超CSⅧ大阪 Round 7:TeamSAGAtton vs. みんたたスマッシュ
ライター:谷口 雄飛
撮影:瀬尾 亜沙子
みんなと戦えてよかった。これは《サイバー・J・イレブン》のフレーバーテキストでもあり、ツインパクト呪文の名前でもあるが、かつてDMGPで優勝したチーム名のことでもある。
そんな実績を持つメンバーがいるチームと、デュエチューブリーグのTeam SAGA所属選手がいるチームが予選ラウンドで激突するとなれば、フィーチャーしないわけにはいかない。しかも3面同じデッキで構成されているチーム同士の対決となったのだからすごい。
みんたたスマッシュは期待の新星であるサイバーを、TeamSAGAttonは昨年度王者であるファイアー・バードを信じて対戦テーブルに着いた。
A卓あんだんて vs. キリンスマッシュ
キリンスマッシュの先攻でゲームは始まり、2ターン目に《マクスハト》のマナチャージから《アストラルの海幻》をプレイして手札を入れ替える。この一連のプレイから3ターン目の《マクスハト》がほぼ確定している状態であることを意味しており、次のターンの準備は整ったも同然だ。そのことをもちろん理解しているあんだんてだが、後攻となってしまったことで出来ることは限られている。こちらも2ターン目に《マジシャン・ルピア》を召喚して手札を入れ替えてターンエンド。
この時、あんだんての手札にはファイアー・バードのメインエンジンである《ハッター・ルピア》が駆けつけていたが、その希望は次のターンに打ち砕かれる。なぜならこのゲームで先に動く権利を得ているのはキリンスマッシュだからだ。
キリンスマッシュは3ターンに予定調和の《マクスハト》召喚からスタート。メクレイドにより《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を場に出し、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》の効果でさらにメクレイド。場に《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が降り立つ。
しかし《昇カオスマントラ》が進化元として含まれなかったため、即座のループには繋がらない。だが、サイバーはループするだけではなく、ビートダウンにも移行できるのがデッキの強みでもある。キリンスマッシュはこの《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》で攻撃し、メテオバーンによりドローを進めながら《マジシャン・ルピア》を手札に戻し、T・ブレイク。盤面を残さないまま押し込む。ファイアー・バードに対する勝ち方に柔軟に対応し、攻め込んでいけるのがこの夏にデビューしたサイバーというデッキだ。
ここでS・トリガーがあれば…という場面だが、あんだんてのシールドから殿堂入りしてしまった《アリスの突撃インタビュー》は姿を見せない。
先に動き出されてしまったあんだんては次への望みをつなぐため3マナで《ハンプティ・ルピア》を場に送り出し、キリンスマッシュの手札を確認する。そして手札から《マクスハト》を捨てさせると、場にある《マクスハト》を破壊してターン終了するが、そこからファイアー・バードが羽ばたくことはなかった。キリンスマッシュの2度にわたる《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃と《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》によるダイレクトアタックにより、みんたたスマッシュが1勝をあげる。
WINNER:キリンスマッシュ
敗北を喫したあんだんてだが、まだチームのためにやれることがあると隣の卓に目を移すと、そこに広がっていたのは紅蓮の盤面に《マクスハト》、《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》、《シュトラ》が並んでいるところだった。
盤面は流され、《シュトラ》によってマナも減らされた絶望的な状況だが、そんなZweiLanceはチームのメンバーで揃って採用したスペシャルゲストを場に送り出す。
DMGP7th 準決勝:ZweiLance vs. ぎらさきそのカードとは、かつて行われたDMGP7thでZweiLanceを敗北へと追いやった《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》!!
今回は味方としてZweiLanceを助けるべく場に降り立つ。
このメタ(妨害)クリーチャーによって、紅蓮の場にマナの総数よりコストが大きいクリーチャーが出た場合、山札の下に送られてしまい場に定着しなくなる。これによりZweiLanceは紅蓮の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》や《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》といったコスト5のクリーチャーはマナゾーンに5マナ溜まるまで出せない状況を作り上げた。サイバーにはファイアー・バードデッキにおける《アリスの突撃インタビュー》のような盤面除去と展開を同時に行えるカードは基本的になく、紅蓮は動くには5マナ溜まるまで待つしかない。
ZweiLanceは《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》により得たターンで巻き返しを図る。
C卓 あっとん vs. Rikky
A卓の勝負が早期に決着したころ、C卓は静かな立ち上がりでゲームが進んでいた。Rikkyは1ターン目《フラワー・ハート》、3ターン目に《マクスハト》を召喚してメクレイドするが、出てきたのは《アイドル・ハート》。自分から動き出すことができない。
対するあっとんは3ターン目に《ハンプティ・ルピア》を召喚。《マクスハト》を捨てさせて場の《マクスハト》を破壊する。なんとか盤面を残していこうという構えRikkyが4ターン目に《アストラルの海幻》を出して手札入れ替えを行うと、あっとんも4ターン目は《アシステスト・インコッピ》の召喚とそのコスト軽減効果で《マジシャン・ルピア》を出してドローする。互いに自分の手を進めるためにターンを費やした。
そしてRikkyは満を持して5マナを支払い《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》を召喚し、メクレイドするが場に出るカードがなく、そのままターン終了。序盤の手札もいい内容でなければ、デッキの捲りもいまいち嚙み合わない。
サイバーが暴れだすことなくターンが返ってきたあっとん。攻勢に出る。
あっとんは《ハッター・ルピア》を2体場に出し、それぞれハイパー化させて攻撃。1回目のメクレイドでクリーチャーが場に出るかと思ったが、唱えられたのは殿堂カードの《アリスの突撃インタビュー》!!
そして場に降り立つのは、愛の特異点であるフェニックス、《愛銀河マーズ・シンギュラリティ》!!
だが、この攻撃に対してRikkyはキッチリ《裏斬隠 テンサイ・ハート》をウラ・ニンジャ・ストライク3で場に出して、手札から2コストのカードを捨てることで対応。どちらも譲らない接戦が繰り広げられているが、あっとんがブレイクするシールドを選択したタイミングでチーム戦の決着がついてしまった。
ZweiLanceの投了によってみんたたスマッシュが2勝したからだ。
B卓 ZweiLance vs. 紅蓮
A卓の勝敗が決し、《奇石 ミクセル / ジャミング・チャフ》が場に出たあと、ZweiLanceは紅蓮側の盤面に追いつくべく、2ターンかけて《ハッター・ルピア》を1体ずつ場に出し、ミクセルが作り出した2ターンのおかげで攻めに転じることができる盤面を作ることに成功。紅蓮のマナが次のターンで5マナになることを確認してラストターンと判断して《ハッター・ルピア》をハイパー化させてから攻撃。そしてメクレイド。しかし山札の上から3枚を見たZweiLanceの反応はよくない。ZweiLance「これもう負けてない?」
その3枚の内容を見て、チームメイトに状況を確認したうえでこのゲームは厳しいことを説明する。彼にはこの試合があのカードがゲームに絡まないと負ける展開であることが全て見えているからこそ、自分の敗北する未来も見えているのだろう。
試合後にどういうことなのかを確認すると、このターンで詰め切ることが出来ず、公開領域に《アリスの突撃インタビュー》が見えてしまったことで、有効なS・トリガーがないことが確定したからという。
実際、紅蓮は次のターンに《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を用意できたので、G・ストライクで止まらない盤面だった。
そしてここまで1敗できている予選最終ラウンドであり、ここでチームとして負けてしまっても(確定ではないが)概ね決勝トーナメントにいける状態だと判断したのだろう。
ZweiLance「よし、もう飯食いに行くぞ!!」
WINNER:みんたたスマッシュ
3面サイバーvs.3面ファイアー・バードによる試合は、サイバーに軍配が上がった。これでみんたたスマッシュは6勝1敗の成績で決勝トーナメントに進出。もちろんその後の成績発表を見ると、TeamSAGAttonも5勝1敗で決勝トーナメント進出が決定していた。
試合終了後にみんたたスマッシュのメンバーにチーム結成の経緯などを聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
――今回のチームはどういった経緯で結成されたのかお聞きしてもよろしいですか?
紅蓮「当初は前回のGPで超CS大阪の情報が出たときにかい🐬(kaisora)を誘ったんですけど、今回は魔王軍に誘拐されてしまったので…」
Rikky「なので今回はキリンスマッシュを誘いました」
実際、かい🐬選手は魔王軍弐のメンバーとして参加している。
――今後の意気込みなどをお願いします。
Rikky「(勝って)全国に仲間を連れていきます!」
紅蓮「チームの仲間に(全国へ)連れていってもらいます」
キリンスマッシュ「(自分も)チームの仲間に全国へ連れていってもらいます」
―ありがとうございました。
両チームとも試合が終了してからチームメイトとなかよく談笑しながら席を後にした。しかし、TeamSAGAttonも、みんたたスマッシュも、本当の戦いは決勝トーナメントからだ。
今日1日が終わった時、「みんなと戦えてよかった。」と言うことができる未来へ向かうべく、両チームは次のゲームへと向かっていった。いよいよ決勝トーナメントが始まる。
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あんだんて 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ZweiLance 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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あっとん 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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キリンスマッシュ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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紅蓮 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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Rikky 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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