超CSⅧ大阪 決勝Round 4:超魂賢者X vs. 全生命をこの大会に!
ライター:小屋 悠雄
撮影:瀬尾 亜沙子
チームには、それぞれの形がある。1人で引っ張っていくチームもあれば、3人で支え合うチームもある。
そこには強さにおける優劣など無い。強さを証明できるのは、長い戦いで勝ち残ったチームだけだ。
今回のフィーチャーは、双方とも3人で支え続けたチーム同士での戦いと言えよう。
およそ1200チームが集まったこの超CSⅧも、ついに16チームまで絞られた。
この試合を乗り越えたら、優勝という文字が現実的に見えてくる場所にまで到達する。
そしてこの試合でフィーチャーテーブルに現れたのは、【水単サイバー】を3面で使い続けてチーム名通りの全力をぶつけて勝ち上がってきた全生命をこの大会に!と【水単サイバー】【ドリームメイト】【光水自然アルファディオス】という各々の個性で支え合いながらも戦い続け、ベスト16まで登り詰めた超魂賢者X。
長きに渡りチームメイトに全幅の信頼を持って戦い続けた2つのチーム、更なる高みへ登れるのは、どちらか。
A卓:ガブきなvs.ヴァームース
B卓:きくらげvs.顔面ボルメテウス
C卓:いかろす.vs.あるふ
今回はB卓のきくらげvs.顔面ボルメテウスの試合にフォーカスする
先攻:顔面ボルメテウス
顔面ボルメテウスは迷うことなく1マナタップで《お目覚めメイ様》を送り出す。
顔面ボルメテウスは《配膳犬のトレス》を召喚、山札から3枚めくり《配膳犬のトレス》を回収。そしてすかさず《お目覚めメイ様》に手をかけるが…。
顔面ボルメテウス「…エンドで」
《森夢のイザナイ メイ様》が手札になく、きくらげが1ターンもらう形となった。
きくらげは安心して《アストラルの海幻》を出し、《アストラル・ハート》を捨ててターンを終える。
これ以上動きを遅らせたくない顔面ボルメテウスはもう一度《配膳犬のトレス》を出すが、《森夢のイザナイ メイ様》は未だに手札にたどり着かず、《料理長のラビシェフ》を回収してターンを返さざるを得ない。
きくらげにとっては制限も圧力も何一つ無い状況で迎えた3ターン目だが、このターンも《アストラルの海幻》で手札を整えて終えた。
ただ、この動きでも相手に圧力をかけていることに変わりはない。
もう《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》が召喚できる状況にまで整っている、ただではターンを返せない。
しかし、手札が芳しくない顔面ボルメテウスは《クイーン&かぼちゃうちゃう》を召喚して1ターンだけでももらいにいく。
きくらげにとってはこのターンでの決着はつかなくなったが、次のターンには負けないと踏み、焦る必要もないと判断してそのままチャージエンドを宣言。
ターンが返った顔面ボルメテウスは、《激烈元気モーニンジョー》から《料理長のラビシェフ》を繰り出し5枚ドローし、そこから引き込んだ《森夢のイザナイ メイ様》を《お目覚めメイ様》から革命チェンジして相手のシールドをブレイク。シールド・トリガーはなし。
ようやくの光臨となった顔面ボルメテウス、入念に山札を確認しながらゲームプランを組み立てる。
少考の末に、山札から《激烈元気モーニンジョー》を出し、手札から再び《料理長のラビシェフ》を出してさらに手札の枚数を重ねてターンを返す。次のターンさえ返ればこちらのものと言わんばかりの動きだ。
しかし、ここまで来てしまうとサイバーの独壇場である。
きくらげは《アストラルの海幻》の上に《アストラル・ハート》を進化して3ドロー、そこから軽減が入った《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の召喚宣言を行う。
攻撃時のメテオバーンで《疾封怒闘 キューブリック》を墓地に送りながら2枚ドロー、相手の《クイーン&かぼちゃうちゃう》と《料理長のラビシェフ》を手札に戻す。《~墓碑に刻まれし魔弾の名~》の効果で墓地から《アストラル・ハート》を《アストラルの海幻》の上に進化させてそのまま3枚ドロー。そして《昇カオスマントラ》の効果で出てきたのは《マクスハト》、攻撃中の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》を手札に戻してメクレイド、出てきたのは別の《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》。進化元には《昇カオスマントラ》が2枚、手札から現れるのは《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》。
これにより、メクレイドでサイバーを捲る限り続くこの会場で何度見たかわからないサイバーのチェインが始まる。
気付けば、顔面ボルメテウスの盤面はほとんど手札へ戻され、《シュトラ》によって返しのターンの逆転の目をできるだけ摘み、これでターンを返してもさして問題は無い盤面でもあったところに《昇カオスマントラ》が3枚集った。
きくらげ「ループ証明入ります。」あとはループ証明という名のウイニングランである。
無限にメクレイドを行うループ。好きなサイバーを出して戻すループ。
最後には《サイバー・N・ワールド》を山札に固定してメクレイドから出してお互いに5枚ドローした所を《パクリオ》で相手の手札を全てシールドに落としてまた《サイバー・N・ワールド》で引かせる、通称"Nパクリオ"というフィニッシュループを決め、きくらげがこの勝負を制したのであった。
WINNER:きくらげ
しかし、その試合が終わってから全生命をこの大会に!側から聞こえたのは歓びの声ではなく、落胆と謝罪の声だった。
A卓ではヴァームースが《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》と《王導聖霊 アルファディオス》から現れた《聖霊王アルファディオス GS》によってガブきなの【水単サイバー】を完封して勝利、C卓ではあるふがサイバーミラーで先にループ証明を完了して勝利。
実はきくらげがループ証明をする前の時点で超魂賢者Xの勝利が確定していたのだった。
WINNER Team:超魂賢者X
試合を終えた後、少しだけ超魂賢者Xに声をかけた。その際に印象的だったコメントを貰った。
顔面ボルメテウス「両脇が強かったから本当に良かったです」
この言葉だけだと「ただ両隣が強くて自分は何もしてない」と言いたげなコメントだが、チームメイトのあるふ曰く、この日の顔面ボルメテウスは本当に強かったのだ。
予選では個人全勝、チームの本戦上がりへ大きく貢献しており、尚且つチームをここまで勝ち上がらせた救世主とも言える存在だった。
少しだけ私情を挟ませてもらうが、自分と顔面ボルメテウスは自分が関東にいた頃にアドバンスのCS会場でよく話していたぐらいのちょっとした戦友だった。
その頃から感じていた彼の印象は、「強いプレイヤー」ではなく「正しいプレイヤー」だった。
常にデッキ選択やプレイングは堅実そのもので、「次のターンに勝てるようにするプレイ」を徹底していた堅実かつアベレージの高いプレイヤーだった。
その姿勢が身を結んだのか、前回の超CSⅦのチーム戦でベスト8まで勝ち上がり、そして今大会でもベスト8を決めた。
そんな彼の姿勢を陰ながら見守っていきたいと個人的に思ったコメントだった。
そして、フィーチャーテーブルから離れる顔面ボルメテウス選手に最後に一言だけかけた。
「頑張れ!」
顔面ボルメテウス「おう!」
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ガブきな 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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きくらげ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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いかろす. 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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ヴァ―ムース 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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顔面ボルメテウス 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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あるふ 超CSⅧ 大阪 オリジナル構築 |
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