DMGP2025-1st Day2(オリジナル):ローグデッキピックアップ
ライター:小林 隆介(004)
本記事では本戦進出者128名のうち、使用者が1名のみのデッキを紹介する。その数なんと16デッキ。
安定の環境デッキもいいけれど、一風変わったデッキが勝ち進む姿は驚きに満ちあふれるじゃないか。
大群となって飛び回るファイアー・バードに抗った勇者たちのリストをここに刻もう。
てるふぇす:水単ハイパーエナジー
てるふぇす DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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言わずと知れた今回の準優勝デッキである。
並み居る猛者をごぼう抜きしていく姿に興奮した人も多いだろう。
ビートダウンでありながら《爆藍月 スケルハンター》《魔誕の斬将オルゲイト》のメタ(妨害)効果を駆使し、相手をじわじわと追い詰めていく軸のずれた戦い方が魅力のデッキだ。
その活躍は対戦カバレージに語られるので、ぜひ確認していただきたい。
マイケル:4cボルコン
マイケル DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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配信を大いに沸かせたボルコンの登場だ。
メタクリーチャーと手札破壊で時間を稼ぎ、《鬼ヶ覇覇覇 ジャオウガ》でリソースを削り、残りのシールド3枚を《ドリーム・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴン》で焼き切る。
徹底して相手の逆転の芽を摘む戦い方はまさに由緒正しきボルメテウスコントロールだ。
ファイアー・バードデッキに対して強い《ヴェネラック-F5》や《飛ベル津バサ「曲通風」》というメタクリーチャーの選定が光る。
ハイランダーで無いのは残念だが、まずはこの構築も使ってみていただきたい。
トランクス:5c準ハイランダー
トランクス DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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これこれこれこれこういうのだよ!!!!!
昔は《フェアリー・ミラクル》だけ4枚積んでたところ、令和だと《天災 デドダム》が4枚になるんだ、なるほどなるほど。
《天使と悪魔の墳墓》が強く使えるのが魅力だな、1回墓地に置いて「相手勝手に縛りプレイしてるからもう墳墓ケアしなくていいや」と思っている相手に《龍素記号wD サイクルペディア》出したすぎる。
《マンハッタンの心絵》《終末縫合王 ザ=キラー・キーナリー》《聖霊超王 H・アルカディアス》といった、一枚で詰みにできるカードがとてもいやらしい。
デッキには入ってないのに相手が勝手に《アポカリプス・デイ》をケアしてくるかもしれない。
ベスト128としてカバレージに残せることがとても喜ばしい。
ネコラック:火水覇道
ネコラック DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》と《勝利龍装 クラッシュ“覇道”》、そして《流星のガイアッシュ・カイザー》が全て盛りという意欲作だ。
火水、と銘打ったが自然文明も11枚採用されており《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》の通常召喚も現実的である。
《"麗片禅"戦車 バッドラマー》の採用が非常に好印象で、例えばメタクリーチャーの《ボン・キゴマイム / ♪やせ蛙 ラッキーナンバー ここにあり》を2体出されていても《“必駆”蛮触礼亞》で1体とバトル、《"麗片禅"戦車 バッドラマー》の出た時バトルで2体とも除去した上で踏み倒し効果を2回発動できる。
《禁断竜秘伝エターナルプレミアムズ》の採用も印象的だ。《頂上電融 クライアッシュ“覇星” ’22》のアタックで唱えて《同期の妖精 / ド浮きの動悸》を添えて返されないバトルゾーンを構築できる。《"麗片禅"戦車 バッドラマー》にバトルさせるのも絶対気持ちいい。
レンホウ:火闇自然アビス
レンホウ DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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《邪幽 ジャガイスト》の殿堂により最近おとなしい闇自然アビスデッキだが、《堕チシ八叉ノ蛇神》の登場で復権となるか。
一見シンプルなテキストながら《堕チシ八叉ノ蛇神》の制圧力は高く、特に2体並んだ際にはあっという間に相手のリソースを刈り取ってしまえる。
しかし、アビスから《邪幽 ジャガイスト》が抜ける日が来るとは。
久々にストレージから引っ張り出してみてはいかがだろうか。
はっぱ神:火光闇メカビート
はっぱ神 DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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パッと見はよく分からんメタビート?《光喜神官 ジョナス》って何するんだっけ?と能力を調べるところから始まった。
なるほど、《龍装05号 イヴィルヴィ / イーヴィル・フォース》の下面から《光喜神官 ジョナス》を出すと走りながらエンド時破壊はエスケープで守れる。
3ターン目に1枚ブレイクして4ターン目に《ウィリデ・ゴル・ゲルス》を2体展開、とか細かく刻むビートダウンしそうだな。
4枚の《鎧機天 シロフェシー》が《真気楼と誠偽感の決断》を止めてくれるのがありがたい。
《ハンプティ・ルピア》はやっぱり強いし…ん、まさかこいつ…《鎧機天 シロフェシー》にチェンジするのか!?
《光喜神官 ジョナス》アタック時《鎧機天 シロフェシー》革命チェンジ宣言、《ハンプティ・ルピア》と《星姫械 エルナドンナ》踏み倒し、《ハンプティ・ルピア》で手札を見てからチェンジする必要無さそうなら《星姫械 エルナドンナ》の身代わり効果を適用して革命チェンジ失敗させます、まで見つけた。
他にも細かいギミックが隠されているかも知れない。
これは回しがいのある良いリストだ。
あいみー:火光自然シデン
あいみー DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》の殿堂以降、純粋に早さで勝負するデッキはなりを潜めていた。
《暴覇斬空SHIDEN-410》はそこに真っ向から立ち向かう武士道デッキだ。
このリストは《パッピ・ラッピー》まで採用して絶対に《超神羅星アポロヌス・ドラゲリオン》を持ってきて3キルする”覚悟”がある。
《魔軸の鎖 カメカメン》から撃つカードとして《キユリのASMラジオ》に加えて《正義の逆転撃》まで採用して徹底して前のめりに生きているのが潔い。
《ラッキー・ダーツ》は本当に2度見した。最速1キルデッキ、これくらいみんな自由になろう。
TAYO:水闇自然ボウダン=ロウ
TAYO DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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書いてあることはすごいのにデッキを形にするのが難しい《超暴淵 ボウダン=ロウ》。
このリストでは新弾から《邪龍 ジャジーブラッド》を採用することで、《超暴淵 ボウダン=ロウ》が出たターンにスピードアタッカーで更に展開して攻め込める構成となっている。
火文明をタッチカラーに抑えることでデッキに安定感を持たせるアプローチがおしゃれだ。
今後もカードプールが増えるほど強化されていくデッキなのも期待が持てる。
「こば」:5cバロム
「こば」 DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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アドバンスでは猛威を振るった5cバロムだが、オリジナルでは《時空の禁断 レッドゾーンX》の多重侵略ができない分火力が足りないと思われていた。
このリストでは環境トップデッキのファイアー・バードやボルシャックに対して有効なメタカードの《カレイコの黒像》を取ることで、自分の得意な土俵に相手を引きずり込む構築となっている。
言われてみれば《悪夢神バロム・ナイトメア》には影響がないし、素晴らしい発見である。
もももやし:ユニバース退化
もももやし DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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《禁断英雄 モモキングダムX》の退化ギミックを利用するデッキはいくつかあるが、このデッキはその中でも異質なデッキだ。
《禁断英雄 モモキングダムX》を召喚しても何も下に入らず、《時空工兵タイムチェンジャー》でいきなりエクストラウィンの準備ができた《究極銀河ユニバース》を仕込むのだ。
コンボパーツ2種が《逆転の影ガレック》から出せて、《豪運の絆》でデッキを回せるといった強化をひっそりと受けていた。
他のデッキと違い踏み倒しをしないのでメタクリーチャーが当たりづらいのが今回のメタゲームに合っていたのかもしれない。
《時空工兵タイムチェンジャー》の仕込みは《カレイコの黒像》に邪魔されないぞ!
ツチ:水闇自然デッドダムド
ツチ DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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4cボルコンもそうだが、今の環境はメタクリーチャーとハンデス(手札破壊)を組み合わせる戦略が有効だ。
最近は《ヨビニオン・マルル》でリソースを伸ばす型が多かったが、リソースを縛って《CRYMAX ジャオウガ》で〆るタイプがベスト128に残っている。
こうやってメタゲームは回るのだと感慨深い。
しゅんてん/ノブカツ:水闇自然グラスパーループ
しゅんてん/ノブカツ DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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水闇自然マルルをはじめ、序盤の妨害が薄いデッキは今回軒並み旗色が悪かった。
このリストは《ロスト・Re:ソウル》や《修羅の死神フミシュナ / 「この先は修羅の道ぞ」》を採用し、手札に焦点を当てたリソースゲームを仕掛けている。
ハンデス合戦になってもトップ《蒼狼の王妃 イザナミテラス》でエクストラウィンまで持っていけるのが魅力だ。
LarQ:闇単アビス
LarQ DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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下馬評ではある程度注目されていたが、予選突破は1名のみ。
新弾の恩恵を得られていないのもあり他のデッキから一歩遅れる結果となった。
デッキとしての強さは十分にあるはずなので、環境次第での復権は十分にあり得るだろう。
PIC:闇単ゼーロ
PIC DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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意外と予選突破者が伸びなかったソリティアデッキである。
非常に綺麗なリストなので、使ってみたいならぜひ参考にしてほしい。
Y’s:火光水庵野水晶
Y’s DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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《庵野水晶》からの連鎖が気持ちいいデッキだが、呪文に対するヘイトが高い環境では勝ち切ることができなかったようだ。
ハンデスやメタクリ主体の現環境は逆風と思われる。また良いタイミングが回ってくると思うので虎視眈々と狙っていただきたい。
kabis:光水闇天門
kabis DMGP2025-1st オリジナル構築 |
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アドバンスでは優勝した天門もオリジナルではトップ128に1人だけ、大きく差が付いたなぁという印象。
このデッキリストは闇文明を8枚採用して《真気楼と誠偽感の決断》を手打ちできるようにしている様子で…ん???《天使と悪魔の墳墓》!?《アポカリプス・デイ》!?
やはり意識の外からやってくる《アポカリプス・デイ》が最強なんだ。メタクリーチャーを並べて油断した相手に《真気楼と誠偽感の決断》から《アポカリプス・デイ》打ち込んで場を壊滅させたすぎる。
このひと工夫がきっと予選突破に繋がったのだろう。
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