超CSⅦ横浜 Round 1:「また、やってもうた」 vs. 岩塩デュエルマスター
ライター:高橋 穂(北白河)
撮影者:瀬尾 亜沙子
デュエマにおいて勝利を意味するフレーバーテキストであるのはもちろんだが、前回のチーム戦大型イベントことDMGP2024-1st Day2にて優勝を果たしたチームの名でもある。 その優勝メンバーである紅蓮・かいに加え、新たにDMGP2024-1st Day1にて第三位入賞を果たしたみみみを交えて誕生した新チームが、パシフィコ横浜B展示場のフィーチャーテーブルに現れた。
新たなチーム名は、「また、やってもうた」。奇しくも、印象的なフレーバーテキスト繋がりである。
チーム戦大型イベントにて連続優勝という前代未聞の偉業を「やってまう」べく、戦いに臨む。 彼らに相対するのは、岩塩デュエルマスター。
「#フィーチャーme」にて「岩塩を舐めて育った者達」と名乗る彼らは、1戦目からラスボス戦と言わんばかりの相手にやや緊張気味の様子。
だが、ここで勝ってしまえば最高のスタートダッシュとなるのもまた事実。シャッフルを進めるにつれ、その表情は覚悟が決まった勝負師のものになってくる。
前回覇者たちが横綱相撲を見せるのか、はたまた塩を舐め続けた苦労人が特大の下克上を果たすのか。
A卓:かい vs pepepe
B卓:紅蓮 vs pu
C卓:みみみ vs 猫猫
C卓:みみみ vs. 猫猫
先攻:みみみ 結論から言ってしまうと、このゲームは開始10秒足らず、後手1ターン目にして趨勢が決してしまった。《ドレミ団の光魂Go!》をチャージしてターンを終えたみみみに対して、猫猫が叩きつけたのは《お目覚めメイ様》! みみみが駆るのは、デッキのほとんどをS・トリガーとシールド追加で埋め尽くした対ビート最終兵器といえるデッキ【光水闇ホワイト・スワン】。
攻撃によって勝利を目指すデッキ全般に圧倒的優位を取れる特化デッキだが、猫猫の【ドリームメイト】は(理想的なムーブができれば)ゲーム中2回しか攻撃を行わない。すなわち、《森夢のイザナイ メイ様》への革命チェンジの際と、仲間を揃えた《お目覚めメイ様》でエクストラウィンを決める際だ。
S・トリガーの存在を前提にしたデッキと、シールドをそもそもブレイクせず勝つデッキ。その相性の差は、あまりにも歴然だ。
高コストカードばかりのデッキの都合上チャージしかできないみみみに対して、《配膳犬のトレス》から《森夢のイザナイ メイ様》を確保し、そのまま《お目覚めメイ様》からの革命チェンジでバトルゾーンに送り出す猫猫。
みみみが唯一盤面に干渉するチャンスであるS・トリガーチャンスも、ただのシールド追加である《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー / ライブラ・シールド》と不発。
ターン終了時の光臨で《激烈元気モーニンジョー》→自身の効果で《料理猫のプワソン》に進化→そこから《料理長のラビシェフ》と繋ぐと、まだ2ターン目にも関わらずバトルゾーンにはドリームメイトがなんと4体。4ドローのリソース補給までやってのける。 こうなれば、あとは猫猫の独壇場。
次のターンには《お目覚めメイ様》を出し直し、《森夢のイザナイ メイ様》を《配膳犬のトレス》のハイパー化でタップ→光臨で出した《注文猫のウェイ》でアンタップ…という、攻撃せずして光臨を行う黄金ムーブに繋ぎ、そのまま次のターンに7体のドリームメイトとともに《お目覚めメイ様》が「みんなと戦えてよかった。」と嘯いたのだった。
Winner:猫猫
B卓:紅蓮 vs. pu
デッキ相性によって早々に決着がついたC卓だが、B卓に目を向けると逆に紅蓮の【光水闇ホワイト・スワン】がその相性差を押し付ける側に回っていた。 5体のクリーチャーを並べ一斉攻撃を仕掛ける【闇自然アビス】のpuに対し、《テック団の波壊Go!》と《「破壊の赤!スクラッパーレッド!」「知識の青!ブレインブルー!」「魅惑の緑!トラップグリーン!」「閃光の黄色!スパークイエロー!」「強欲の紫!ハンドパープル!」「ブレイクあるところに我らあり!シールド戦隊、トリガージャー!!」》をトリガーさせてバトルゾーンを空っぽに変える紅蓮。 その後もpuはデッキの売りである驚異的な展開力をもって毎ターンのように大量打点を作り出すも、そのたびにシールド回復トリガーが飛び出して攻めが無に帰してしまう! 最終的に、山札回復も交えて何度も使いまわされた《偽衒学者の交渉》や《聖闘の精霊龍 セイント・カイザー / ライブラ・シールド》による15枚以上のシールドをpuに抱えさせたまま、山札切れにより紅蓮が勝利を手にした。Winner:紅蓮
A卓:かいvspepepe
こうして、チームの勝敗は【火水マジック】のかいと【水闇COMPLEX】のpepepeの一戦に託されることとなった。一般的には【水闇COMPLEX】有利と言われるマッチアップだが、B卓・C卓の相性ほど絶対的なものではない。
この時点でゲームは終盤、両者のシールドは5枚。バトルゾーンにはかいの《Napo獅子-Vi無粋 / ♪オレの歌 聞けよ聞かなきゃ 殴り合い》《芸魔隠狐 カラクリバーシ》と、pepepeの《異端流し オニカマス》《冥土人形ヴァミリア・バレル》《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》《アーテル・ゴルギーニ》2体、そして5枚のカードを腹に収めた《DARK MATERIAL COMPLEX》が並ぶ様相だ。
一見するとpepepeの盤石なメタクリーチャー&ブロッカーの陣容にかいが攻めあぐねる図だが、《氷柱と炎弧の決断》や《飛翔龍 5000VT》などが絡んで突破口さえ開けば、デッキの代名詞の怒涛の連撃で逆転も見える…という戦況だ。 チームの勝利がかかっており一手一手が重すぎることもあり、ターンプレイヤーのpepepeだけではなく受ける側のかいもチームメンバーと相談しながら長考する。
長い作戦会議の末にpepepeが選んだのは、《DARK MATERIAL COMPLEX》の起動を待たない一斉攻撃!安全のためにターンを返して逆転の一枚を引かれるより、ここで勝負を決めることを決意したようだ。 1体目の《アーテル・ゴルギーニ》のW・ブレイクを受けてかいが悔しげにシールドを手札に加えると、みみみと紅蓮から「全一やろお前!」というおそらくこの世でこの卓くらいでしか発生しない檄が飛ぶ。
ここで気合が入ったか、2体目の《アーテル・ゴルギーニ》のW・ブレイクからはG・ストライクを持つ《芸魔隠狐 カラクリバーシ》が登場。
《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の動きが止まり、最後のシールド次第(《氷柱と炎弧の決断》がトリガーしたうえでブロッカーの《イシカワ・ハンドシーカー / ♪聞くだけで 才能バレる このチューン》展開など)ではpepepeの攻めをしのぎ切るチャンスが発生する!
そして、《冥土人形ヴァミリア・バレル》の攻撃。卓上の全員が、祈るようにシールドを見つめる。
紅蓮「ここで踏ませないと意味ないぞ!」 pepepe「頼みます本当に…!」
デュエマが生まれたときから、何度も繰り広げられてきたラストブレイクのチャンス。この一瞬に限っては、相性差など存在しない。
ゆっくりとシールドをめくるかい。
そこに逆転の一枚は……ない!
こうして最後の《異端流し オニカマス》のダイレクトアタックをもって、ジャイアントキリングは果たされたのであった。
Winner:岩塩デュエルマスター
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