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超CSⅧ大阪:事前メタゲーム総括記事

ライター:清水慎之佑(のすけ)

 「愛感謝祭 ヒロインBEST」発売からはや1ヶ月が経とうとしている。

 ここで登場しフィーチャーされた種族達は下馬評以上の強さを誇り、殿堂施行を待たずして多くの結果を残していた。

  実際に殿堂施行前に行われた超CS Ⅷ 北海道では最強と謳われていた【火光闇ファイアー・バード】を蹴落として決勝の席を【水単サイバー】が独占するなどその強さを知らしめるに至った。
 8月12日に施行された殿堂で【火光闇ファイアー・バード】が大きなダメージを受けたことから「愛感謝祭 ヒロインBEST」の脅威は更に加速するだろう。

 今回の記事では、そんな「愛感謝祭 ヒロインBEST」に支配された超CSⅧ大阪のメタゲームを参加者の皆様に向けて紐解いて行く。

 先日行われたDTL前期第5節でも同じ殿堂のオリジナルフォーマットで行われている事から環境の構造を簡易的に把握できるだろう。

 まだ観ていない方は要チェックだ。


新殿堂が与えた影響

 今回の殿堂入りで、オリジナルフォーマットのデッキは 《アリスの突撃インタビュー》の殿堂 《雷炎翔鎧バルピアレスク》プレミアム殿堂

 これらの影響で【火光闇ファイアー・バード】が 《フォース・アゲイン》プレミアム殿堂

 この影響で【光水闇アマテラス】が大きな弱体化を受けた。

 先程述べたようにこの殿堂は非常に大きな影響をオリジナル環境に与えている。

 【火光闇ファイアー・バード】に抑圧されていたデッキは非常に多く、一気に様々なアーキタイプが息を吹き返し、環境は一気に群雄割拠の混沌に突入していった。

 そんな群雄割拠となった環境に存在するデッキの中から有力株となるデッキを紹介していこう。

水単サイバー

 サンプルデッキ:水単サイバー
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 36 クリーチャー
4 《アストラル・ハート》
4 《マクスハト》
4 《アイドル・ハート》
4 《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》
4 《黄昏ミミ&トワイライトMk.3 ー挑戦のヒロインー》
4 《昇カオスマントラ》
3 《ルード・ザーナ》
2 《裏斬隠 テンサイ・ハート》
2 《フラワー・ハート》
2 《パクリオ》
1 《エメラル》
1 《シュトラ》
1 《サイバー・N・ワールド》
 4 呪文その他
4 《アストラルの海幻》


 「愛感謝祭 ヒロインBEST」で登場した中でも本命中の本命は初代デュエル・マスターズのヒロイン、「黄昏ミミ」の種族である【水単サイバー】だ。

 デュエチューブリーグ第4節にてTeam SAGAのむった選手によって発見され開拓された《昇カオスマントラ》型の構築は、その圧倒的なまでのソリティア力で一気にシェアを伸ばして殿堂前に行われたにも関わらず超CSⅧ北海道の決勝の座を独占した。  ここまでの強さには当然与えられた新カードの圧倒的な火力が起因している。

 《マクスハト》《ハッター・ルピア》を彷彿とさせるゲームエンド性能をもたらし、《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》はどんな状況も打開する突破力、単体でゲームを支配する制圧力を手にする事となった。

 《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》がビートダウンとループパーツどちらの役割も担っている事もあり、デッキのスロットを絞ることにも成功しているというぶっ飛んだ性能をしていることからどの様なプランでも軸になるというのもデッキの骨太っぷりに拍車をかけている。

 いつの時代も殴れるソリティアデッキは強力で、歴代でも【水闇サガループ】や【自然単猿ループ】といった一時代を築いたデッキばかりだ。
 勿論この【水単サイバー】もこの要素に該当している事から、この超CS環境においても非常に大きな存在感を示す事だろう。

自然単グランセクト

 サンプルデッキ:自然単グランセクト
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 12 クリーチャー
4 《クイーン&かぼちゃうちゃう》
4 《地封龍 ギャイア》
3 《うららかもも&ミノマル ー献身のヒロインー》
1 《龍装者 ジスタジオ》
 24 ツインパクト
4 《大虹帝 ミノガミ / 「ミノマルちゃん!わたしがついてるわ!」》
4 《コレンココ・タンク / ボント・プラントボ》
4 《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》
4 《地龍仙ロマネアース / 仙なる大地》
4 《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》
2 《Q.Q.G.QX. / 「この子はさわらせないわ!」》
2 《大長老 アプル / 「わたしが自然文明のプリンセス?」》
 4 呪文その他
4 《ジャンボ・ラパダイス》


 「愛感謝祭 ヒロインBEST」の注目種族のもう一つはやはりこの【自然単グランセクト】だろう。

 新章デュエル・マスターズから登場した「うららかもも」が自然文明の女王として統べているグランセクト達をフィーチャーしたデッキタイプだ。

 デッキとしてのベースとなったのは昨年、生粋キャベツ農家であるゴジウム選手の継続した入賞や超CSⅦ広島でのdotto選手の入賞を皮切りに爆増した【水自然キャベッジ】で、今回の「愛感謝祭 ヒロインBEST」にて信じがたいほどの強化を受けた。

 デッキの本質こそ以前と大きくは変わらないものの、ゲーム進行中の過程と終着点で大きなアップデートを遂げたのだ。

進行過程の違い

 以前の【水自然キャベッジ】はひたすら愚直にマナブーストを続けていくしかなく、搦手が存在し得なかったものの、強力なメタ(妨害)カードである《クイーン&かぼちゃうちゃう》《Q.Q.G.QX. / 「この子はさわらせないわ!」》の登場によってテンポを損なわずにマナブーストする手段を獲得して今までできなかった搦手を取り入れることに成功した。

フィニッシュ精度の大幅な向上

 【水自然キャベッジ】の明確な弱点として、盤面干渉能力が低く《地封龍 ギャイア》《終末の監視者 ジ・ウォッチ》が着地しても勝てないというものがあった。

 今回追加された新規カード達が能力だけ見ても必須級、加えてそれらがNEO進化持ちということで進化によるコンボ中の即時打点として運用が出来るようになった。

 これらの必須パーツが軒並み即時打点に変わり、ロックをかけながら殴ってくるのは強力無比という他ないだろう。

基本的な動き

 マナブーストをして《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》《地封龍 ギャイア》といったフィニッシャーを着地させる、という点に大きな差はないが、新規カード達の登場で強化されたのはこの着地させやすさにもあると言える。  《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》着地から  8コストで《地龍仙ロマネアース / 仙なる大地》 →7《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》 →6で《コレンココ・タンク / ボント・プラントボ》

 ここまてで山札を10枚掘り進めて《うららかもも&ミノマル ー献身のヒロインー》を探して《超時空罠 デンジャデオン / 「トラップ?ちがうわ、お願いしてるだけ!」》のマナ召喚効果を用いてG・0で着地させる事で再度《キャベッジ・セッションズ / ソイルピンプ・キャベッジ》の効果が起動する。

 ここで9コストの《地封龍 ギャイア》を出してここから《うららかもも&ミノマル ー献身のヒロインー》とマナゾーンが尽きるまで展開して過剰打点+封殺で押し切るのが現代の【自然単グランセクト】だ。

ドリームメイト

 サンプルデッキ:ドリームメイト
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 35 クリーチャー
4 《お目覚めメイ様》
4 《配膳犬のトレス》
4 《森夢のイザナイ メイ様》
4 《ピザスターのアンティハムト》
4 《激烈元気モーニンジョー》
4 《料理猫のプワソン》
3 《料理犬のヴィヤンドゥ》
3 《クイーン&かぼちゃうちゃう》
3 《料理長のラビシェフ》
2 《魔誕幻獣ボンメェ》
 5 呪文その他
4 《トレジャー・マップ》
1 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》


 「超感謝祭 ファンタジーBEST」で登場して1年、ついに環境落ちすること無く最前線を走り切った。

 1年経った今尚2ターン《森夢のイザナイ メイ様》の火力は環境最強であり決まったらゲームエンドというのも変わらない。

 《クイーン&かぼちゃうちゃう》の登場後即搭載されるなど、環境や新カードとの親和性も高いのが長く生き残った理由だと言えるだろう。

 デッキパワーも申し分なく、今回の超CSⅧ大阪でも本命だと言えるだろう。

ファイアー・バード

 サンプルデッキ:ファイアー・バード
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 38 クリーチャー
4 《マジシャン・ルピア》
4 《ルピア&ガ:ナテハ》
4 《ハッター・ルピア》
4 《ハンプティ・ルピア》
4 《龍后凰翔クイーン・ルピア》
4 《愛銀河マーズ・シンギュラリティ》
3 《ポッピ・冠・ラッキー》
3 《アシステスト・インコッピ》
3 《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》
2 《凰翔竜機マーチ・ルピア》
2 《ヤット・パウル》
1 《コッコ・武・ルピア》
 2 呪文その他
1 《瞬閃と疾駆と双撃の決断》
1 《アリスの突撃インタビュー》


 《雷炎翔鎧バルピアレスク》《アリスの突撃インタビュー》を失い、遂に環境落ちを謳われた【火光闇ファイアー・バード】は《ハッター・ルピア》の生存、ただこの1点で環境での存在感を放っている。

 【水単サイバー】と【自然単グランセクト】に対してのアプローチも強く、メタカードが使えるマッチアップな事も後押ししているだろう。

 不死鳥の如く何度も環境に蘇り、今回のCSでも結果を残すのかは非常に楽しみなところではあるだろう。

火自然アポロ

 サンプルデッキ:火自然アポロ
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 22 クリーチャー
4 《冒険妖精ポレコ》
4 《オンソク童子 <ターボ.鬼>》
4 《カチコミ入道 <バトライ.鬼>》
4 《覇帝なき侵略 レッドゾーンF》
4 《禁断の轟速 ブラックゾーン》
1 《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》
1 《轟く侵略 レッドゾーン》
 18 呪文その他
4 《ヘルコプ太の心絵》
4 《ストリエ雷鬼の巻》
4 《進化設計図》
4 《エボリューション・エッグ》
2 《ジャスミンの地版》


 1年以上残っている「超感謝祭 ファンタジーBEST」組を上回る、今回最長の3年間環境に居座って長老的な立ち位置でオリジナル環境を見守っている。

 【水単サイバー】や【自然単グランセクト】に一定の勝率を担保できつつ、ソリティアが多い環境構造な為受け札の枚数が減りがちなのも追い風だと言える。

 ワンショットプランが細くなり、最速3ターン目の分割リーサルを狙う構築となった為やりにくいマッチアップは増えたもののその強さは健在だと言えるだろう。

ジョーカーズ

 サンプルデッキ:ジョーカーズ
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 24 クリーチャー
4 《ベイビーポンの助》
4 《ヤッタレマン》
4 《万能バンノー》
4 《ヘルトッQ》
3 《パーリ騎士》
3 《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》
1 《夢の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》
1 《ハイパー・ザ・ジョニー》
 4 ツインパクト
4 《ネフェルカーネン / タイム・ストップン》
 12 呪文その他
4 《ジョジョジョ・ジョーカーズ》
4 《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》
4 《勝熱と弾丸と自由の決断》


 《アリスの突撃インタビュー》殿堂の影響を嬉しい形で享受したのはやはりこのデッキだろう。

 《ヤッタレマン》から始まり《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》に繋げるという伝統的なジョーカーズの動きを踏襲した今季のジョーカーズもやはり強力だ。

 《ベイビーポンの助》《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の着地を咎め、《万能バンノー》《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の攻撃を咎めて《勝熱と弾丸と自由の決断》《愛銀河マーキュリー・スターフォージ》の進化元を除去する。

 と言った具合でVS【水単サイバー】に対しての役割をしっかり持てているのが本当に大きなポイントだろう。

 《王道の弾丸 ジョリー・ザ・ジョニー》《ベイビーポンの助》によって幅広いマッチアップを意識出来ること、《ゼロの裏技ニヤリー・ゲット》によるリソースの獲得でロングゲームをしかけたりと出来ることが多いのも充分すぎる魅力と言える。

 種族単位での人気も高いことから、比較的高いシェアが見込まれるデッキタイプだ。

光水自然アルファディオス

 サンプルデッキ:光水自然アルファディオス
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 25 クリーチャー
4 《天彩の精霊ミルディアス》
4 《王導聖霊 アルファディオス》
3 《星光の精霊龍 ベルフォール》
3 《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》
3 《ルード・ザーナ》
2 《SSS級天災 デッドダムド》
2 《サファイア・ウィズダム》
1 《剛撃聖霊シェバ・エリクシア》
1 《叡光の精霊アレックス》
1 《聖霊王アルファディオス GS》
1 《滝川るる&ラフルル ー閃光のヒロインー》
 4 ツインパクト
4 《支配の精霊ペルフェクト / ギャラクシー・チャージャー》
 11 呪文その他
4 《ジャスミンの地版》
4 《理想と平和の決断》
2 《Dの天災 海底研究所》
1 《天翔と紋章の門》


 「アルカディアスの書」発売で急速にシェアを伸ばしたアーキタイプだ。

 DTLで魔王軍の◆ドラ焼き選手が持ち込み話題となったデッキが《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》を最も強く使えるという点を高く評価されて環境デッキとして戦っている。  2→4《ヨビニオン・マルル》から《王導聖霊 アルファディオス》を着地させて各種フィニッシャーに繋げるというデッキだが、特筆すべきはその拡張性にある。

 《Dの天災 海底研究所》《華謡の精霊カンツォーネ》《理想と平和の決断》等様々な自由枠のデッキからカードを選択出来るのは大きな魅力だと言えるだろう。

 《天革の騎令嬢 ミラクルステラ》の拘束力の高さを活かせるのも大きく、《サファイア・ウィズダム》のロック範囲を見た目以上に広げやすい。

 新しいデッキタイプであることから対処も難しく正しく大会向けのアーキタイプだと言える。

水自然ジャイアント

 サンプルデッキ:水自然ジャイアント
 超CSⅧ 大阪
 オリジナル構築
 35 クリーチャー
4 《とこしえの超人》
4 《キャディ・ビートル》
4 《アシステスト・シネラリア》
4 《チアスペース アカネ》
4 《超重竜 ゴルファンタジスタ》
3 《五番龍 レイクポーチャー ParZero》
3 《爆翠月 アカネ》
2 《チアスカーレット アカネ》
2 《銀河竜 ゴルファンタジスタ》
2 《終の怒流牙 ドルゲユキムラ》
1 《一音の妖精》
1 《六番龍 シックスフォール Par滝》
1 《洗打の妖精》
 4 ツインパクト
4 《同期の妖精 / ド浮きの動悸》
 1 呪文その他
1 《フェアリー・ギフト》


 全国大会を1.2でフィニッシュし、2024年最強となったデッキは未だ健在だ。

 《一音の妖精》を獲得してフィニッシュ力を格段に向上させた本デッキだが、今回の環境でもメタデッキとして一定の存在感を放っている。

 実際、採用されているメタカードの刺さり具合は

《とこしえの超人》は【水単サイバー】と【自然単キャベッジ】【火光闇ファイアー・バード】に有効で、《キャディ・ビートル》は【火光自然ドリームメイト】や【自然単キャベッジ】に有効と言った具合だ。

 このように現環境でも【水自然ジャイアント】のメタカードは有効である事から序盤を凌いで各種「ゴルファンタジスタ」を使って蓋をしていく往年の動きは変わらず強力だろう。

終わりに

 久しぶりに最強格のデッキが2種類ある環境が訪れ、環境は「魔覇革命」の様相(※)を呈している。

 殿堂で一気に固まった環境で行われる超CSⅧ大阪、この記事が皆様の一助になれば幸いに思う。

※2023秋〜2024夏の【火水マジック】【闇自然アビス】の2強環境
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