ライター:高橋 穂(北白河)
夢の後(エクスドリーム)の時代に、それでも夢を見るものがいた。
「環境デッキ」に組することを是とせず、自分の信じた自分だけのデッキで大会を勝ち抜く。一部のプレイヤー・ビルダーにとって、永遠の夢と言えるテーマだ。
その夢を見続けるには、徹底した構築の最適化・プレイングの研鑽・メタゲームの考察……嫌というほど大量の現実と向き合い続ける必要がある。
だが、そこから逃げずに歩き続けたものだけが見ることのできる夢もあるのだ。
ここではトップ128まで勝ち残った中で、使用者がそれぞれ一人しかいなかった10種類の夢の結晶たるデッキを紹介していく。
おふとん:火自然アポロヌス
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おふとん
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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最初に紹介するのは、『いきなりつよいデッキ』の題材にもなった力の王道たるデッキ、【火自然アポロヌス】だ。
相手がどんなデッキだろうと、最速で《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》のメテオバーンが決まれば全てをぶち抜いて勝ってしまう。それはもはや現代デュエマの一種の不文律であるとさえ言えるだろう。
構築についても、ほとんど奇をてらわないまさに王道の構築。しかし、強力な多色カードが蔓延る現環境において、《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を強く使っていけるのは大きなファクターだ。
メタゲームが巡り、受け札の質に「【アポロヌス】を止められるか」が問われなくなった今だからこそ、このデッキが輝けたといえるだろう。
オスコベール:火光闇ファイアー・バード
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オスコベール
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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かつて不動の最強デッキとして環境に君臨し、二度にわたるキーパーツの殿堂入りを受けてなお、新たなカードの力を借りて舞い戻る不滅のデッキ。それが、【火光闇ファイアー・バード】だ。
《ハッター・ルピア》《ハンプティ・ルピア》《愛銀河マーズ・シンギュラリティ》といった定番の面々に新たに加わったのは、文明の合うパーフェクト呪文、《宝魂剣と獄門盾の決断》。
《瞬閃と疾駆と双撃の決断》を髣髴とさせる展開性能とバトル除去・追加ブレイクなど、軽量クリーチャーを軸に攻めるこのデッキとは抜群の噛み合いを見せている。
さらに受けに回ってもハイパー化した《ハッター・ルピア》などがいるだけでS・トリガーと化し、新戦力の《世界のY チャクラ・デル・フィン》の運用にも役立つなど、かつての《アリスの突撃インタビュー》めいたカウンター性能を見せてくれることだろう。
イワマサ:火水闇ジャオウガ
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イワマサ
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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1年前2ブロック環境を恐怖に陥れた「鬼」たるデッキが、逆札の時代に再び姿を現す……それが、【火水闇ジャオウガ】だ。
優秀な軽量妨害クリーチャーからハイパーエナジーで《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》に繋いでシールド・手札・バトルゾーンを荒らす……という戦略は、シンプルゆえに止め辛い。
新弾の採用カードゼロどころか、最も新しいカードが一年前の《邪龍 ジャジーブラッド》という時代に逆行する構築……と見せかけて、【ダーバンデ】の猛攻を止めうる受け札たる《終止の時計 ザ・ミュート》や多色環境に刺さる《偽りの希望 鬼丸「終斗」》など、絶妙に環境に刺さるようになっているのは見逃せないところだ。
すりいぷ:水闇自然ジャオウガ
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すりいぷ
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》が帰ってくるなら、当然その元ネタとなる《CRYMAX ジャオウガ》も帰って来ない道理はない。永遠のヒールデッキこと【水闇自然ジャオウガ】も、新カードの力を借りて舞い戻った。
《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》《轟腕のR ダグラジャパニカン》を新たな序盤の戦力に加え、《キユリのASMラジオ》も交えてどっしり構えつつ《CRYMAX ジャオウガ》に繋げる……というのは序の口。
同じく新戦力たる《切札竜 ボルメテウス・リバース・ドラゴン》着地で相手の攻めを1ターン凌ぐ→《CRYMAX ジャオウガ》でシールドを3枚まで焼却→ハイパーモードを解放した《切札竜 ボルメテウス・リバース・ドラゴン》で3枚シールド焼却→《CRYMAX ジャオウガ》でダイレクトアタック……という新たな『必殺技』を身に着けているのだ。
多色環境を強烈にメタる《七王無き宮殿》まで搭載されているなど、何としても環境に一矢報いるという強い思いを感じるチューンとなっている。
ざさ:ユニバース退化
新弾の主役こと《逆転龍神ヘヴィ・ウィン・メタル》の登場に影響され、その元ネタたる《破壊龍神ヘヴィ・デス・メタル GS》までもが(メテオバーンのタネとして)やってきてしまった……そんなデッキが、【ユニバース退化】だ。
進化元のない《禁断英雄 モモキングダムX》の下に《時空工兵タイムチェンジャー》で《究極銀河ユニバース》とフェニックスを仕込み、《怒りの影ブラック・フェザー》などで《禁断英雄 モモキングダムX》をどかすとスター進化で特殊勝利スタンバイ済みの《究極銀河ユニバース》が出てくる……という歴史の長いこのコンボデッキ。
その躍進のきっかけは、《宝魂剣と獄門盾の決断》の登場。要するに3コスト以下のクリーチャーによる3枚コンボを目指すデッキなので、それを3コストで2体同時に繰り出す手段が増えれば速度・安定性の両面で強化されるのだ。
《禁断英雄 モモキングダムX》が立っていれば実質的に2面除去トリガーとしても運用できるなど、完璧に噛み合う相棒を得たこのデッキのこの先にも注目だ。
yuu:光水闇善悪
「光水闇のコントロールデッキ」の主流が【邪眼帝】に移って久しいが、読者諸賢はその前身となる《~世紀末の善悪~》を主軸としたデッキの存在をご存じだろうか。メタと手札破壊によるコントロールをさらに純化させたデッキ、【光水闇善悪】だ。
妨害効果持ちクリーチャーを並べつつ、《冥土人形ヴァミリア・バレル》《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》《~世紀末の善悪~》の3点セットで手札を奪う……というシンプルな構成だが、注目したいのが《蝕眼のV ヴェノム・ランブル》の存在。
Zラッシュさえ発動すれば相手の動きをほぼ1ターン送らせることができるこのカードと≪サイレント・ジェラシー≫を組み合わせることで、得意とする長期戦までゲームレンジを引き延ばすことができるのだ。
さらにこうして4マナ域を厚く取ることで《アーテル・ゴルギーニ》の出力も向上するなど、ヘビーコントロール好きにはたまらない一品と言えるだろう。
ターナー:4c善悪
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ターナー
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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コントロール手段としての《~世紀末の善悪~》のカードパワーは、さらに異形のデッキを生み出すに至った。大胆に自然文明を取り入れるとともにZラッシュをフル活用して出力をさらに高めた形となる、【4c善悪】といえるデッキだ。
こちらはZラッシュ持ちの3コスト域を厚く取ったうえで《轟腕のR ダグラジャパニカン》で相手のクリーチャーを踏みつぶしながら展開を行い、盤面優位を手放さない……という強い意志が見て取れる。
しかも相手の《轟腕のR ダグラジャパニカン》に対しては、高パワーの《リツイーギョ #桜 #満開》《ベイB セガーレ》や、攻撃自体を封じる《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》で絶対に機能させない……と、親の仇のように対策が施されている。
そして相手が何とか復帰しようと後続を展開すれば、《Disカルセ・ドニー》が《アーテル・ゴルギーニ》や《~世紀末の善悪~》を引き連れて登場しつつマッハファイター&スレイヤーで相打ちを取ってくるという寸法だ。
奇妙な見た目とは裏腹に、「軽量高出力のZラッシュをコントロールに活かす」という理想を高いレベルで実現したデッキと言えるだろう。
みれちゃそ:火光自然「終斗」
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みれちゃそ
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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3マナ域Zラッシュをフル活用するデッキはまだまだ続く。盤面優位を取りやすい《世界のY チャクラ・デル・フィン》《轟腕のR ダグラジャパニカン》に加え、さらなる除去付き3コスト域として《偽りの希望 鬼丸「終斗」》を搭載したのがみれちゃその【火光自然「終斗」】だ。
2ターン目の妨害効果持ちからこれらに繋ぐことで、相手の盤面を機能不全にしつつこちらはやりたい放題できる……というのは見た目通り。特に先攻を取られてZラッシュされた場合でも逆に落としに行ける《偽りの希望 鬼丸「終斗」》は強力無比だ。
こうして優位を取ったら、驚異的な打点を誇る《轟く邪道 レッドゾーン》や《逆転の火焔ボルシャック・メビウス》が速やかにゲームを終わらせてくれることだろう。
3コスト以下にメインムーブを集中させることで《ピザスターのアンティハムト》がほぼ万能踏み倒しとなったり、《無頼BEN-K1000》が《世界のY チャクラ・デル・フィン》のタップ効果を再度誘発させて盤面を取りに行けたりと、【メタビート】概念を成立させるために細かなシナジーが光る構成の一品だ。
おタクto:光自然ロマネスク
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おタクto
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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相手に合わせてテクニカルに動きたい。大量のリソースから一気に相手を踏み潰したい。そんな相反する要求をハイレベルに実現してくれる夢のようなデッキが、【光自然ロマネスク】だ。
G城で高速展開した《ウィリデ・ゴル・ゲルス》によるカウンター踏み倒しギミックと、妨害クリーチャーを並べてから《森仙のJ ロマネスク》でリソースを荒稼ぎするギミックの複合系たるこのデッキ。
《ウィリデ・ゴル・ゲルス》が並べる手数が《森仙のJ ロマネスク》のシンパシーを進め、《森仙のJ ロマネスク》のマナブーストと回収が《ウィリデ・ゴル・ゲルス》で踏み倒す少数投入カードをゲームに絡めてくれる……という噛み合いは見事と言わざるを得ない。ここで《終末の時計 ザ・クロック》でも回収した日には、相手はもはや3コスト以上のカードを使う気も失せることだろう。
おまけにシールド増加手段が豊富なことから《楯教の求道者 ザゼ・ゼーン》がドローソースに留まらない活躍を見せてくれたり、《森仙のJ ロマネスク》がシールド・セイバーでG城を守ってくれたりと細かなシナジーも豊富で、見たものに「使ってみたい」と思わせる仕上がりとなっている。
Grimoire:カウンターバイケン
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Grimoire
DMGP2026-1st
オリジナル構築
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ラストを飾るのは、大きな話題を呼んだ優勝デッキ【カウンターバイケン】だ。
《カクラリコ》《裏斬隠 テンサイ・ハート》といった「相手ターンに手札を捨てられるカード」で《斬隠蒼頭龍バイケン》《斬隠将撃龍ニバイケン》を捨ててバトルゾーンに送り込み、そこからの革命チェンジで攻めていく……というのが骨子だが、Grimoireの研究によって散らし取りされた多彩なカードが驚くほどのシナジーを生んでいる。
特に新カードの《我竜塔第八層 バルザーク》は邪魔されにくいドローソースでありながら、ブレイクなどでシールドを離れると手札入れ替えが誘発するなど非常に強力。動きを知らないプレイヤーならもちろんのこと、知っていたとしても対処に手を焼くことだろう。
その詳しい動きについては、ここで説明するよりも動画配信やテキストカバレージで実際に動いているところをご覧いただきたい。デッキレシピを一瞥しただけではわからない、無数のシナジーに驚かされること請け合いだ。
その特異な構成による「わからん殺し」や、攻撃によって勝負をつけるタイプのデッキが多かったというメタゲームも相まって最高の結果を残したこのデッキは、デュエマというゲームの自由さと面白さを改めて教えてくれる一品と言えるだろう。
最後に、多くのプレイヤーがこのデッキについて最も気になっているであろうポイントについて、使用者のGrimoireに直接訪ねて回答をもらってきたので、参考にしていただきたい。
Q.このデッキ、【ゴルギーオージャー】とはどう戦うんですか?
A.「捨て!」(力強い声で)
25周年を迎えるデュエル・マスターズというゲームが、まだまだ我々に夢を見せてくれることが分かった今回のGP。
この記事を、独自の選択を貫き通して激戦を勝ち抜き、夢を見せてくれたプレイヤーと構築者への賛辞に代えたい。