DMGP2025-2nd Day2(オリジナル)Round 5:けみバサ! vs. やっぱり黄昏地獄拳
ライター:秋山 大空
撮影:後長 京介
最初にdottoに声をかけたのはけみーだった。次にセキボンがdottoに声をかけ、結成された魔王軍&けみくろ放送局のけみーのチーム「けみバサ!」。
ネームバリューの注目度は勿論だが、使用デッキも要注目だ。
dottoとけみーが使用しているのは【火自然ジョーカーズ】。
「王道vs邪道 デュエキングWDreaM 2025」で登場した、《勝熱伝双 モモキングVS》と《メラベンチャー・ザ・ジョニー》を軸にするデッキだ。
セキボンが使用するのは【ARC REALITY COMPLEX】。
しかし、メジャーな構築とは大きく異なり、相手の動きを制限しながら徐々に《ARC REALITY COMPLEX》の完成を目指す構築である。
dotto「【火自然ジョーカーズ】は、DTLで使った構築からあまり変更はないですね。DTLで使った構築が完成度高かったんで(笑)。アドバンスの【ドラグナー】のように、先3の動きは許すけれどそれ以降のターンが来たら勝てるようにする、がコンセプトです」
dotto「【ARC REALITY COMPLEX】は《時空工兵タイムチェンジャー》で早く動くタイプではなく、《ブレイン・スラッシュ》等でゆっくり動く構築にしました。ただ、試合に時間がかかっちゃうんで早打ちしないといけないんですけど、プレイが難しいんですよね…(笑)」
多くのデッキが「【サイバー】【ゼーロ】の最速3ターン目に間に合わなければ」と焦る環境で、「けみバサ!」は悠々と構えることを選んだ。
対するは、【闇火自然D・D・D】を使用するおず_RW、【サイバー】を使用するぎょうざ、【der’Bande】を使用するkauのチーム「やっぱり黄昏地獄拳」。
どのデッキも3ターン目に勝負をつけられる速度のデッキだが、「けみバサ!」の3人の立ち回りや如何に。
けみー vs. おず_RW
先攻:おず_RW
おず_RWは《ROYAL-減亜5》でスタートを切り、けみーも《タイク・タイソンズ》を召喚と、互いに好調。だが、先攻3ターン目は《ROYAL-減亜5》の攻撃時に《轟く邪道 レッドゾーン》がD・D・DでG-NEO進化。
《タイク・タイソンズ》を破壊しながらシールドをブレイクするが…
S・トリガー《轟壊!切札MAX》!!けみーはマナから出すモードを選択。
《夢双英雄 モモキングDM》でマナを伸ばし、無理に進化クリーチャーを出すことはせず、次のターンに5マナで動けるように構える。
おず_RWは《轟く邪道 レッドゾーン》で再び攻撃。《夢双英雄 モモキングDM》を破壊しつつシールドを全て割りターンエンド。
《タイク・タイソンズ》が破壊されて1マナブースト、マナから出た《夢双英雄 モモキングDM》の効果で差し引き+1マナブースト。
マナチャージ込みで5マナ。シールドブレイクによって得た潤沢な手札。
けみーのバトルゾーンは0。
しかし、5マナと手札さえあれば【火自然ジョーカーズ】はなんでも出来る。まず《夢双英雄 モモキングDM》召喚から、上に《メラベンチャー・ザ・ジョニー》と《アルカディアス・モモキング》が乗る。
《メラベンチャー・ザ・ジョニー》の効果で《キング・ザ・スロットン7 / 7777777》を出し、上に2体目の《メラベンチャー・ザ・ジョニー》。
場に出た≪キング・ザ・スロットン7≫の効果で≪キング・ザ・スロットン7≫が連鎖し《王道ダチ ケントナーク》まで追加。
極めつけに、2体目の《メラベンチャー・ザ・ジョニー》から《王道ダチ モンキッド》と《勝熱伝双 モモキングVS》。
《夢双英雄 モモキングDM》1枚からの爆発的な展開こそ、今の【火自然ジョーカーズ】の醍醐味。
それを存分に活かしたけみーが、《アルカディアス・モモキング》込みの11打点で押し切った。
Winner:けみー
dotto vs. ぎょうざ
先攻:ぎょうざ
ぎょうざは2ターン目の《フラワー・ハート》、dottoは《タイク・タイソンズ》からのスタート。先攻3ターン目に《マクスハト》のメクレイドから《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》、更にメクレイドした先は《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》か《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》とよりどりみどり。
しかし、これまでに《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》2枚をマナに埋めており、手札にも1枚。
ここで出さずに山札の下に送ってしまうと、この4枚目の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》にいつアクセス出来るかわからない。
ぎょうざは《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を選択。
攻撃時に《フラワー・ハート》をメテオバーンして手札を回しつつ、《昇カオスマントラ》の超魂X効果で《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の上に進化させ攻撃をキャンセル。
《タイク・タイソンズ》が離れたことによりマナが増えたdotto。
5マナあれば《夢双英雄 モモキングDM》からけみーが見せたような展開も狙えるが、残念ながらマナチャージ含めて使えるマナは4。
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の再召喚を防ぐべく、《王道ダチ モンキッド》を召喚しターンエンド。
だが、手札が増えた【サイバー】であれば《王道ダチ モンキッド》を超えるのは容易。
《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を召喚し、《王道ダチ モンキッド》を突破した後2枚目の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を召喚することも可能…なのだが、既に《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》は4枚見えている。
手札の2枚を大事に使うため、ここは1ターン待つのが得策だろう。
《裏斬隠 テンサイ・ハート》で《マクスハト》を捨て、ひとまず《王道ダチ モンキッド》を止めてターンエンドするぎょうざ。
無事5マナ域まで到達したdottoは《夢双英雄 モモキングDM》を召喚。出るのは《アルカディアス・モモキング》のみだが、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を牽制する一手。
マナに《メラベンチャー・ザ・ジョニー》も加わり、もう1ターンゲームが伸びれば…と言ったところだが、そこは【サイバー】。
ここでタイムリミットだ。
ぎょうざは《裏斬隠 テンサイ・ハート》を《アストラル・ハート》に進化させ《アルカディアス・モモキング》のタップインを抜けると、軽減を使い《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を召喚。
今度は下に《昇カオスマントラ》が2枚。手札には当然《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》。
これで好きな回数メクレイドを行うことが出来、途中で3枚目の《昇カオスマントラ》が手札に入ったことでループ完了。
《シュトラ》と《パクリオ》でdottoのマナと手札が全てシールドへ送られ、山札切れを待つのみとなった。
Winner:ぎょうざ
セキボン vs. kau
先攻:セキボン
2ターン目の《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》、3ターン目に《Dの天災 海底研究所》と、《俳句爵 Drache der’Bande》の連続攻撃を強く牽制するセキボン。一方kauは《轟速奪取 トップギジャ》から《キユリのASMラジオ》に繋ぎ、《俳句爵 Drache der’Bande》と《一音の妖精》を進化せずに平置き。
横並びでゲームを作るプランだ。
セキボンは《ARC REALITY COMPLEX》を引けず、《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》を重ねて手札を回す。
大きなアクションがないのであれば、ここで攻めてもリスクは少ない。
《ネ申・マニフェスト》と《洗打の妖精》を展開し、《俳句爵 Drache der’Bande》で《煙幕の聖沌 k3mur1 / 聖沌忍法 メカくしの術》の呪文面を唱えながら攻撃。
セキボンは《裏斬隠 テンサイ・ハート》で《オリオティス・ジャッジ》を捨て《俳句爵 Drache der’Bande》の連続攻撃を防ぐ。
続く《轟速奪取 トップギジャ》の攻撃に対しても《裏斬隠 テンサイ・ハート》を召喚し、《~創造、破壊、そして絶望~》を捨て後続の攻撃を完全にシャットアウト。
更にセキボンは、kauのターン終了時に《真気楼と誠偽感の決断》を唱え、手札を整えつつ《一音の妖精》を除去。
《ARC REALITY COMPLEX》が手札に入ったセキボン。
返って来たターンに《~創造、破壊、そして絶望~》を召喚、そのまま《ARC REALITY COMPLEX》に進化させてターン終了。
kauとしては《ARC REALITY COMPLEX》の着地こそ許したが、まだ焦らず攻めることができる状況だ。《心転地と透幻郷の決断》のドロー効果と実行効果を使い2体目の《俳句爵 Drache der’Bande》を召喚。
《俳句爵 Drache der’Bande》攻撃時に≪聖沌忍法 メカくしの術≫を使用し打点を伸ばすが、セキボンは《裏斬隠 テンサイ・ハート》を持っている。
だが、場には2コストの《轟速奪取 トップギジャ》と《洗打の妖精》。
セキボンのシールドはこのブレイクで0。
あとはS・トリガー次第…と言うところで、セキボンはチームメイトの状況を確認する。
セキボン「勝ちました?」
けみー「勝ちました」
横にはぎょうざのループを眺めるdotto。
セキボン「俺次第じゃんこれ!!今回全部これ!!!」
「プレイが難しいんですよね…(笑)」とdottoが語っていたように、デッキの難しさに悩まされているセキボン。
【火自然ジョーカーズ】より試合に時間がかかるデッキと言うこともあり、セキボンの勝敗次第でチームの勝敗が決まる、と言う場面も少なくなかっただろう。
この試合の勝敗もまた、セキボン次第。
「もうミスはしたくない、出来ない」と言うプレッシャーに加え、更なるプレッシャーがセキボンに圧し掛かる。
とは言え、あとはブレイクの確認のみ。
トリガーは…なし。
《轟速奪取 トップギジャ》のダイレクトアタックが通…らない!
《深淵の逆転撃》、そして4枚目の《裏斬隠 テンサイ・ハート》!まずは《轟速奪取 トップギジャ》を破壊。《裏斬隠 テンサイ・ハート》で2コストのカードを捨て後続の《洗打の妖精》が止まれば、このターンを生き延び《ARC REALITY COMPLEX》起動のチャンスがある。
そんな時、セキボンに襲い掛かる災難。
セキボン「えー、2コストない…!」
《DG-パルテノン ~龍の創り出される地~》×2、《Dの天災 海底研究所》、《~創造、破壊、そして絶望~》×2と、今まで2コストのカードを消費してきたセキボン。
デッキ内の2コストは12枚。残り7枚のうちどれかを引けば生き残れる。
セキボン「引きます!!」《裏斬隠 テンサイ・ハート》のドロー!
…セキボンは崩れ落ちた。
セキボン「次(のドロー)じゃん!!!」WINNER:kau
そして、セキボンが敗れた後ぎょうざが【サイバー】のループを回し切って決着。
最後に決めたのは、やっぱり【サイバー】であった。
WINNER:やっぱり黄昏地獄拳
おず_RW「いつもは安心してループを見ていられるんですけど、最後《夢双英雄 モモキングDM》を手札に戻し忘れているのを見て、『あ、こいつ(ぎょうざ)も緊張するんだな』と思いました(笑)」
大型大会と言う緊張しやすい環境に加え、有名プレイヤーとの対戦。この状況で緊張しない選手は少ない。
しかし、勝負は緊張など考慮してくれない。
緊張を受け入れるか、或いは跳ねのけるか。
そうして前に進み続けた者だけが勝利を掴む。
「やっぱり黄昏地獄拳」は、前に進み続けたのだ。
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セキボン DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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dotto DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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けみー DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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kau DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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ぎょうざ DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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おず_RW DMGP2025-2nd オリジナル構築 |
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