2025年度日本一決定戦事前メタゲーム総括記事:アドバンス編
ライター:宮崎 大(アーチー)
デュエル・マスターズから切っても切り離せないもの「運」。「運」が悪いと引きたいカードを引けずにとことん負けるし、「運」が良いと自らが主人公になったかのようにゲームが進んでいく。
デュエマを始めたばかりの初心者から大会に頻繁に出場する上級者まで、この「運」からは逃れられない。
でもこの誰も予測できない「運」というものは、プレイヤー自身によるデッキ選択、そしてプレイングには干渉することができないのだ。
今回その「運」を最大限自分の手に転がるよう努力し続けた、日本屈指の61名のプレイヤーが己の代表する地域を背負い、己のプライドを賭け、東京の地で火花を散らす。
アドバンスとは、デュエル・マスターズに存在するすべてのゾーンが扱えるド派手かつ繊細なフォーマット。メインデッキ40枚に加えて、超次元ゾーンに8枚、超GRゾーンに12枚のカードを用意できる。
使えるカードの枚数が多いということはすなわち選択肢もたくさん増えるということだ。エキサイティングなゲームかつ細かな一手で差を出しやすいこのフォーマットを好むプレイヤーは多くいる。
そしてエピソード4 パンドラ・ウォーズの発売で、アドバンスを普段プレイしていない人にも、この面白さは知ってもらえたことだろう。
そんなアドバンスフォーマットにおける流行デッキの詳細、いわゆるメタゲームをこの記事では予想し解説していくので良かったら最後まで目を通してほしい。
【ラッキー・ダーツ】
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ラッキー・ダーツ 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:圧倒的スピード、圧倒的破壊力
アドバンス環境を定義する最強のデッキは【ラッキー・ダーツ】で間違いない。
殿堂入りカードに選ばれ1 枚しか使えない呪文《ラッキー・ダーツ》を唱え、シールドから選ばれた超強力呪文でゲームを一気に終わらせる。
超強力呪文には超GRゾーンのカードを全て出す《煌銀河最終形態 ギラングレイル》。

超次元ゾーンのカードを全て出す《最高にして彩光なる再興》。

相手の場と手札を全て枯らす《LOVE&ABYSS》がある。

・「運」が良ければ最速1ターン目に勝利。
・「運」が普通なら《ロジック・サークル》を唱えて山札からサーチした《ラッキー・ダーツ》で2ターン目に勝利。
・「運」が悪くても4ターン目には《トワイライトMk.1 Type ホーガン / 「イチバンになってみせる!」》の呪文面から超大型呪文が捲れる抽選が可能。
どんなに優れたプレイヤーでも、《ラッキー・ダーツ》の前には無力。両手を合わせ、天を仰ぎ己の前で起きる運命のダーツを見守るしかない。
このデュエマ史上最強のパワーを持ったデッキと戦いたいプレイヤーはいないだろう。
【水闇自然ボウダン=ロウ】
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水闇自然ボウダン=ロウ 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:相手のデッキに合わせた対策クリーチャーの展開
《ラッキー・ダーツ》は最強である。しかし付け入る隙は大きい。それを証明するがごとく環境に現れたのが【水闇自然ボウダン=ロウ】である。
《とこしえの超人》、《クイーン&かぼちゃうちゃう》を相手の動きより先回りして場に出すことで、相手のやりたい行動を封じゲームを進行。その後ハイパーエナジーにてコストが軽くなった《超暴淵 ボウダン=ロウ》を場に出して大量にコスト5以下のクリーチャーを展開しゲームを決めるデッキだ。


《死海秘宝ザビ・デモナ》から《勝首領龍 カツドン》を出しつつ他のクリーチャーを2体以上展開することで覚醒効果を2回待機させ、一気に最終面である≪最終勝首領 カツマスター≫に覚醒させる。結果全軍スピードアタッカーにして総攻撃を仕掛けられる。

この《勝首領龍 カツドン》の覚醒効果を待機させて一気に裏返す手法はアドバンスを楽しむにあたって覚えておいてほしい。
公認CSでも活躍が見られる機会が増えているほど環境への通りは良く、対【ラッキー・ダーツ】に限っては《ラッキー・ダーツ》から《煌銀河最終形態 ギラングレイル》が捲れても、《飛翔龍 5000VT》でカウンターすることができるため実質的に当たりを減らすことが出来る。
メタカードをふんだんに採用した対策デッキが全国の舞台で輝けるか期待。
【光自然ドリームメイト】
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光自然ドリームメイト 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:圧倒的スピードかつ安全なフィニッシュ性能
《ラッキー・ダーツ》と似た速度を持つ、2ターン目にゲームを決められるコンボデッキ、【光自然ドリームメイト】も今大会注目だろう。
先攻後攻問わず、2ターン目の《森夢のイザナイ メイ様》降臨は速度が速すぎるがあまり並大抵のデッキは咎めることは出来ない。気づけばドリームメイトの群れに囲まれる。
《光夢龍フィオナ・フォレスト》から《PP-「P」》と繋いで、呪文のコスト増加+大型クリーチャー展開阻止を同時にするプラン。


《刀志猫のプワソン》からその場の状況に応じたクリーチャーを展開するプランも強い。

ハンデスとマナ加速を同時に行う《千両力士 多禍の泥粋》によるコントロール、攻めっ気が強い相手には《時空のコスモ アンタッチャブル》で時間を作ることもできる。軽量対策クリーチャーに対しては《料理犬のヴィヤンドゥ》で殴り返すことができるし、超次元から《時空の停滞シュタイヴァル》で破壊するプランもある。
このような速いターンに決着を付ける「押し付けデッキ」の中でも対応力はそれなりに高いということがわかっただろう。
ただ一つ懸念点なのは外部ゾーンを頼りきらないデッキ基盤でありながら、《とこしえの超人》などの汎用メタカードが引っかかりやすい点だ。
そこをしっかりクリアした構築を組んでくるのか割り切って速度で勝負してくるのかプレイヤーの腕が問われる。
【火闇バイク】
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火闇バイク 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:大量の強力S・トリガーを構えた高速ビートダウン
This is Advance.
パンドラ・ウォーズによって大きく前進したのは【火闇バイク】も同じである。
《轟速 ザ・レッド / 超次元キル・ホール》の呪文面がとにかく強い。

《時空の忠剣ハチ公》を出して、手札を消費せずスピードアタッカーで即侵略まで行えるメインプラン。メタクリーチャーには《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》で火文明のコマンドを場に置きつつ処理も可能。相手に《刀志猫のプワソン》を出された場合には《超次元キル・ホール》の効果で簡単に除去でき、安全着地を許すことはない。
ならば《とこしえの超人》系統の妨害が刺さるとは思う人もいるだろうが、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》などで対応可能だ。

最速2ターン目にゲームを決め切るデッキがいる中、環境最速でもない【火闇バイク】が強い理由はその豊富な除去性能が支えている。
また攻撃手段も《轟く跳躍 テレポートゾーン》によって横展開をしながら攻めることができるようになった。

侵略先を複数枚用意することで1枚目の超次元召喚で《勝首領龍 カツドン》を出してから、コマンドを複数枚侵略し、覚醒効果を2つ待機させて一気に最終面まで裏返すテクニックも使える。
多彩な除去手段、多彩な攻撃手段そして10年前から変わらないS・トリガーの硬さを見せつけることが出来るのか。
【光水自然ゴルギーオージャー】
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光水自然ゴルギーオージャー 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:安全なEXWIN、あらゆる事象への適応能力
【光自然ドリームメイト】と同じく、オリジナル環境でも活躍を見せている【光水自然ゴルギーオージャー】もアドバンスで大活躍中だ。
全国各地で行われたエリア予選をこの【光水自然ゴルギーオージャー】で駆け抜けたプレイヤーも多いだろう。
4ターン目にEXWIN(特殊勝利)する安定感を武器にしながら除去、メタ(妨害)クリーチャー展開、相手の攻撃に誘発させるカウンターまで持っているサブプランの動きまで完璧なデッキだ。その高い対応力がデッキの強さの根幹を担っておりアドバンス環境では全てのデッキにそこそこ勝てるという立ち位置だ。
速度では完敗している【ラッキー・ダーツ】にも《一音の妖精》さえ出せてしまえば呪文連鎖を止めることが出来る。

そしてアドバンス要素として《刀志猫のプワソン》が採用されている構築が多い。

このカードが一度安全着地してしまえば、《モーニング・ABYFLHA・カイザー》の高コスト面を使って、マナをアンタップさせるミニ《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》も出来るし、《時空のアトモスフィア キル》の高コスト面で直接《観覧!ホールインランド・ヘラクレス》をマナから出すことも出来る。
また《流星の逆転撃》を採用したVSビートダウン構築も存在する。主に【火闇バイク】の早期ビートダウンが負け筋になりやすいことから、攻撃に反応しカウンターで使うといった理由での採用だ。 (《真理銃 エビデンス》のクリーチャー面を出すと次のターン無償召喚が可能)

2ブロック、オリジナルを制覇した王。
アドバンス全てに対応することは出来るか注目だ。
【光水自然der’Bande】
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光水自然der’Bande 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:メタクリーチャーを活かした高速ビートダウン
ビートダウンと言えば【光水自然der’Bande】も注目だ。デッキ名の由来でもある《俳句爵 Drache der’Bande》の攻撃時に4コスト以下の呪文を使って攻めていく。
《キユリのASMラジオ》などから、《一音の妖精》や《洗打の妖精》などのメタクリーチャーを展開してビートダウン。《煙幕の聖沌 k3mur1 / 聖沌忍法 メカくしの術》の呪文面でアンタップして再度攻撃もできる。


またアドバンスならではのサイキック・クリーチャーを使った面白い動きもできる。
① 横にクリーチャーが1体いる状態で《俳句爵 Drache der’Bande》攻撃時に≪超次元キル・ホール≫を唱えて、《勝首領龍 カツドン》を出す。
② 《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を3枚侵略させて≪勝首領龍 カツドン≫の覚醒効果を3つ待機させておく。
③ 《勝首領龍 カツドン》を最終面まで覚醒させる。(残り覚醒効果1)
④ ≪最終勝首領 カツマスター≫のコストは15、そして《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》のコストは6なので合計20になるように《超時空ストームG・XX》を2体の上に進化させる。
⑤ ここで待機させていた最後の覚醒効果で≪超覚醒ラスト・ストーム≫へ覚醒させる。

複雑だがこの動きをすることで、《俳句爵 Drache der’Bande》の効果で「ブロックされない」≪超覚醒ラスト・ストームXX≫の能力で「選ばれない」≪最終勝首領 カツマスター≫の効果でアンタップしダイレクトアタックまで繋げることが出来る。
ただ汎用超次元である《時空のコスモ アンタッチャブル》がS・トリガーで出てくると攻撃が止まってしまう点には注意。《とこしえの超人》が場にいる状態でも使えない。
【4cテレポート】
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4cテレポート 全国大会2025 日本一決定戦 アドバンス構築 |
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強み:超次元ゾーンを活かした対応力
最後に紹介するのはアドバンス界を直近で結果を残している【4cテレポート】。闇文明を抜いた4色で構成され、《鬼修羅と跳次元の決断》から出るサイキック・クリーチャーを主軸としたコントロールデッキだ。
主に超次元から出るのは≪ラスト・GOLDEN・ドラゴン≫。2体出すと4枚ドローして4枚マナアンタップすることで1マナ消費4枚ドローすることが出来る。
また「跳次元召喚6」+「このターン、自分のクリーチャー1体に「スピードアタッカー」を与え、そのクリーチャーはブロックされない。このターンの終わりに、そのクリーチャーをアンタップする。」の2つを使うと攻撃時《剣轟の団長 ドギラゴン王道》をD・D・Dで出すことも可能。《剣轟の団長 ドギラゴン王道》の採用は《流星のガイアッシュ・カイザー》からのカウンター能力も底上げしている。
詰めのフィニッシャーは《頂上連結 ロッド・ゾージア5th》や《時の法皇 ミラダンテⅫ》、《音卿の精霊龍 ラフルル・ラブ / 「未来から来る、だからミラクル」》に任されている。
場合によっては≪新空のネビュラ ユリア・マティーニ≫で制限をかけることも可能だ。
しかしこのデッキの強みは自由枠の多さである。
《「GT」-002》+《時空の化身エボテム》の裏面≪飛闘の覚醒者コスモ・セブΘ≫によるマナ倍ブースト+マナアンタップシステムはゲームが決まるレベルで強力。《創世竜 ゴルギーネクスト》でメタクリーチャーを展開しながらカードパワーが高いデッキからランダムにパワーカードを射出しても強い。
文明が多く、外部ゾーンに制限がないアドバンスフォーマットだからこそ、新カードや新ギミックを開発し環境に挑戦しに来るトッププレイヤーもいることだろう。
終わりに
全国大会におけるアドバンスフォーマットは数回のみの対戦となる。2ターン目にゲームが終わることもあるだろう。
しかしそれでもここに出るプレイヤーたちは数%の勝率向上に人生をかけてきた選手ばかりだ。
恐ろしく、そしてどこか儚げでもあるこのフォーマットにかけるトッププレイヤーたちの選択をどうか皆さんに見てもらいたい。
3月21日(土)生配信で観戦しよう。
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