DMGP2026-1st Day1:事前メタゲーム総括記事 アドバンス編
ライター: 横山 球志(◆ドラ焼き)
2026年2月に発売された、「エピソード4 パンドラ・ウォーズ」により、アドバンスのゲーム体験は大きく変化した。最も大きな変化と言えるのが、強力なサイキック・クリーチャーの登場だ。たとえば、今までの環境でも度々使われることのあった《超次元サプライズ・ホール》について見てみよう。

パンドラ・ウォーズ以前は、《イオの伝道師ガガ・パックン》、《時空の英雄アンタッチャブル》、《愛しい場所、マイカ・月ノ・ハルナ》、《その先の未来へ、カミヤ・ミキ・ユア・ナルハ》……などから1枚を選択して出していた。
できることは、アタッカーの供給、相手の呪文のコスト+1、ブロッカー、マッハファイターなど。率直に言って「可愛い」性能だったと言える。



しかし、パンドラ・ウォーズが発売された今できることは、《芸魔温泉!オンセン・ガロウズ》や《時空の停滞シュタイヴァル》による除去、《時空のコスモ アンタッチャブル》や《時空のネビュラ マティーニ》による相手の妨害、《モーニング・ABYFLHA・カイザー》やGQサイクルによるリソース確保。もはや、「3コストでやれないことはない」と言っても過言ではないだろう。



そしてもう1つ、パンドラ・ウォーズから生まれた新ギミック、それが「デュエリスト」だ。こちらは、1枚プレイするだけで毎ターンアドバンテージを取り続け、最終的にはフィニッシャーにもなるという優れもの。端的に言えば、すべてのデッキが《卍 新世壊 卍》のような、最速で貼れば大きなリターンを得るカードを手に入れたようなものだ。



この記事では、さまざまな選択肢が存在するアドバンス環境のデッキタイプについて、それぞれが取った“超次元ゾーンの戦略”にフォーカスしつつ解説していく。また、デッキレシピについては、先日行われた全国大会2026のものを引用しつつ、最新弾の「逆転神VS切札竜」の影響も加味した今後の展開についても触れていこうと思う。
オリジナルからの刺客たち


アドバンスならではのデッキが苦手とするのは、《とこしえの超人》、《ポッピ・冠・ラッキー》といった「外部ゾーンメタカード」だ。それらが刺さらないオリジナルレギュレーションからの刺客たちは、相手のメタカードを腐らせるというアドバンテージがある。
もちろん、アドバンスのデッキとも渡り合えるだけの強靭さが求められるため、デッキ強度の底上げのためにアドバンス要素をひとつまみ加えることも多い。その代表的なデッキの一つが【光水自然ゴルギーオージャー】だ。
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のすけ 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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《流星の逆転撃》によるビートダウンデッキへの対策、中盤以降に強い《グレートマザー・リンク・ホール》の採用、といったアドバンスならではの工夫は見られるものの、大枠はオリジナル環境でトップを走る【光水自然ゴルギーオージャー】と変わらない。
相手のシールドを割らずに勝利するデッキでありながら、相手への妨害、相手の妨害への回答、受けの要素、すべてを兼ね備えたまさに万能デッキ。今大会でもメタゲームの一角になることは間違いない。
そしてもう1つ、最近注目されているのが【光水闇邪眼帝】だ。
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TJM 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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メタカード、ハンデス、受け性能、《~邪眼帝~》による確実なフィニッシュを備えたオリジナルでも活躍しているデッキだ。しかし、アドバンスに存在する2コストテレポート呪文のおかげで、最速3ターン目の《ウルの天宝》が可能となっている。
《~世紀末の善悪~》で相手のカードを奪った場合に備えて、GRゾーンや超次元ゾーンの最適化を求められるのもアドバンスらしい面白い部分だと言えるだろう。
全国大会後に台頭した別デッキとして【光水闇覚醒へ】も存在する。こちらもアドバンス対策のメタカードが刺さりづらい、オリジナル環境からの刺客として注目が集まるデッキの一つ。

また、最新弾で《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》が登場しているのも、これらのデッキにとっては追い風となる。デッキに採用することで、対アドバンスデッキへのメタカードとして機能するのはもちろん、相手がこういったカードを採用していたとしてもこちらへの被害は最小限だ。

2日目のオリジナルと、ほぼ同じデッキが2冠を獲得する、という可能性も存在するだろう。
《刀志猫のプワソン》主軸のコントロールデッキ
サイキックを呼び出す最強のカードは何か。筆者の答えは《刀志猫のプワソン》だ。
出るだけでサイキックを呼び出し、生き残れば次のターンもサイキックを呼び出す。かつ、相手に《とこしえの超人》系のメタカードを出されたとしても、自分の手札からの踏み倒しは可能、という対応力が頭一つ抜けているカードだ。
【火光自然ドリームメイト】、【光水自然コントロール】、【闇抜き4cコントロール】と、さまざまな使い方で活躍しているが、今回は敢えて【光水自然コントロール】を紹介しよう。
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紅蓮 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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上記が、全国大会2025時点でのデッキレシピだが、ここに最新弾で新しい戦力が加入した。それが、《森仙のJ ロマネスク》と、《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》だ。


《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》については、アドバンスでさまざまなデッキが使ってくる旧式超次元呪文(《超次元サプライズ・ホール》など)に対する強力なメタカードとして機能する。
《ヨビニオン・ハルカス》のヨビニオンの関係で、コスト4以下のメタカードを採用できない、という弱点が一つ潰れ、より一層強力なデッキとなった。
《刀志猫のプワソン》による押し付け、《流星のガイアッシュ・カイザー》&《飛翔龍 5000VT》による相手への行動制限、《我竜塔第七層 ハッスル・キャッスル》による直接的な妨害、これらのマリアージュ(※1)に今大会は注目したい。
3コスト超次元ホールを自在に操るビート&ミッドレンジデッキ
冒頭でも触れた《超次元サプライズ・ホール》。それと同じ時期に登場したのが《超次元パワード・ホール》と《超次元キル・ホール》だ。

この《超次元パワード・ホール》と《超次元キル・ホール》を存分に使いこなし、最速で相手を倒すビートダウンプラン、じんわりとアドバンテージ差を広げてから相手を刺すミッドレンジプラン、この2つのゲームプランを両立しているデッキを2つ紹介しよう。
まず1つ目が【火水マジック】。

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けんけんラーメン 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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《超次元キル・ホール》をツインパクト込みで合計6枚採用した構築となっている。最速の《芸魔龍虎 ディメイジン》着地による3ターンキルを可能にしつつ、《超次元キル・ホール》を複数回プレイしてゲームを作ることも可能なデッキだ。
従来の弱点であった、2ターン目に出した革命チェンジ元クリーチャーを除去されることや、メタカードによる妨害などをものともせず、相手に対応しながら戦う万能デッキだ。
2つ目のデッキが、【光水自然Bande】だ。

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kaisora 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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《俳句爵 Drache der’Bande》によるワンショットキルが可能なデッキとしてオリジナルでも活躍するこのデッキだが、オリジナルで3〜6枚採用されている「アンタップ用の呪文」がアドバンスでは1枚も採用されていない。
代わりに採用されたのが、《超次元キル・ホール》と《超次元パワード・ホール》であり、上記リストの場合は6枚採用されている。これにより、ラストストーム覚醒のテクニック(※2)が可能となり、選ばれない、ブロックされない、ワールド・ブレイカーで2回攻撃して一気に勝利するアドバンスを代表する速攻デッキとなった。
また、《とこしえの超人》などの強力なメタカードを採用できるのもこのデッキタイプの強みの一つ。最新弾で登場した、《世界のY チャクラ・デル・フィン》、《轟腕のR ダグラジャパニカン》、《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》といった光、水、自然の強力なカードたちの活躍にも注目したい。


不変の強さ、ドラグナー
アドバンス界最強として歴史の長い【ドラグナー】も忘れてはならない。歴史自体はサイキックの方が長いが、発売されて以後、環境の最前線で戦い続けた歴史ならば負けてない。そして、現在のアドバンス環境においてのデッキパワーでも負けてないのだ。
サイキックがドラグハートに追いついただけ。しかも、最新弾の《改竄の炎 ボルメテウス・ハック》はサイキックには刺さるが、ドラグハートには刺さらない。前回アドバンスGPからのニ連覇にも期待していきたい。

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リノグレ 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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アドバンスこそがフルパワー!【火闇バイク】
今大会のメインディッシュ、【火闇バイク】について紹介しよう。|
さんやみ 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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《トルネード・テレポートホール》による序盤での強度の高さ。《斬速 ザ・マンマ / レッド・テレポートホール》、《轟く跳躍 テレポートゾーン》、《超次元キル・ホール》(上記レシピでは不採用)などによる中盤での破壊力が特徴のデッキだ。
以前までの【バイク】と言えば、3ターン目に良くてジャスキル(※3)で攻めるデッキだった。しかし、今ではジャスキルは当たり前で、《勝首領龍 カツドン》のファイナル・ドロンを使ってジャスキル+1以上での攻撃も可能になった。
【火闇バイク】と戦う際には、そもそも攻撃を耐えるのが難しい上に、S・トリガーの多さ、禁断解放による二の矢への対処も必須となる。これらの要素から、現在のアドバンス環境を定義するデッキにまで登り詰めた。
一方で、デッキの認知が進み、対策を講じられつつある。強くなったとは言え、《禁断 ~封印されしX~》や、侵略というギミックに明確な弱点も存在するのは変わらない。全国大会2025の予選では所謂「勝ちデッキ」となったこのデッキが、今大会で走りきれるのかに注目したい。
《零龍》のこれから
この記事も終わりに近づいてきたのでここで一息。サイキックの隆盛によりあおり受けた《零龍》について少しだけ話をさせて欲しい。
《零龍》が存在感を見せていた直近の環境といえば【闇単ゼナーク】だろう。最速2ターン目の《死神覇王 ブラックXENARCH》の着地と、零龍卍誕を構えられるデッキであり、速攻のような戦い方とコントロールのような戦い方もできる最強のデッキの一つであった。

しかし、DMGPでも全国大会2024でも栄冠に輝くことはなく、《死神覇王 ブラックXENARCH》の殿堂入りにより、環境から消滅した。
以後、大型大会のフィーチャーマッチなどで「墓地の儀カウンター」、「破壊の儀残しブロッカー3面」、「復活の儀残し墓地に《ベル=ゲルエール》」、「手札の儀残し禁断解放ケア」を見たことはない。
だが、全国大会2025では、どうやら《零龍》の使用者がぽつぽつといたようだ。
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dotto 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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まず、【火自然零龍】。一見すると、早期に自分の手札をすべて消費し、《手札の儀》によるGR召喚を目的として《零龍》が採用されているようにも見える。しかし、≪大感動!ディス・イズ・大横綱≫により《復活の儀》の達成を可能にしているのが特徴だ。

《破壊の儀》を能動的に達成する手段はないものの、ゲームプランの中に《零龍》のかけ引きを組み込んだまさに「零龍デッキ」といえるものだ。
続いて、【闇自然ブラックオーバー】。
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おんそく 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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《死神覇王 ブラックXENARCH》なき《零龍》が手を組んだのは、おなじみの相棒《ジョルジュ・バタイユ》と、新顔の《D2R2 邪眼のブラックオーバー》、そして《覇王の特権大使、キサラギ》だ。



《覇王の特権大使、キサラギ》によって、墓地を増やすスピードと、クリーチャーの展開速度を上げ、《D2R2 邪眼のブラックオーバー》を着地させ更にクリーチャーを展開する。そしてクリーチャー4体をコストに《ジョルジュ・バタイユ》を出して、ループへと導入していくのが大まかなデッキの動き方だ。
そして、そういったコンボが上手く成立しないときには《「ウチの左眼は困惑の左眼なのゼナ(>▽Ф)」》によるピーピングハンデス、《とこしえの超人》などのメタカードによる妨害、《零龍》を絡めた地上戦で勝負をしていく。


全く新しいデッキながらも、【自然単オービーメイカー】、【オカルトアンダケイン】、【水闇卍夜】など、郷愁を誘われる味のするこのデッキを、個人的な注目デッキとして取り上げさせてもらった。
《ラッキー・ダーツ》とどう向き合う?
最後を締めくくるのは今大会の参加者が向き合うことになる【超次元ダーツ】だ。
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てるふぇす 全国大会2025 日本一決定戦使用 DMGP2026-1st アドバンス構築 |
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最速2ターンキルという他を圧倒する速度を備えつつ、各種S・トリガーによる受け性能、《真気楼と誠偽感の決断》のカウンターも備えた最強クラスのデッキの一つだ。最大の弱点は相手のメタカードによって極端にデッキの動きが阻害されること、そして運を味方につけなければデッキが回ってくれない時があるということだ。
ただ、厄介なメタカードに対しても《ラッキー・ダーツ》から当たりの呪文を引けば一発突破も可能となっており、完璧な対策は存在しないと言っても過言ではない。
パンドラ・ウォーズ発売直後はCSでの入賞率も高かったこのデッキだが、現在はそこまでの存在感はない。全国大会でも使用者は3名であり、母数自体は控えめだったと言えるだろう。
だからこそ、使うなら今だ。とも考えられる。
この記事内で紹介したデッキの中に《とこしえの超人》1枚で詰むデッキは【超次元ダーツ】以外に存在しない。メタを踏み越えていくだけのパワーを持ったデッキが今のアドバンス環境で生き残っているとも言える。
その間隙を縫ってダーツを投げる勇気ある参加者が何人いるのか、そして彼ら彼女らが当日すべてを味方につけることができるのかに注目していきたい。
おわりに
以上が「アドバンス 2026年春のフルコース」の紹介……ではなく、「DMGP2026-1st アドバンス事前予想」の解説だった。パンドラ・ウォーズによって大きな転換点を迎えたアドバンスレギュレーションの答え合わせが4月18日(土)に行われる。
参加される皆さんが当日最大限のパフォーマンスを発揮できることを願っている。
マリアージュ(Mariage)はフランス語で「結婚」を意味し、料理とワインが互いに引き立て合い、調和する様子を指す言葉。
使用例:《飛翔龍 5000VT》と《真気楼と誠偽感の決断》のマリアージュを存分に体験した
《俳句爵 Drache der’Bande》と他のクリーチャーが2体いることが前提条件。《俳句爵 Drache der’Bande》の攻撃時に《超次元パワード・ホール》か《超次元キル・ホール》で《勝首領龍 カツドン》を出す。
その後、《俳句爵 Drache der’Bande》の上に《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を3枚P侵略させることで、《勝首領龍 カツドン》の覚醒が3回待機した状態になる。
《勝首領龍 カツドン》の覚醒を2回解決して、≪最終勝首領 カツマスター≫にし、ここで≪最終勝首領 カツマスター≫と《轟く覚醒 レッドゾーン・バスター》を進化元として《超時空ストームG・XX》を出す。
最後に、3回目の覚醒を解決して≪超覚醒ラスト・ストームXX≫に覚醒させ、ファイナル・ドロンを解決して≪超覚醒ラスト・ストームXX≫をアンタップさせる。
トドメを刺すのにピッタリの打点で攻撃すること。
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