニンジョー》から《トレジャー・マップ》で《忠犬な騎士スゴイワン》を回収したところで、ぺてが思い悩む。バブゥでし「勝敗かかってるよ」
ぺて「知ってるよ」
すなわち、行くべきか行かざるべきか。ネックはどこまでも、このゲームが後攻であることだった。賽盗は引いた《真気楼と誠偽感の決断》と《流星のガイアッシュ・カイザー》をすべて手札にガメるだろうが、そのおかげで能動的なアクションがとれずに素出し《料理長のラビシェフ》までゲームが伸びるなら、ひたすら踏み倒しせずに6ターンキルくらいを狙うプランもある。だがもしこの瞬間、《真気楼と誠偽感の決断》を引いていないとしたら?返す先攻3ターン目に《天災 デドダム》を出されでもしたら、《真気楼と誠偽感の決断》が手札にある確率は飛躍的に高まってしまう。行けるとしたら、今しかない。
ぺて「通ったら超デカい」
このまま普通に進行したとして、《天災 デドダム》で拾われた《真気楼と誠偽感の決断》を4ターン目に手打ちされ、普通にアクションのスケールで上回られるパターンもある。かなり多色割合が多そうなデッキでその確率は決して高くはないにしても、絶対はない。そしてもしそうなったら、2ターン目に行けなかったことを一生後悔するのではないか。
ぺて「ZweiLanceのフルパワー理論……」
2ゲーム目を拾ったのも、先攻3ターン目の「光臨」でカウンターを割り切ったからだった。そう、《真気楼と誠偽感の決断》を打たせずにゲームを伸ばしたからといって、必ず勝てるとは限らないのだ。
ぺては己を鼓舞するように、右手で左胸をドンと叩く。この1ターンにすべてを込める。仲間とともに夢を叶えるために。
ぺて「……行くか」
《お目覚めメイ様》攻撃時、「革命チェンジ」《森夢のイザナイ メイ様》!ブレイクが通り、「光臨」《料理長のラビシェフ》!
踏み倒し含みのクリーチャー2体展開。《真気楼と誠偽感の決断》単騎なら打てずに通る。《流星のガイアッシュ・カイザー》単騎ならまだ五分の勝負。《ブルー・インパルス / 「真実を見極めよ、ジョニー!」》はケアしている。裏目は《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》のパターンのみ。
ぺてはターンを終える。そして、賽盗の「答え」は。
《流星のガイアッシュ・カイザー》+《真気楼と誠偽感の決断》!「S・トリガー」使用で《ヘブンズ・ゲート》を使用し、《天彩の精霊ミルディアス》と《砕慄接続 グレイトフル・ベン》が降臨。《料理長のラビシェフ》を手札に戻しつつ、さらに賽盗のターンにはマナからノーコストで《霊宝 ヒャクメ-4》が射出され、《天彩の精霊ミルディアス》で《森夢のイザナイ メイ様》を打ち取ってターンエンド。
返すターン、ぺては《忠犬な騎士スゴイワン》を出すのみ。これを見て賽盗は《ブレイン・スラッシュ》から《ルード・ザーナ》蘇生でぺてのバトルゾーンを一掃する。それでもぺては《配膳犬のトレス》から《お目覚めメイ様》と並べるが、賽盗はなおも手打ちの《真気楼と誠偽感の決断》から墓地の《ブレイン・スラッシュ》を唱え、ついに《CRYMAX ジャオウガ》を蘇生する。
そして残り3枚となったシールドを、《砕慄接続 グレイトフル・ベン》がT・ブレイクする。1枚ずつ確認するぺて。トリガーは……《激烈元気モーニンジョー》1枚のみ。
《料理猫のプワソン》から《激烈元気モーニンジョー》+《料理長のラビシェフ》と横展開するが、賽盗はしっかりと《CRYMAX ジャオウガ》をアタッカーに残している。そのまま攻撃時に《料理猫のプワソン》を破壊されると《料理長のラビシェフ》でブロックするしかなく、残るクリーチャーの攻撃を止める手段は、もはやぺてには残されていないのだった。
ぺて 1-2 賽盗
WINNER: 賽盗
WINNER Team: 特攻の卓
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フジタリョウヤ3rd 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ぺて 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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バブゥでし 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ラボン 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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賽盗 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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さくやま 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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