ライター:伊藤 敦(まつがん)
チーム戦だからといって、奇襲の価値は変わらない。
むしろチーム戦では相談ができることによって、難解なシチュエーションでは1対1の場合よりも最適なプレイが選択されやすいと思われる。ならば「相談によっても最適なプレイが導き出せない」ことには一定の価値があるはずである。
そして
ローグデッキとは、「相談によっても最適なプレイが導き出せない」を最も実現しやすい手段なのだ。
ここではトップ64チーム192名まで勝ち残りつつも、その中で使用者がそれぞれ1人あるいは2人以上いたとしても同じチーム内にしかいなかった、そんな勇敢なる
14種のローグデッキについて紹介しよう(ちなみにブレイクダウンと分類が異なるものもあるが筆者の主観的な分類に基づくものとご理解いただきたい)。
UMEBA:逆アポロ
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UMEBA
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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現代の籠城系デッキ、俗に「逆アポロ」の存在は、2週間ほど前からSNSで話題になっていた。当初はアドバンス・フォーマットにおける意外な強さを語る文脈だったが、1週間前にはオリジナル・フォーマットのCSでも優勝するなど、そのポテンシャルに関する風評は都市伝説のような広がりを見せていた。
だがそれでも、新弾の発売から一週間しか調整期間がないところに調整中の1ゲーム1ゲームにいちいち時間を食う点、既に幅広く認知されてしまった(と思われていた)点、制限時間との戦いがネックになる部分がチームに迷惑をかけかねない点など、様々な問題を抱えたこのデッキに関して、実際に調整の俎上にあがったチームは決して多くはなかったのだろう。
だが、だからこそUMEBAはその逆を張った。しかもそれだけではない。知られたテンプレートを前提として対応する動き(メタ)に対する裏目(メタのメタ)を構築上あらかじめ用意した。すなわち、「リストは知ってるけど回したことはない」という人が大半であろう半端な知名度を逆に利用したのだ。UMEBAほどの構築力とプレイスキルがあってはじめてなしうる、玄人の選択と言えるだろう。
紅鮭師匠&KOKONATS:ハチ公ワンショット
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紅鮭師匠
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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KOKONATS
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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チーム「いぬのきもち」は2面「ハチ公」という異色の構成をとったチームだ。「ハチ公」でここまで勝てるのももちろんすごいことなのだが、何より驚かされたのはチーム戦という部分を生かしたメタ戦略だ。
この2人のデッキリストは、よく見ると受けやメタ処理といった細部に違いがあるのである。それは特に対面していて見誤ると死を招きかねない部分だ。見知らぬローグデッキが2面座っていたとして、「そのアーキタイプが環境デッキに対面する際の最も勝率の高い構築をとるはずだ」と想像するのではないだろうか?実際、準優勝の「朝は太極拳」の3面「5C蒼龍」は同一の40枚を使用している。
だが、自分が対面したアーキタイプは報告しても、メタケアやトリガーケアまでは各自の領分というチームが大半だろう。ゆえに「こっちに《閃光の守護者ホーリー》入ってたわ」と報告したら《閃光の守護者ホーリー》はケアするだろうし、「《飛翔龍 5000VT》出されたわ」と言われたら《飛翔龍 5000VT》を警戒する。しかし実際には、それらは半分くらいは裏目に作用するのである。「ガチンコ・ジャッジ」という特性上公開情報が増えがちな「ハチ公」だからこそのユニークな戦略だ。
つかれたー&t_o_m_o:光単メタビート
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つかれたー & t_o_m_o
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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チーム「ノートリ宣言」は発売から1週間しか経っていない王道篇第1弾「デーモン・オブ・ハイパームーン」の中から、誰もがあまり注目していなかったスーパーレアを使った新デッキをこちらは40枚同一で2面持ち込み、見事に決勝ラウンド進出を果たした。そのカードとは、《ウィリデ・ゴル・ゲルス》だ。
光の殴れる1マナ域を《凶戦士ブレイズ・クロー》的に1ターン目に出すと、3ターン目には《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を2マナで着地させられる。殴られているから相手は行動せざるをえないが、そうするとドロー+展開を供給するという痛しかゆしである。同様に1マナ→2マナと展開すれば3マナで出せる《翼速 ザ・ウイング》との8枚体制が、安定感のある純光単のメタビートを構築可能にした。
どうせノートリなので《星姫械 エルナドンナ》は迷いなくシールドを取れるし、かといって本当にジャスキル全ツッパすると「G・ストライク」が8枚入っているという、嘘は言っていないチーム名と合わせてとても秀逸な、今大会のベストデッキの一つだろう。
もるる:ターボ・ギャイア
力こそパワーだ。《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》からの《地封龍 ギャイア》はまさにその象徴だ……ただ注意深くデッキリストを見ていると、このデッキが単なるプロテインの塊ではないことに気づくだろう。
《アビスベル=覇=ロード》の弱点を考えたとき、「《アビスベル=覇=ロード》よりパワーが高いクリーチャーしか立てない」という対策方法があるが、《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》の登場でそれも難しくなってしまった。だが《地封龍 ギャイア》ならばそれも封殺できる。
もちろん、毎回そううまくいくわけもない。《謀遠 テレスコ=テレス》や《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》による妨害が当然予想される……だが、それの何が問題なのだろうか?手札破壊に対する対抗手段は、常に山札の上にある。すなわち、手札がなくなったとて、山札の上が常に最強ならば最強なのだ。10マナさえ作ってしまえば、デッキ内のどの部分を引いても筋肉がすべてを解決する。このデッキの場合、「脳筋」とは筋肉に頭が侵されていて知性が欠けているという意味ではなく、頭の良い筋肉の使い方を考えられることなのだ。
エルト:ジャイアント
現在の環境トップといえばアビスとマジックだが、アビス・レボリューションの「種族(オレ)ら」5種族は、出力のピーキーさという問題があってそれほど目立っていないにせよ、本来互いに十分に対抗しうるポテンシャルを秘めているのだ。
なかでもジャイアントは《アビスベル=覇=ロード》のマッハファイター付与や攻撃誘導に対して構造的に強く出られるため、対アビスに特化した部分がある。クソデカ《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》こと《銀河竜 ゴルファンタジスタ》は特に強力で、確定除去持ちの《超霊淵 ヤバーダン=ロウ》が登場したことは向かい風だが、このデッキでは「ウルトラ・セイバー」持ちの《アシステスト・シネラリア》で解決を図っている。きちんとジャイアントに向き合っている証拠と言えるだろう。
他方で、「革命チェンジ」こそあれどジャイアントはかなり対戦相手の行動やトリガーにしっかりと付き合う、要は「きちんとデュエマする」ことが求められるデッキでもある。このデッキで予選を抜けられたというだけでも、プレイヤーの地力の高さが窺えるだろう。
Maiken:ケンジ・キングダム
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Maiken
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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逆に「きちんとデュエマしない」デッキの代表格が「ケンジ・キングダム」だ。デッキリスト自体はテンプレートが大半のため語れる部分が少ないが、「水闇自然ジャオウガ」が殿堂の影響で後退し、アビスとマジックが台頭したことで、「早期の《CRYMAX ジャオウガ》着地ケア」は薄くなっているタイミングであることは追い風かもしれない。
加えて、《超神星アポロヌス・ドラゲリオン》の殿堂によるアーキタイプ消滅もある。シンプルな3ターン目大型踏み倒しは意外と警戒されていない。「3ターンケンジに轢かれたわ」は誰にとっても言い訳にならない。その意味でメタゲームの間隙を突くデッキ選択と言える。
だが、何より重要なのは体験の圧倒的な楽しさだろう。チーム戦の醍醐味はエンジョイ&エキサイティングにあり、3ターン目《CRYMAX ジャオウガ》でデュエマを破壊した喜びも3倍である。他方で、長丁場の大会ではメンタルの維持も重要な課題だ。ゆえに、強さと楽しさを両立できるデッキを選択することは精神の健康のためにも意外と優先度が高いのかもしれない。
甲殻目 Ise-Ebi:水自然MAX-G
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甲殻目 Ise-Ebi
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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強さと楽しさを両立するために必要なのは早期にデカブツを着地させることだ。その点、《MAX-Gジョラゴン》は着地時に一時的にデカブツになれるところ、《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》の能力を得ることで好きなクソデカブツを出すことができる。あとは脳に良いクソデカブツでイージーウィンというわけだ。
「2→4→6→10」という基盤自体は大分前から既にできあがっているデッキだが、新弾での強化といえば《哀樹の夜 シンベロム》が挙げられる。《哀樹の夜 シンベロム》自体が《頂上混成 ガリュディアス・モモミーズ’22》を直接踏み倒せるので、《MAX-Gジョラゴン》を引けていなくても《流星のガイアッシュ・カイザー》からの《哀樹の夜 シンベロム》がそれ自体フィニッシャーとなるようになったからだ。
「デーモン・オブ・ハイパームーン」はまだ王道篇の1弾でそれだけで環境デッキを組むにはさすがに至らないが、出張性能の高いカードは地味に多い。だが、「新弾のAのカードってこのBデッキの強化になるかも?」と気づくためには、そもそもそのBデッキを使い込んでいる必要がある。日頃から様々なデッキに触りアンテナを高めておくことが、自らの可能性を広げることにつながるのだ。
ヌメアール:龍軸MAX-G
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ヌメアール
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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《MAX-Gジョラゴン》には《メンデルスゾーン》《ボルシャック・栄光・ルピア》の龍軸基盤の型も存在する。火文明が加わると多色事故が起きやすくなるかわりに、盤面の対処能力が上がるところがウリの一つだ。
一際目を引くのはたっぷり3枚も投入された《真久間メガ》の存在だろう。アドバンスの記事でも述べたとおり、二週間前に発売したキャラプレミアムデッキ「ドラゴン娘になりたくないっ!」イェーイめっちゃドラゴン!!に収録されているドラゴン娘たちのカードが大型大会で使用されるのは今回で初めてである。ゆえに見覚えのある基盤から突然飛んでくる見覚えのないカードというのは奇襲性抜群というわけだ。
しかもこのデッキの場合、《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》から出てくるというのが裏技感を強めている。ローグであるというためには必ずしも見たことのないデッキを丸ごと持ってくる必要はなく、既存のデッキにワンポイントで見たことのないテクニックを搭載するだけでも、計り知れないほどの成果が生まれるものなのだ。
なっつん:5Cディスペクター
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なっつん
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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「ブレスラチェイン」と「5C蒼龍」の合の子のようなこちらのデッキは、一部の過激派から怒られそうなくらい「2」や「3」が並ぶデッキリストとなっている。カウンターの要となる《ブレイン・スラッシュ》だけは「4」で、初動となる《天災 デドダム》すら3枚採用というのは一見合理性を欠いているようにも見える。だが、自分がやらないからといってそれが合理性に基づかないものと決めつけるのは視野狭窄である。
まず見てとれるのは、これが「《芸魔隠狐 カラクリバーシ》1点」のリスクを極限まで高めた構築であるということ。相手にケアされないよう散らしているので「何を踏ませるか」はもとより定まらないが、逆に「ケアできない何かを踏ませる」ことに関しては徹底している。そして「覚悟していたトリガーを踏む」ことよりも「予期していないトリガーを踏む」方が、攻撃側が受けるダメージは往々にして大きいものだ。
また、アドバンス・フォーマット用の50~60枚構築をオリジナル用に圧縮したとも考えられる。相手の手筋を読み、一つの筋を封殺して自分にとって少しでも有利なもう一つの筋に誘導するのがデュエマの基本の一つだが、そもそも筋がないか、あるいは筋が多すぎて絞りきれない状態にすることで相手の目論見を大きく外すというのがこの構築の狙いであり、そしてそれは見事に功を奏したというわけだ。
チュートン:4Cヴァリヴァリウス
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チュートン
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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上のなっつんと同じチーム「プラスワンゲリラ部署」のチュートンのデッキも個性に溢れている。《天命龍装 ホーリーエンド / ナウ・オア・ネバー》の殿堂によってダメージを受けた「5Cネバー」のリペア的な構造だが、《ドラゴンズ・サイン》の裏側の起点として《雷龍 ヴァリヴァリウス》を採用することで攻防のプランに広がりが生まれており、状況解決力が向上している。
《ブレイン・スラッシュ》の能力をフルで使用するための相方が《天災 デドダム》であることに異論はないとしても、《ドラゴンズ・サイン》との両立はやはり歪みが大きいし、そのために生まれた自然単色の要求を妥協的に解決するとデッキパワーを損なってしまう。ならば《天災 デドダム》から脱却し、自然抜きの新天地へ飛び出そうというのは、一見無謀に見えるかもしれないが意外と理に適っているのかもしれない。
どの分野でも、ファーストペンギンの行動をその時点で理解できる者はいない。行動の正しさが証明されるのは後の時代においてだ。この基盤の強さに人々が追随し、やがて当たり前となれば、その時点で孤独な「ローグ」ではなくなる。今回の入賞は、そんな歴史の1ページ目となるかもしれないのだ。
まぐれまぐれ:水闇ヴォゲンム
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まぐれまぐれ
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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全国大会2023 日本一決定戦での「水魔導具」の優勝は記憶に新しいが、何度殿堂されても不死鳥のように蘇る……それが「魔導具」というデッキタイプだ。
もちろん《堕∞魔 ヴォゲンム》型のコントロールにおける《「無月」の頂 $スザーク$》と《神の試練》の穴はそう簡単には埋まらないが、DMGP8th Day2優勝のデデンネの手によって広く普及した《堕魔 ジグス★ガルビ》+《卍 デ・スザーク 卍》のパッケージや、《卍月 ガ・リュザーク 卍 / 「すべて見えているぞ!」》、そして実は《堕∞魔 ヴォゲンム》と相性の良い《絶望と反魂と滅殺の決断》の採用によって、全盛期の6~7割程度の出力はどうにか確保したと言っていいだろう。
それにもともとコントロールの出力というものは、相手がこちらのデッキをどれだけ理解しているかで全く変わってくる。人々の記憶から魔導具というものが忘れ去られた瞬間こそが、いつでも魔導具を使うべきタイミングなのだ。
Kurusu:水闇自然オービーメイカー
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Kurusu
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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「あれ、先週までTier 1だったのに」というデッキには、何かしらTier上位から弾き出された原因がある。最も多いのは「流行のデッキに相性が悪いから」だ。他方で、「そういえばあのデッキ最近全く見ないな」というところまでいくと、特に原因がない場合も多い。「上位入賞の実績がない」ことが翌週の使用率低下を招く負のスパイラルとなるからだ。
しかし流行は移り変わるものであり、見かけないデッキがいつまでも通用しないとは限らない。特に問題を解決する新たなテクニックを採用できた場合はそれが顕著だ。《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》の採用は、「水闇自然オービーメイカー」が持つ環境に対する課題を解決し、再び環境に舞い戻らせるには十分だったらしい。
ただどちらかといえば、闇自然アビスの増加によって《飛翔龍 5000VT》というカードが《深淵の壊炉 マーダン=ロウ》に対してどうしても抱えてしまうリスクが大きくなりすぎたというのがあるかもしれない。こうした「潮目」は毎週すごいスピードで変わる上に感覚的な部分が大きいため、的確に捉えるのはかなり難しい。その点において、Kurusuのデッキ選択はまさしく絶妙だったと言えるだろう。
あぷりこっと:マトリクスループ
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あぷりこっと
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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速度や強度のあるループは概ね規制され尽くした。加えて3ターン目のビッグアクションがあるアビスとマジックの台頭により、ループではなく《Disアイ・チョイス》+《ブレイン・スラッシュ》など「ビッグアクションのチェイン」が注目を浴びることとなった……だが、ループはまだ死んでいなかった。
「邪神と水晶の華」で登場した《終斗の閃き マトリクス》は、《アーテル・ゴルギーニ》《叡智の聖騎士 スクアーロ/エナジー・ライト》《緊急再誕》と組み合わせることでループができる。《緊急再誕》で《アーテル・ゴルギーニ》を出したい都合上マナゾーンに5枚のカードが必要というのがネックだが、あぷりこっとの構築では通常6~8枚積まれがちな3コストチャージャーを5枚にまで減らしている点が特徴的だ。
しかしそれは殿堂カードである《絶望神サガ》もしくは《蝕王の晩餐》を引くとデッキの動きがいきなりバグるというこのデッキの性質をあぷりこっとがきちんと認識しているからこそだろう。つまり3ターン目に素でチャージャーを唱えるスタートは言ってしまえばこのデッキの下ブレパターンなのである。テンプレートに疑問を持ち、1枚でも多くのスロットを空けられるよう心血を注いだ者にしか拓けない境地に至ったデッキリストだ。
おんそく:龍軸おんそく娘
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おんそく
DMGP2024-1st
オリジナル構築
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最後は「デュエチューブリーグ」にも参加中のDMGP8th Day1優勝、全国大会2019 日本一決定戦3位、DMGP2023-1st Day1トップ8といった華々しい戦績を持つご存知おんそくによる恒例のビックリ箱デッキだ。
ヌメアールの「龍軸MAX-G」と同様の《爆龍覇 グレンリベット / 「爆流秘術、暴龍の大地!」》+《真久間メガ》のギミックが採用されていることはもちろん、《地封院ギャイ》と合わせてありとあらゆるゾーンからありとあらゆる手段でありとあらゆるドラゴンが飛び出してくる構造となっており、全貌を知らなければ的確に対処することは不可能だろう……水火自然で《切札勝太&カツキング ー熱血の物語ー》が2枚しか入っていないなどと、誰が予想できるだろうか?
もちろん使用難度も超おんそく級である。マナチャージ、山札の順番、相手に見せるカードと見せないカードなど、異能の処理能力がなければ勝利への道筋をたどることは不可能だ。いっそ清々しいほどの専用機であり、仮に優勝したとしてもローグデッキのままだろうなと思わせるようなデッキを平然と持ち込んで使いこなせる地力の高さが、おんそくというプレイヤーの底知れないポテンシャルを端的に示していると言えよう。