超CSⅧ北海道 決勝Round 3:マイケル vs. 醤油せんべぇ/徒歩旅
ライター:河野 真成(神結)
撮影:瀬尾 亜沙子
“専業”。デュエマにおいてはあるレギュレーションやあるデッキを専門としている場合にこの言葉を使うことになる。それはみんながちょっと憧れ、期待し、一目置く……そんな存在ではないかと思う。
もちろん、あらゆるデッキをハイレベルで使いこなす最強のプレイヤーが素晴らしいのはそれとして、一本の刀を研ぎ澄ませているプレイヤーもそれは別の魅力があるものだ。
そんな“専業”の中でもかなり特異な専業であるのが醤油せんべぇ/徒歩旅である。北海道まで徒歩で来たわけではないとのことだったが、文面の都合、今回は醤油せんべぇと表記させていただきたい。
そんな醤油せんべぇだが、なんと【スノーフェアリーゴスペル】の専業である。
どういったデッキなのかを説明すると、ツインパクトのスノーフェアリーを多く採用し、《エンドレス・フローズン・カーニバル》と《水晶の王 ゴスペル》で勝つ……といったデッキだ。


そんな醤油せんべぇを迎え撃つのがマイケルだ。本人はアドバンスをメインに活動しているプレイヤーなのだが、オリジナルの大型イベントの戦績が非常に高く、一部友人からは“オリ専業”などと敬意を込めた愛称で呼ばれたりもしている。
それはさておき、マイケルがオリジナルのCS・大会に出るときはほぼほぼ【ドリームメイト】しか使っていないことから、ドリームメイト専業ということにはあるだろうか。
共に関東のプレイヤーということもあり、試合前には2人で仲良く自撮りをしながら、対戦の準備をしていく。相手が相手なだけあって、互いにデッキの目星は付いているだろう。
というわけで、ここではどちらの専業が上回るのか、そんな対戦を見ていくことにしよう。
先攻:マイケル
先攻のマイケルは《お目覚めメイ様》でスタートダッシュに成功。醤油せんべぇは《水晶の王 ゴスペル》のチャージでターンを終了する。2ターン目、マイケル《料理長のラビシェフ》をチャージすると《森夢のイザナイ メイ様》へと革命チェンジ……することはなく、ターンを終了。
対して醤油せんべぇは≪「こっちは甘いぞー」≫を唱えると、《水晶の王 ゴスペル》を回収していく。【光水自然ゴスペル】の要とも言うべきカードで、引けているだけで大きく速度が変わってくる。
3ターン目、マイケルは《トレジャー・マップ》から動く。回収は当然《森夢のイザナイ メイ様》……は見えず、《激烈元気モーニンジョー》を拾い、残る2マナで《クイーン&かぼちゃうちゃう》を召喚してターンを終了する。
友人のプレイミスを詰めている時に比べると随分まぁと大人しい動きしかしないマイケルなのだが、それはそれとして《クイーン&かぼちゃうちゃう》は重たいという醤油せんべぇ。わかりやすい回答である《理想と平和の決断》は、先に≪「こっちは甘いぞー」≫で墓地に落ちている。よってここは一旦≪水晶の祈り≫を唱えて、墓地のカウントを進めてターンを終了した。
マイケルはターンドローの後、引いたカードをそのまま盤面に繰り出す……ようなこともなく、なんとチャージすらせずにターンを終了。
マイケル「手札が《激烈元気モーニンジョー》、《料理猫のプワソン》、《クイーン&かぼちゃうちゃう》でさ」
試合後、マイケルはこの時のプレイを振り返ってくれた。
マイケル「相手のデッキが《クイーン&かぼちゃうちゃう》に弱いのはわかっていたんだけど、処理するカードが《理想と平和の決断》になるから、いきなり2面置くのはあんまり意味がないと思っていて、1枚目を処理された裏で出そうかなって思っていました」
マイケル「なので、ここからのゲーム進行として、次のターンは引いたカードを埋めて《クイーン&かぼちゃうちゃう》、その次で《激烈元気モーニンジョー》+《料理猫のプワソン》するつもりで考えていたので、ここは我慢の全キープを選択した、という感じですね」
踏まえて、醤油せんべぇは≪ハンマー・チャージャー≫で《海遊妖精アルメリア / 「海中でなんだか歌が聞こえるね!!」》を回収し、更に≪「こっちは甘いぞー」≫と唱えていく。
このチャージャーによって、次ターンに6マナに到達できるようになり、例えば≪ド浮きの動悸≫+《水晶の王 ゴスペル》といったセットで勝つことができるようになったわけだ。
となると、マイケルも予定を変更せざるを得ない。
キープしていた《激烈元気モーニンジョー》を埋めると、このターンにトップドローした《トレジャー・マップ》を唱え、ここでようやく《森夢のイザナイ メイ様》に回収に成功。手札でキープしていた追加の《クイーン&かぼちゃうちゃう》を設置し、上記のプランから「《理想と平和の決断》だけはごめんなさい」という形に。
そして1ターン目からずっと眠い目をこすっていた《お目覚めメイ様》が、遂に《森夢のイザナイ メイ様》へと変身する。
ただし醤油せんべぇもここで≪エマージェンシー・タイフーン≫をトリガー。ひとまずドローをしたのち、《エンドレス・フローズン・カーニバル》を捨てる。墓地は11枚だ。
そのままターン終了時、マイケルは光臨から《激烈元気モーニンジョー》をバトルゾーンへ。《料理猫のプワソン》から《配膳犬のトレス》と繋ぎ、《料理長のラビシェフ》を拾ってターンを渡す。
醤油せんべぇは三度目の≪「こっちは甘いぞー」≫から《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を拾うと、≪「海中でなんだか歌が聞こえるね!!」≫を唱え、このゲームに参加しているプレイヤーの数……つまり《森夢のイザナイ メイ様》と《料理猫のプワソン》の2体を止めてターンを終了する。
もはや互いにどこまでゲームを引っ張れるかといった勝負になってきたが、さすがに限界は近い。
マイケルは《料理長のラビシェフ》を召喚して4枚ドローすると、《森夢のイザナイ メイ様》で《配膳犬のトレス》をハイパー化
そして終了時に《ピザスターのアンティハムト》を投下し、《お目覚めメイ様》をバトルゾーンに繰り出す。
さすがに醤油せんべぇもラストターンだろう。 だがそもそも、このターンの前の動きに醤油せんべぇとしては悔いがあったようだ。
醤油せんべぇ「ずっと《水晶の王 ゴスペル》と《der'Zen Mondo / ♪必殺で つわものどもが 夢の跡》をセットでキープしていたんですよ。でも前のターンに《水晶の王 ゴスペル》を犠牲にマナを伸ばしておいて、このターンに8マナから≪♪必殺で つわものどもが 夢の跡≫撃って《エンドレス・フローズン・カーニバル》にワンチャン賭けた方がよかったかな、って」
マイケル「≪エマージェンシー・タイフーン≫で《エンドレス・フローズン・カーニバル》切っていたから、そのプレイしてくると思ったんだよね」醤油せんべぇ「だから前の動きで《エンドレス・フローズン・カーニバル》切ったのもよくなかったですね。フィーチャーで緊張して、プレイ見えてなかったかもな……」
結果、このターン7マナでは2体の《クイーン&かぼちゃうちゃう》を退かすことは叶わず、《水晶の王 ゴスペル》を1枚犠牲にマナを伸ばし、≪ド浮きの動悸≫で《お目覚めメイ様》をバウンスするのみとなった。
これで勝負は決まった。
マイケルは《トレジャー・マップ》から《激烈元気モーニンジョー》を加えると、そのまま《激烈元気モーニンジョー》を召喚し、《ピザスターのアンティハムト》、そして《お目覚めメイ様》へ。
あとは《お目覚めメイ様》が7匹のドリームメイトを率いて、この“専業”対決に終止符を打ったのである。
WINNER:マイケル
専業対決は、見事マイケルの勝利となった。ゲームプランの確立や割り切りといった辺りで、見事にその練度を発揮したと言えるだろうか。
惜しくも敗れてしまった醤油せんべぇ。ゲーム終了直後は悔しがる様子を見せていたが、それでも勝ったマイケルを讃え、「ファイアー・バードを3回も倒せたので……悔いはないです」と自分の戦いも讃え、爽やかに去っていった。
どんな武器でも研ぎ澄ませれば勝利に繋がる。
興味のあるプレイヤーは“専業生活”を始めてみるのも悪くないかもしれない。
|
マイケル 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
|
|
|
醤油せんべぇ/徒歩旅 超CSⅧ 北海道 オリジナル構築 |
©ANYCOLOR, Inc.
TM and © 2025, Wizards of the Coast, Shogakukan, WHC, ShoPro, TV TOKYO © TOMY










